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公開日:2021/08/24

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【南青山×CPASS】CPAキャリアセッション第1回第2部 〜自らの道を歩む会計士達〜

イベント概要

――CPAキャリアセッションとは?

7月17日(土)に開催した南青山アドバイザリーグループ・CPA会計学院共催、無料オンラインセミナーです。 様々な場所で活躍する豪華なゲスト陣をお迎えし、公認会計士としての今後のキャリアについて対談しました。

第1部:時代を担う若手会計士が選択した道(合格後10年以内の会計士) LINK
第2部:成功者達が見るこれからの未来へと続く道
第3部:仙石氏×国見による特別対談 LINK

――【第2部】成功者達が見るこれからの未来へと続く道

第1部では若手の会計士の方々を中心に熱いトークを交わしていただきました。
第2部では、会計士人生を長く歩んでいらっしゃる方々をゲストに迎え、今のキャリアを選んだきっかけやこれからの会計士業界の未来などについて語っていただきました。
当記事では、第2部のハイライトなどを取り上げていきます。

INDEX

①登壇者サマリー
②ハイライト
–会計士を目指したきっかけと今のキャリアを選んだ経緯を教えてください。
–会計士試験に合格した頃は、監査法人以外の選択肢はありましたか?
–監査法人には入るべきですか?
–上場企業の社長になって大きくキャリアは変わりましたか?
–同期の方で監査法人に残っている方はいますか?
–CFOになって良かったですか?
–独立して良かったですか?
–今後のキャリアや、業界の全体像について教えてください。
–収入について教えてください。(可能な範囲で)
③最後に
④登壇者プロフィール

登壇者サマリー(以下、敬称略)

ファシリテーター:仙石 実(南青山アドバイザリーグループ代表 公認会計士 税理士)

② ハイライト

――会計士を目指したきっかけと今のキャリアを選んだ経緯を教えてください。

荒井:
元々社長になりたいと思っていたのですが、社長になる前に何か経験をしておきたいとも思っていました。調べていく中で、会社の動きを数値で捉える力を身につけることができる会計士に魅力を感じ、会計士を目指しました。

楢木:
いろいろな会社を幅広く見ることができる会計士に魅力を感じて会計士になりました。
トゥエンティーフォーセブンのCFOになったのは、トゥエンティーフォーセブンのショートレビューがきっかけですね。ショートレビュー報告書の提出後に、「CFOが必要だ」と、私が助言をしたところ、その社長から「楢木君にCFOになってもらった方が早い」とお誘いいただきました。事業会社側でチャレンジしたいという気持ちもあり、トゥエンティーフォーセブンのCFOに就任しました。

柴田:
経済学部で勉強していくうちに学問とビジネスの乖離に問題意識を抱くようになり、経営に携わる仕事をしたいと思うようになりました。会計士になればいろいろな会社を見ることができると知り、会計士を目指しました。

江黒:
独立したいという思いがあったことと、税理士の父や姉から「お前は会計士に向いている」と言われたことなどがきっかけで会計士を目指しました。
CFOになったのは、監査法人に勤めて数年経った頃、IPOやCFOが注目されるようになり、私もCFOをやりたいと思っていて、その時ちょうど高校の友達からCFOに誘われたことがきっかけです。CFOとしての経験がなかったので、ベンチャーキャピタルの方や銀行の方に怒られながら仕事をする毎日でしたね。結局、その会社のIPOは難しく、会計士としての経験の浅さを痛感しました。
その後、小さい会計事務所での修行を経て、独立に至っています。

 

――会計士試験に合格した頃は、監査法人以外の選択肢はありましたか?

江黒:
監査法人以外の選択肢はほぼ無かったですね。同期で会計士試験に受かった方々もほぼ監査法人を選んでいました。99%の方々が大手監査法人を選んでいたと思います。

――監査法人には入るべきですか?

荒井:
僕が働いていた時代と同じような環境であれば、監査法人に勤めた方が良いと思っています。当時は上場前のクライアントが多く、会計数値やシステムの不備の修正を積み重ねたことによって力がついたと実感しています。

柴田:
監査法人に入るメリットは2つあると思っています。まず1つ目は、クライアントの誰とでも話をすることができるので、会社を自由自在に見ることができるという点です。2つ目は、成長企業を複数見ることで、“成長するためにはどうすべきか”、という問いに対し、仮説を構築できるという点です。

江黒:
私が今、会計士試験に受かったという状況だとしても、また監査法人に入ると思います。いろいろな会社に行けるのはもちろん、工場や物流センターといった施設にも行くことができます。さらに、監査法人の在籍期間中に海外出張にも行くことができ、とても良い経験になったと思っています。

 

――上場企業の社長になって大きくキャリアは変わりましたか?

荒井:
当時、会社を上場させるという発想はなかったですね。M&Aの仲介業は資金力を求められる仕事ではないし、知名度を上げるという目的であれば上場ではなく、CMで代替できると思っていました。けれど、同業で上場した会社と僕の会社とで差がついてしまっていることを実感して、僕の会社も上場させようと決めました。ライバルの存在は重要だったと今でも思っています。

 

――同期の方で監査法人に残っている方はいますか?

荒井:
僕の世代で監査法人に残っている方は、多分パートナーになっていると思います。監査法人に残る方もいないと証券市場が成り立たないですしね。やはり、監査法人に残って監査に道を見出す人もいないと困ると思います。

 

――CFOになって良かったですか?

楢木:
CFOになって良かったと思いますね。今の社長の先見性や、頭の良さを感じ、“この人と一緒に仕事をすれば自分も成長できる”と思っていました。
いかに成長スピードを止めずに、市場に求められるガバナンスを築いていくかを考えることにやりがいを感じていました。

 

――独立して良かったですか?

江黒:
非常に楽しくやっています。自分のやりたいことを自分のスケジュール管理でできることが魅力ですね。会計士で独立するためには税務が必須だとよく言われているのですが、自分はIPO支援とM&Aのアドバイザリーだけで食べていくことができています。成長意欲のある経営者や悩みを抱えている経営者のサポートをすることができ、非常に満足しています。

 

――今後のキャリアや、業界の全体像について教えてください。

荒井:
ストライクの創業後から、会計士のキャリアが多様化してきたと思っています。しかし、経営者になる会計士がまだ少ないと感じています。会計士と畑違いな事業で企業を上場させるような会計士が現れると、もっと業界が明るくなると思います。

柴田:
会計士業界のエコシステムを作っていきたいと思っています。成功した先輩が後輩にノウハウを伝えたり、面倒を見たりする機会があると良いのではないでしょうか。

楢木:
自分たちが経験した事を後輩に引継ぐことで経済を回していければ良いなと思っています。

江黒:
①監査という独占業務をもって資本市場をサポートする役、②荒井さん、楢木さん、柴田さんのように経営者側に立って日本経済を引っ張っていく役、③私や仙石さんのようにアドバイザーとして経営者をサポートする役、といった3つの役割で公認会計士が成長できたら良いと考えています。
そして、大手企業のアドバイザリーとして活躍する方が増えていますが、独立して困っている経営者のサポートをする立場の方も増えると、日本経済の底上げに貢献できると思っています。

――収入について教えてください。(可能な範囲で)

荒井:
収入の多くは配当です。

楢木:
トゥエンティーフォーセブンの株や、ストックオプションが収入源です。

柴田:
事業会社のストックオプションがメインです。もっと収入面で会計士がもらえると良いなと思っています。

江黒:
自分の頑張りが収入のアップに繋がっています。例えば、顧問契約や社外役員報酬、セミナー講師収入、会計コラムの執筆収入などですね。独立すれば自分の裁量次第で収入アップを狙えるので、頑張ってください。

③ 最後に

いかがでしたでしょうか。
第2部で登壇いただいた方々も各々が違うキャリアをお持ちであり、会計士としてのキャリアの幅の広さを実感しました。

第2部で登壇していただいた方々は、“キャリアを選ぶ前に目標を明確にすること”を心掛けているという印象を抱きました。
例えば、荒井さんは経営者としての武器を得るために、会計士を目指したと仰っています。一方で、江黒さんは独立志向があったから公認会計士になったと仰っています。このように何のために会計士になるかを明確にしており、会計士としての経験やスキル、反省などを次のキャリアに繋げているように感じました。
パネルディスカッションを見て、私も目標を明確にした上でキャリアを決めることを心掛けようと思いました。

CPASSでは、上記のような魅力的なイベントを随時開催してまいります。この記事を読んで、興味関心を持たれた方はぜひ次回イベントにご参加ください。

また、キャリアについてのご相談等についても随時承っておりますので、興味関心を持たれた方はぜひご登録してみてはいかがでしょうか。
https://cpa-career.jp/

④ 登壇者プロフィール

仙石 実
南青山アドバイザリーグループ 代表取締役CEO
公認会計士・税理士

2002年監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)において、約9年間にわたり東証一部上場企業の監査業務及びIPO支援業務並びに当法人初となるIFRS任意適用会社の監査にメンバーとして従事。
監査法人時代の上司の会計事務所を経て、2013年、南青山税理士法人、南青山FAS株式会社の代表に就任。その後急拡大を続け、現在は南青山アドバイザリーグループの代表として、大手金融機関を始めとした数多くの企業に会計・税務専門サービスを提供。2019、2020年連続してBest Professional Firmを受賞。
2021年に執筆した著書「人生を変えるお金の話」が楽天ブックスランキング1位に輝く。

※仙石さんのインタビュー記事はこちらからご覧いただけます。
URL:
独立開業を目指している会計士は必見!独立会計士のロールモデル、仙石実のキャリア!


荒井 邦彦
株式会社ストライク 代表取締役
公認会計士

学生時代から起業を志していたが、まずは「読み・書き・そろばん」のうち「そろばん」をスキルとして身につけてから起業しようと公認会計士を目指し、1年後、現役合格を果たす。
監査法人時代に上場支援のクライアントでM&Aを頻繁に実行する会社を担当したことから、M&Aビジネスに将来性を感じ、26歳で起業。1999年1月、売り手と買い手をネット上でマッチングする国内初のM&A仲介サイト「M&A市場SMART」を創設した。数多くのM&Aを成約に導き、以降も順調に業績を伸ばし、2016年6月に東証マザーズへ上場、その1年後の2017年6月には東証1部に市場変更を果たした。


楢木 毅
元 株式会社トゥエンティーフォーセブン 取締役CFO 経営管理本部 本部長
公認会計士

1980年生まれ、鹿児島県出身。早稲田大学大学院修了。
新日本監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)に入所後、IT/メディアエンターテイメント業界・外食産業・清涼飲料水メーカー・製造業・卸売小売業、ヘルスケア企業をはじめとするクライアントを担当するとともに、グローバル企業の会計監査に従事。また、複数のIPO業務を経験。
2015年株式会社トゥエンティーフォーセブンに入社し取締役CFO兼経営管理本部長、上場準備プロジェクト責任者に就任。2019年東証マザーズ上場へ導く。
2020年、同社取締役を退任後、現在はIPO支援、M &A仲介、公認会計士コミュニティ運営(2021年6月末730名)など。

※楢木さんのインタビュー記事はこちらからご覧いただけます
URL:
CFOとして上場を実現し、若手やスタートアップの支援を手掛ける 楢木毅のキャリア!


柴田 裕亮
株式会社エアトリ 代表取締役社長 兼 CFO
公認会計士

1982年生まれ。2005年に東京大学経済学部経済学科を卒業し、監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)に入所。法定監査・IPO支援業務等に従事。その後、2010年より野村證券株式会社に2年間出向し、国内・グローバルIPO、ファイナンスに係る証券審査に従事。トーマツ帰任後は、数多くのクライアントの上場案件に関与したほか、IPO支援室の中核メンバーとして、法人全体にわたるIPOクライアントの支援、講演・執筆等を実施。
2015年、株式会社エボラブルアジア(現 株式会社エアトリ)の取締役CFOに就任。2016年の東証マザーズ上場、2017年の東証一部市場変更を牽引。2019年に同社代表取締役CFOに就任し、2020年に同社代表取締役社長 兼 CFOに就任。


江黒 崇史
江黒公認会計士事務所 代表
公認会計士

1999年3月早稲田大学商学部卒業。
2001年10月から2004年まで監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)において製造業、小売業、IT企業を中心に多くの会計監査に従事。2005年より株式会社アーケイディア・グループに入社。会計コンサル業務を中心にグループである税理士法人アーケイディア、清和監査法人の業務も担当。
2007年清和監査法人パートナー就任。
2014年7月に江黒公認会計士事務所を設立し会計コンサルティング、IPOコンサルティング、M&Aアドバイザリー業務の遂行に努める。


当記事の実際のイベント動画はこちら!

また、当記事はキャリアセッションの第2部となっております。
第1部についても是非ご覧ください。

第1部【南青山×CPA会計学院】CPAキャリアセッション 〜自らの道を歩む会計士達〜
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