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公開日:2023/01/27

  • 100人のロールモデル
  • 独立
  • 監査法人

トーマツ、BCGを経てコンサル会社設立!若手会計士にコンサルの仕事の魅力を伝えたい!松本雄大(Tech CFO office代表取締役社長)のキャリア!

今回のロールモデルは、Tech CFO office代表取締役社長の松本雄大さんです。会計監査業務に加え、コンサル業務や大学での講師業など幅広いご経験のもと、ベンチャーに特化したコンサル業で独立というキャリアを歩んでいます。コンサルに興味がある方、幅広い経験を積みたい方はぜひご覧ください。

    松本雄大さんのプロフィール

    松本 雄大
    株式会社Tech CFO office 代表取締役社長

    ・2005年公認会計士2次試験合格
    ・会計監査業務に約7年従事(トーマツ)
    ・コンサル業務に約7年従事(BCG・トーマツベンチャーサポート)
    ・2015年京都大学MBA非常勤講師就任「新規事業創出論」
    ・2019年ベンチャー支援特化のコンサル会社としてTech CFO office創業

    松本雄大さんの略歴

    2005年:公認会計士試験2次試験合格
    2005年:監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)東京事務所入所、グローバルサービスグループ所属
    2008年:ボストンコンサルティンググループ入社
    2009年:有限責任監査法人トーマツ高松事務所入所
    2010年:公認会計士登録
    2014年:トーマツベンチャーサポート株式会社(現デロイトトーマツベンチャーサポート株式会社)出向
    2015年:京都大学経営管理大学院(MBA)にて非常勤講師就任、「新規事業創出論」の講義を土曜に実施(現任)
    2016年:「起業家とつくった起業の教科書」(日経BP)共著
    2019年:株式会社Tech CFO office設立、代表取締役社長就任(現任)
    2022年:京都大学経営管理大学院にて優秀教育賞受賞

    01. 会計士を目指したきっかけ

    ――会計士はどういったきっかけで目指されたのですか?

    ゼミの恩師がこてこての関西弁で面白い授業をする方で、その方が「なんで俺会計士試験受からへんかったんや!」とよくおっしゃっていて、京大の先生がなりたかった憧れの仕事って何だろう?というのが1番最初に興味を持ったきっかけですね。
    私は京大の教育学部の出身ですが、教員免許が取れる学部ではないので、皆さん思い思いのところに就職していきます。同級生の中には教えるという軸の中でビジネスの世界で教える仕事に魅力を感じる方もいて、当時60人のクラスメイトの中で5人位が会計士になりました。

    ――当初は学校の先生になりたくて京大の教育学部に行ったけど、子どもに教える方から企業の先生のような会計士に魅力を感じ始めたということですね。

    そうですね。初めて会計士予備校に行って試験問題やテキストを見たときに、とても衝撃だったのを今でも覚えています。
    会計士は会計だけでなく監査や経済学、経営学(戦略・組織・ファイナンス)、法律も勉強している資格であることが分かり、企業に対してあらゆることを教えられる先生のような仕事なんだなという点がすごく印象的でした。それらを勉強することで手に職がついて、組織や土地に縛られず自分の実力で仕事をしていけるというのも魅力的でした。

    02. 監査法人での経験

    ――会計士試験に合格された後は、トーマツで7年ぐらい監査業務をされていたそうですが、どのような経験をされたのでしょうか?

    私は社会人になって初めて上京したのですが、当時のトーマツのオフィスは東京駅の真横という一等地のロケーションにあり、ビジネスの中心地ですごい仕事についているんだなと刺激的だったのを覚えています。
    20代は東京でしか経験できない仕事がしたいと思い、最初に希望した配属先はグローバルサービスグループという部門で、総合商社や外資系のクライアントを対象にUSGAAPで決算を行っている会社の監査をする部署に所属していました。日本の会計基準はUSGAAPをベンチマークにしてそこから大きく進化していったので、ファーストキャリアで当時最先端の米国の会計基準に触れていた経験がその後の仕事に大変役に立ちました。

    ――監査法人時代の経験が現在のスタートアップ支援をする際に役立っていることはありますか?

    たくさんあります。監査を約7年経験できたので、スポットでアサインされるジョブも含めると約50社の会社に携わり、あらゆる業種のお話を聞くことができました。
    地元のトーマツ高松事務所に所属していた頃は、製造業や金融機関から大学の監査まで本当に街中を監査するような経験を積ませて頂きました。クライアントの経理の方以外にも営業の方や購買担当の方など様々な立場の方に内部統制のヒアリングをしたり、経営者や研究開発の責任者の方に会社でどういう風に投資の戦略を練っているのかというお話を聞いたりできました。
    あらゆる業種や職種の方からお話を聞くことによって、そういった方たちがどういった事を考えて仕事をしているのか理解できたことがとても大きいなと思っています。

    ――それぞれの担当の人がどういうこと考えているのかを理解できたことが大きかったということですね。

    はい。それがその後の仕事にも役に立っていると感じています。コンサルティング業務は目の前のクライアントの状況と何かを比較してインサイトを出すのがポイントになります。監査業務を経験すると、例えば200人、2,000人、20,000人の会社の業務に同時に触れることができるため、組織の規模に応じた事例に沢山触れる事でそれぞれのベストプラクティスをイメージしやくなります。監査とコンサルティングは実は重なる部分も多いので、ただ監査手続きのチェックリストをこなす様に監査を行うのではなく、目の前のお客さんに付加価値のあるアドバイスを何か提案できないかなという広い視野で監査を行うと、いろんなことが面白くなってくると思うんですよね。

    監査で様々な業種、様々な部門の方の業務に触れて、そういった方が普段どんなことを考えながら仕事をしているかを理解できたことが、その後コンサルタントとして成長していく時のベースになったと思います。

    03. コンサルで学んだこと

    ――BCGやトーマツのベンチャーサポートなどコンサルに興味を持ち始めたきっかけはありますか?

    地元の高松事務所にいる時にリーマンショックの余波で地元の経済に大きな影響が出ました。トーマツのクライアントではないのですが、いくつもの地元の有名企業の経営が傾いてM&Aで東京の会社の子会社になる事例が立て続けに起きました。その中で、次の若い起業家を育てて、産業を作り雇用を作ろうという人が少ない様に感じていました。少し暗い雰囲気になっていた地元にビジネスを起こし、雇用を作って、もう1回元気になってもらうために、自分が何かできないかなと思ったことがコンサルティングをライフワークにしようと決めたきっかけになります。

    ――コンサル業界ではどのような経験を積まれたのでしょうか?

    2つあるのですが、1つ目はコンサルタントの足腰になるような具体的なスキル。2つ目は仕事をしていく上で必要なネットワーク等、スキル以外の部分を身につけられたと思います。
    BCG時代は、会計士だから会計のプロジェクトにアサインするという訳では全くなく、若いうちは何でもやらせてくれる方針の会社でした。ですので、誰もが知っているような大企業の事業計画の作成や、マーケティングで市場リサーチの仕事、M&A後の赤字の会社を黒字にするためのターンアラウンドなどのプロジェクトに従事することができました。
    BCGのパートナーからスタッフまで、とても賢い方達がどのようにバリューを出しているのかを横で見ながらたくさんの経験を積ませてもらいました。

    例えば、マーケティングではプロジェクトの進め方1つ1つがとても新鮮だったのを覚えています。特に、コールドコールというアプローチは、見ず知らずの潜在顧客からアポイントを取り、冷たい目線を浴びながらもお土産情報を提供しつつ新しい情報やインサイトを引き出して議論を広げていかなければいけませんでした。
    また、会計士試験の勉強をしている時に経営学でPPM(通称BCGマトリックス)というフレームワークを学んだため、BCGに入るとBCGマトリックスの作り方を学ぶ研修や使うプロジェクトが沢山あるのかなと考えていたのですが、そういった研修やプロジェクトは全くなかったのが入社時の驚きでした。
    過去の時代に作ったフレームワークを焼き直すことに価値は無く、常に新しいコンセプトやインサイトを企画し続けられる能力自体がコンサルティングの付加価値であることを学びました。ビジネスの教科書を学ぶ側になるのではなく、幅広い事例を分析して教科書を作る側のマインドになる事を叩き込まれました。

    当時のBCGは、マネージャー層が契約案件でフル稼働しているため、パートナーが営業資料を作成する際にスタッフも資料作成の補助業務を行っていました。トップファームであっても待っていたらお客様が来て頂ける訳ではなく、営業にどれだけ沢山の努力や工夫をしているかというのを間近にみれたこともその後のコンサルティングのキャリアにおける貴重な経験になりました。

    ――BCGで戦略コンサルの経験を積まれたのですね。BCGの次に所属されたトーマツベンチャーサポートについてもどういう会社か教えてください。

    トーマツベンチャーサポートはトーマツの社内ベンチャーとして位置づけられていた組織で、私が在籍した約5年間で所属人数が10名から90名に急拡大しました。トーマツベンチャーサポートはたくさんのベンチャー企業を支援していて、おそらく世界で一番多くベンチャーのピッチ会を行っている会社だと思います。
    そこでは、毎週木曜日の朝7時に5社のベンチャー企業に登壇頂き約100~200名の大企業の方達にプレゼンを行う「Morning Pitch」という会を開催しています(現在は毎回の観覧者数もさらに増加していると聞いています)。年間200社以上のベンチャー企業を開拓し、ビジネスやピッチをブラッシュアップして大企業との事業提携や資金調達を支援するために、さまざまなバックグラウンドを持ったメンバーが集まってベンチャー企業を支援する取り組みを行っています。
    会計士だけでなく、ベンチャー社長経験者であったり、CTOであったり、美大出身のデザイナーであったり、金融機関にいて投資家側だった方であったり、ユニークなメンバーが集まっていて大変刺激のある環境でした。

    また、社内ベンチャーとしての立ち上げ時期であり、メンバーに大きく権限移譲もされていたため、好きなだけコンサルティングの企画・提案・プロジェクトの実行をさせてもらう事ができました。
    特に印象的だったのは、個別企業へのコンサルティングだけでなく、面でベンチャー支援する場づくりをさせてもらえた経験でした。例えば、「Morning Pitch」という会を運営しながら、自分が支援を担当した約110社の登壇企業のうち約20社強がその後にIPOやM&Aを達成したのですが、そういったベンチャーを支援する仕組みづくりのノウハウに沢山の大企業や官公庁自治体の方が関心を寄せてくださいました。

    その中で、特許庁で初めて立ち上がったスタートアップ支援班の方からご相談を頂き、スタートアップに特化した支援プログラム「IPAS」の企画・運営のコンサルティングを行いました。ディープテックのベンチャーはITベンチャーと比べて資金も時間もかかるため、既存のベンチャーエコシステムでは支援リソースが行きづらいのが問題でした。
    しかし、「IPAS」プログラムを通じて弁理士・弁護士・投資家・コンサルタントの方がメンターとして登録くださり、様々なバックグラウンドのメンターがサポートしていくことによって問題を解決することができました。
    さまざまな方の協力を頂きながら支援プログラムを立ち上げた結果、ベンチャー社長や関係者の皆さまからたくさんの感謝の声を頂くことができました。

    ――松本さんは人的ネットワークがかなり広く、トーマツベンチャーサポート時代には5年で5,000人ぐらいの方と名刺交換されたと聞いたのですが、どのような活動だったのですか?

    人と接するのが好きというのもありますが、トーマツベンチャーサポートの中の特攻隊長として、ネットワークを広げる役割を担って頑張っていました。トーマツベンチャーサポートで運営していた「Morning Pitch」という出会いの場を活用して、さまざまな業種・職種の人と新しいビジネスを広げていくための話をすることで、ベンチャー企業を大企業や投資家に売り込んでプロデュースをすることが得意になっていったと思います。
    ベンチャー企業の場合は、ビジョンを高く掲げる社長に対して、当然全ての人がそのビジョンに対してイエスと言ってくれる訳ではないのですが、会計士の社会的信頼性がある立場を生かしてベンチャーと大企業・投資家の間の交渉のブリッジになる役割を担っていました。

    会計士は監査報告書も作成することはできますが、そうした目に見えるアウトプットに頼らなくても、「さまざまな業種・職種の人の立場を理解した上でお互いにとって利益になる提案を提示してくれるだろう」という目に見えない期待感・信頼感を与える事ができる立場なんだという事を実感する事ができました。

    04. コンサル会社の立上げ

    ――そうした様々な経験のもと2019年にご自身の会社を起業されたと思うのですが、どのような思いで起業されたのでしょうか。

    トーマツベンチャーサポートが大学病院みたいなもので、さまざまな分野の専門医が集まって難しい案件や金額の大きな案件を扱う組織だとしたら、自分はベンチャー企業にとって「町のお医者さん」の様な立場になりたいと感じたことがきっかけです。ベンチャー企業の限られた予算の中で、少し調子の悪い時からよろず相談までを気軽に受けてハンズオン支援できる存在ですね。
    私はベンチャー企業のバックオフィスの支え方として、CFO、経理部長、経理担当者で構成されるチームを作って、そのチームの時間を複数のベンチャー企業がシェアできる様な仕組みが必要ではないかと以前から感じていました。ベンチャー企業の社長が営業出身やエンジニア出身でお金の専門家でない場合などは特に、会社の資金繰りを上手く回して事業が成長していけるのかどうか、常に投資家から批判の目に晒されています。その中で、お金の専門家がいるかいないかは、ベンチャー企業にとって生命線になってくるものだと思います。
    そして私は、上記の様な形で多くのベンチャー企業をハンズオンで支援するインフラとなる組織が必要だと感じて、Tech CFO officeを立ち上げました。

    ――日本もスタートアップ業界が盛り上がってきているなかで、なかなか管理部門を回せる人材が足りておらず奪い合いのような状況になっているので、そこに対して近い距離感で支援をやっていきたいというのは素敵ですね。

    ありがとうございます。スタートアップに特化した支援というのがポイントで、この業界には構造的な課題があると思っています。優秀なCFO候補人材は大企業向けの仕事をしているファームに多数所属しています。大企業向けの仕事では、戦略・ファイナンス・会計のサービスを提供するファームや部門が縦割りに分かれています。
    一方で大企業と違ってベンチャー企業の場合は複数のコンサルティング会社に発注する予算に乏しく、CFOやコンサルタントがあらゆる分野に浅く広く対応しないといけません。それに対応できる横の経験を積んだ人材が業界になかなかいないという課題があります。

    もう1つの課題としては、CFO候補人材やバックオフィス人材が伝統的に歩むキャリアにおいてIT業務の経験が積みにくいという課題があります。今は会社のあらゆるデータがクラウド上に乗っかっているので、ITに強ければものすごい生産性や効率の良さで仕事ができます。しかし、ITスキルのベースがないことから、大企業で行われている経理の仕組みをそのまま引き継いでスタートアップ企業の経理の仕組を構築してしまうという場合があります。

    そういった構造的な課題を踏まえて、戦略・ファイナンス・会計・ITなど色々な知識を持ったメンバーがたくさんのスタートアップを支援するインフラを作るというのが、私がチャレンジしていることになります。

    ――コンサルとして活躍したいという方は結構いらっしゃると思うんですけど、会計士がコンサルタントとして活躍するために、こういったことをするべきというのはありますか?

    会計士試験はビジネスの優れた素質を身につけるためにとても役立つ資格だとは思うのですが、そこで勉強したことは、音大を出たとか、美大を出たみたいな、そういった位置付けでいるといいのかなと思っています。
    音大を出たから一流のミュージシャンになれるかというと必ずしもなれないし、美大を出たからといって一流の美術家や売れっ子漫画家になれるかといわれるとそうとは限らないとは思うんですね。どうしても会計士試験で学ぶことはパーツになるのですが、「僕は簿記が得意です」、「経営学でファイナンス理論を学びました」みたいにそのパーツで売ろうとしてしまうのは良くないと思います。必要なのはお客さんの目線に立ってお客さんが欲しいと思うものをパーツを組み合わせてサービスとして提供してあげるというのが必要なことだと思います。
    通常、監査法人ではパートナーにならないと営業をしないことが多いと思いますので、そこが唯一学びにくいところだと思います。早いうちからやろうと思うと、自分で意識してお客さんのニーズに対して提案をする経験を別に積まないといけないので、そういった経験を積めるかどうかというところは、会計士によって差が出てしまうところかなという気はします。

    ――私もよく使う例だと、会計士ってスポーツ選手で例えると「身体能力をめちゃくちゃ高めました!」みたいなイメージを持っているんですよ。身体能力が高ければ、どのスポーツをやっても活躍できる素用はあるけれど、身体能力が高いだけで活躍できるわけではなくて、ちゃんとそれを活かしながらクライアントが本当に求めている課題に対して価値を出していけるかが大切ですよね。

    そうですね。私自身、机に座って黙々と勉強していた会計士試験の受験生時代には、将来クライアントに対してお金をもらえるようなトークやコンサルティングができるようになれるとはなかなか具体的にイメージができませんでした。ただ、会計士試験や監査法人での経験を通じて、色々な業種や職種について深く理解する事ができましたし、周りの人からも社会的信頼を感じて頂きやすい立場になる事ができたと感じています。
    その結果クライアントが求めているものも分かる様になりますし、企画提案する場数を踏むことができれば、価値があるサービスを提供するスキルをいくらでも身につけていくことができる資格だなと思いました。

    05. 松本雄大さんが若手会計士に伝えたいこと

    ――これまでの経験を踏まえて、受験生や若手会計士に対して何か伝えたいことはありますか?

    皆さんマッキンゼーという会社をご存知だと思うんですけど、マッキンゼーさんって元々は会計士だったんです。アクセンチュアも元々は監査法人の中のコンサル部門でした。会計士試験を勉強している方の中で、綺麗なスライドを作ってプレゼンをして、というのに自信があるよという方はもしかすると多くないかもしれませんが、ポテンシャルとしてはコンサルタントとして色々なお客さんの役に立てる力を持っていると私は思っています。会計士は周りの人からの信頼が得やすいのと、受験勉強のときからあらゆる科目を勉強しないといけないと思うので好奇心がすごく強いと思っています。そういった強みを生かしつつ、プラスアルファで弱点を補うことで、コンサルタントとして活躍できる可能性が高い資格だと思っています。

    ――いろんな経営者に会いに行ったり本を読んだりして動きまくることによって、プラスアルファのことがどんどんできるようになると活躍の幅もさらに広がっていくと思います。そうして、専門家としての核は持ちながら、ガンガンやれることは広げていくみたいな方が出てくるといいですね。

    そうですね。誰が何をしたとしても、自分の専門分野において価値だと思っているものとお客さんにとってそれぞれニーズや価値があることにズレはでてきてしまいます。そこに敏感になって自分の枠を広げていく事を意識しさえすればすごく活躍できるのではないかと思います。

    ――会計士は今でもかなりのバリューを出しているとは思いますが、もっともっと内に秘めるポテンシャルがあると思うので、どんどんチャレンジしていく若い世代が増えていくといいですね。

    ベンチャーの世界でたまにこういう話を聞いて悔しいなと思っているのが、CFOにはファイナンスが得意な外資系投資銀行出身の方、経理部長にはIPO準備が得意な会計士の方になって頂くのがいいと言われることがあるんです。どちらかというと会計士はゼネラリスト志向であらゆる分野を学んでいるので、目標設定を高く持って自分の殻を破っていけさえすれば、本当にもっとポテンシャルがあるんじゃないかと思います。
    以前、国見さんとお話をしている時に、会計士出身のCFOだけでなくて社長に挑戦する方が増えても良いんじゃないかというご意見をお聞きして、確かに正論だなと思いました。会計士はビジネスを作る経営側の経験がどうしても欠けることがあるのですが、経営の経験を積みさえすえれば社長でもCFOでも事業会社ですごく力が発揮できると思います。「私社長やります」といえる位の元気がある若手会計士の方がでてくると、すごく業界が盛り上がっていくんだなと気づかされました。

    ――松本さんにはCPAラーニングも手伝って頂いていまして、CPASS交流会にも定期的に参加頂いていますので、ぜひ交流会で見つけて若手会計士の皆さんからも声をかけてもらえるといいなと思います。

    はい、ぜひお気軽にお声掛け下さい。これからCPAラーニングでも会計士や管理部の方向けにベンチャーファイナンスや事業計画のコンテンツを出していく予定になります。皆さんとお話したりオンライン動画を見て頂いたりする中で、CFO・社長として、またはコンサルタントとして経営に携わる仕事が面白いなと思って頂ける方が増えると嬉しいです。


    こちらの記事はインタビュー動画の一部を抜粋して作成しております。ぜひインタビュー動画もご覧ください!

    この記事を書いた人

    「人と繋がり、可能性を広げる場」CPASSを運営するスタッフ達です。CPASSメンバーは、20~40代まで幅広い年齢層の公認会計士達を中心に、キャリア支援のプロフェッショナルなど様々なバックグランドを持つメンバー達で構成されています。「絶対に会計人達の役に立つ情報発信する」、「CPASSにしか出せない価値を提供する」をミッションとして集まった熱いメンバー達です。CPASS独自の視点からの見解を是非、楽しんでください。

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