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公開日:2022/09/12

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PwCあらた有限責任監査法人でパートナーとして活躍する八木正憲(PwCあらた有限責任監査法人パートナー)のキャリア!

今回のロールモデルは、PwCあらた有限責任監査法人パートナー、八木正憲さんです。八木さんはCPA日吉校の初代合格者兼2代目チューターであり、監査法人では海外駐在もご経験されています。CPA時代のエピソードから海外駐在の魅力、監査法人で働く魅力など、様々なことをお話しいただきましたので、ぜひご覧ください!

    八木正憲さんのプロフィール

    八木 正憲

    PwCあらた有限責任監査法人
    パートナー
    公認会計士

    慶應義塾大学在学中の2001年、公認会計士2次試験に合格。CPA日吉校初代合格者であり、合格後はチューターも務める。大学卒業後、旧中央青山監査法人に入所し、主にメーカーの監査に従事。2006年のあらた監査法人(現 PwCあらた有限責任監査法人、以下PwCあらた)設立後は、IPO企業の支援や、金融機関に対する会計アドバイザリー業務等を担当。2009年から4年間、PwCオランダ アムステルダム事務所に駐在。帰任後は、IPOアドバイザリーやメーカー監査を行う傍ら、東北復興支援なども行う。2021年にはパートナーに昇進し、現在に至る。

    八木正憲さんの略歴

    2001年:旧公認会計士2次試験合格。
    2002年:旧中央青山監査法人入所。
    2006年:PwCあらた有限責任監査法人入所。
    2009年〜2013年:PwCオランダ アムステルダム事務所駐在。
    2014年:東北復興支援業務への関与開始(現在も継続)
    2021年:PwCあらた有限責任監査法人パートナーに就任。

    01. CPA日吉校時代

    ――CPAに入学した経緯や国見さんとの出会いを教えてください。

    私は日吉校1期生としてCPAに入学し、2001年に日吉校初代合格者となりました。当初は大手の予備校に通うつもりでしたが、国見さんと出会ったことに影響を受けてCPA日吉校に入ることにしました。

    国見さんと初めて出会ったのは日吉校です。私は当時予備校選びで迷っており、中学・高校の同級生がCPAに入ったと聞いて日吉校を見に行きました。その際に「あの人が大学3年生合格の人だよ」と紹介を受けました。当時会計士試験に大学3年生で合格する人は本当に珍しかったのです。国見さんはすでにチューターとして働いていたため出会ってすぐ受講相談に乗っていただいたのですが、そこで国見さんの魅力に惹かれてCPA入学を決意しました。ちなみに受講相談中に国見さんがファストフード店のハンバーガーを食べていたことは忘れられません(笑)。

    日吉校では講師・チューターと受講生との距離感が非常に近く、みんなで麻雀したり焼肉をごちそうになったりとサークルのような雰囲気でした。しかし一方で勉強するときはするという風土もあり、国見さんとは会計論点の議論を何度も交わしました。あのアットホームな雰囲気があったからこそ私は合格できたのだと思います。

    ――試験合格後はどのように過ごされていましたか?

    合格後は日吉校で、2代目チューターとして働きました。肩書はチューターでしたが本当に人手が足りていなかったので、本職のチューター業のみならずビラ配りや営業、掃除に至るまで、非常にたくさんの仕事を国見さんと一緒にこなしました。朝から晩まで働き続ける日々でしたが、非常にいい経験だったなと思います。

    02. 監査法人入所後のキャリアと今後の展望

    ――大学卒業後は監査法人に入所されたとのことですが、なぜCPAに残り続けるという選択肢を採らなかったのですか?

    監査法人に入って監査業務を経験してみたところ、それが非常に面白かったからです。当初、監査法人はすぐ辞めてCPAに戻るつもりで、少しだけ監査の実務を経験しておくか、くらいの温度感で入所しました。しかし仕事を進めていくうちに、国内外を問わず大企業から中小企業まで幅広い会社の内情を知ることができる点や、経営者の方々と若いうちからお話しする機会がある点など様々な監査業務の魅力に気づきました。監査法人ではCPAとはまた違った側面から幅広い経験を積むことができると考え、監査法人で働き続けることにしました。

    ――監査法人ではどんなことをされていましたか?

    入所当初はメーカーの監査を担当しました。日本の製造業を内部から見ることができて非常に興味深かったです。また出張が多かったため、全国を巡って地元の方々とお話ししたり、おいしい特産品を食べたりするのも楽しかったです。

    2006年にPwCあらたにジョインしてからは、IPO企業の監査業務に従事しました。IPO監査業務は比較的クライアントに近い立場で行うため、クライアントから頼りにされることが多くやりがいを感じました。2007年にはIPOアドバイザリー部に異動し、IPO業務により力を入れるようになりました。当時はIPO会社への転職も考えていたくらい、IPO業務に深くかかわっていましたね。

    ――その後は海外駐在をご経験されたと伺いました。海外駐在のきっかけを教えてください。

    IPO業務の過程でスイスに出張したことがきっかけです。元々私は海外志向が全くなく、海外旅行にもほとんど行ったことがなかったのですが、スイス出張を通じてスイスの人々や景色の素晴らしさに感銘を受けました。またスイスへはパートナーと2人で行ったのですが、会計論点の議論、監査報酬の交渉、ランチタイムの雑談と、全てを英語でこなすパートナーの姿は非常にかっこいいなと思いました。この出張を契機に海外駐在したいという気持ちが急に高まり、法人内で英語を使う業務を希望しました。PwCの海外事務所からの出向者が多く関与していた金融機関に対する会計アドバイザリー業務に従事して、一定の英語力を身に付けることができ、2009年からPwCオランダのアムステルダム事務所へ駐在することになりました。

    ――オランダ駐在中に印象に残ったエピソードを教えてください。

    無数にありますが(笑)、2つお話しします。

    1つ目は異動してすぐ行われた監査部門の泊まり込み研修です。その研修では、数百人ほどがいる会場内を監査部門のトップがマイクを持って練り歩き、年次や役職に関係なくランダムに質問するということが行われました。質問内容も「今後PwCはどのような方向に向かっていけばいいと思うか?」など抽象的なものばかりでしたが、参加者は入所したばかりの新人職員も含めて、それぞれ自分の意見をはっきり述べていました。また司会者側もどのような意見に対してもポジティブに捉え、受け入れていたことが印象的でした。オランダ社会全体に、声を上げる・発言することが尊重される文化が根付いていると感じた体験でした。また、PwCにもSpeak Upという文化があり、気付いたことを発言することが評価されるため、PwCオランダはその1つの理想のようにも思いました。

    2つ目は退勤時間です。勤務時間は8:30〜17:00だったのですが、17:05に上司に質問をしにいったところ勤務時間を過ぎていると怒られました。オランダでは仕事の時間とプライベートの時間がはっきり分かれており、勤務時間内に課されたタスクを終わらせることができるよう効率的に働くことが求められました。近年は日本でも働き方改革が進んでいますが、オランダは世界的にもワークライフバランスの最先進国で、身をもって経験できたことで帰任後の意識や働き方も大きく変わりました。

    ――海外経験に関して、これを読んでいる会計士の皆さんに伝えたいことはありますか?

    海外に興味がない人であっても、長い人生、一度は海外経験をしてみることをお勧めしたいです。私自身、元々全く海外に興味はありませんでしたが、いざ海外に行ってみると非常に素晴らしい経験でした。特に、自分がそれまで常識だと思っていたことが必ずしも世界の常識ではないと気づけたことが貴重でした。海外に行くことは自分の考え・先入観を変えるきっかけになると思うので、ぜひ一度は行ってみてほしいです。

    ――帰国後はどのような業務に従事されていたのですか?

    帰国後はIPOアドバイザリー部に戻って、海外企業の日本誘致を主に担当しました。具体的には、海外各地でセミナーを開催し海外企業に日本での上場に関する情報を提供する業務を行っていました。また、2014年からはPwCのプロボノプロジェクトとして東北復興支援にも従事しています。年1~2回岩手県などを訪問し、現地の個人事業主に対して会計や予算作成、事業計画作成等のアドバイスを行っています。復興支援を経験し、復興支援には様々な形があることを知ると同時に、会計士として活躍できる領域の広さを再認識することができました。2016年からは再度部署を異動してメーカーの監査を中心に従事しています。2018年以降は不正調査業務も担当するなど、自身が興味のある分野に取り組み、業務の幅をさらに広げています。

    ――今後20年の展望を教えてください。

    常に新しいことにチャレンジし続けるパートナーでいたいと思います。私が監査法人に入所してから20年が経ちますが、20年前と比較すると現在の世の中は驚くほど変化しました。インターネットやパソコンがここまで普及しているとは思いませんでしたし、監査業務がこんなにリモート化しているとは想像すらできませんでした。このような想像し得ない変化が、これからの20年においてもたくさん出てくるだろうと思います。そしてそのような劇的な変化を前にしたとき、過去に固執するのではなく、楽しみながら変化を受け入れつつ今まで培ったノウハウと組み合わせて価値を生み出せる人物になりたいと考えています。

    03. 大手監査法人で働く魅力

    ――大手監査法人で働く魅力を教えてください。

    私は大手監査法人で働く魅力は3つあると思っています。

    1つ目は多様な人と仕事ができることです。大手監査法人では、法人内や海外と連携することはもちろん、アドバイザリー、コンサルティングや税理士法人とも協力して業務を行うことが多々あります。各分野のスペシャリストと一緒に仕事をすることで、働きながら新しいことが学べるという魅力があると考えます。

    2つ目は複数の専門性を持てることです。監査法人にずっと在籍しているからといってずっと監査だけをやっているわけではなく、だいたい3年に1度は新しい業務を担当することができています。新しいことに挑戦する姿勢を評価してもらえるのも、大手監査法人(特にPwC)の魅力だと思います。

    3つ目はワークライフバランスが確保しやすいことです。例えばPwCでは女性だけでなく男性も育児休暇を取得することが推奨されており、実際に男性社員の8割程度が育休を取得しているなど、育児や家族に対して非常に理解のある環境が整っていると思います。大手監査法人は仕事とプライベートを両立する環境が整っており、ご家庭をお持ちの方でも非常に働きやすい場所となっています。

    この記事を書いた人

    「人と繋がり、可能性を広げる場」CPASSを運営するスタッフ達です。CPASSメンバーは、20~40代まで幅広い年齢層の公認会計士達を中心に、キャリア支援のプロフェッショナルなど様々なバックグランドを持つメンバー達で構成されています。「絶対に会計人達の役に立つ情報発信する」、「CPASSにしか出せない価値を提供する」をミッションとして集まった熱いメンバー達です。CPASS独自の視点からの見解を是非、楽しんでください。

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