
公開日:2021/06/14
M&A・投資ファンドのスペシャリスト、大久保隆史(アトム・アドバイザリー株式会社代表取締役)のキャリア!
M&Aや投資ファンドのキャリアを歩み、現在は独立して活躍している大久保隆史さん。大久保さんのこれまでのキャリアの軌跡と今後の展望、会計士という資格を取って良かったことについてお話しいただきました!
大久保隆史さんのプロフィール
大久保 隆史
アトム・アドバイザリー株式会社 代表取締役
公認会計士
投資ファンド2社、投資銀行、監査法人での約20年の経験を基に、2020年10月独立。
投資ファンド2社での11年の経験は、ソーシングから投資実行、投資後の成長支援、新たな資本政策実行まで一連の投資プロセスに至る。また、複数の投資先で取締役としての経営参画実績・常駐経験を有する。
現在は投資ファンド、コンサルティング会社、事業会社を顧客として投資及びM&Aに関するアドバイザリー(デュー・ディリジェンス含む)と、企業価値向上支援を提供。複数の企業で顧問・アドバイザー・社外取締役に就任。愛知県名古屋市出身、東京大学経済学部卒業。
大久保隆史さんの略歴
2001年: 公認会計士試験に合格。監査法人トーマツに入所。
2007年: 野村証券株式会社(企業情報部)に入社。
2010年: 独立系投資ファンド フェニックス・キャピタル株式会社に参画(主に事業再生投資)。
2015年: 独立系投資ファンド 雄渾キャピタル・パートナーズ株式会社に参画(主に事業承継投資)。
2020年: アトム・アドバイザリー株式会社を設立し、代表取締役に就任。
01. キャリアの変遷、展望
――大久保さんが会計士を目指したきっかけを教えてください。
アメリカでは転職が当たり前との雑誌記事を高校時代に読み、日本も終身雇用が崩壊し、アメリカのような経済社会になると予想しました。終身雇用で1つの会社に勤め続けるのはリスクがあると考え、公認会計士という資格と専門性があればなんとか生き残っていけると思い、目指すことにしました。
大学1年生の2月から勉強を開始しましたが、サークルなどもあり、なかなか勉強に集中できず合格が遅くなってしまいました。勉強以外のことはやらず、集中して勉強し短期で合格すればよかったと思っています。(笑)
――監査法人時代の業務はどのようなものでしたか?
トーマツでは国際部に所属し、5年半ほど勤め、英文財務諸表監査、法定監査、リファーラルワークなどに従事していました。
四半期レビューや、J-SOXが導入され、地方への長期出張もあり年中忙しかったですね。
――野村証券への転職を決断した経緯を教えてください。
国際部に所属していたこともあり、TOEFL、GMATの勉強や予備校に通ってMBA受験の勉強もしていましたが、結局自分はMBAを取って何をしたいのか、そのキャリアが自分にとって本当に幸せなのかについてずっと考えていました。
そのようなときにM&Aというものが徐々に日本の企業社会においても日常的なものになっていき、M&Aアドバイザリー業務は会計監査と並び社会にとって有益なサービスになると考えました。また、会計監査で身に着けた知識が活かせると思い、最大手の野村証券への転職を決意いたしました。
――野村証券ではどのような業務をしていたのですか?
監査法人時代にTMT(テレコム・メディア・テクノロジー)セクターのクライアントを多く担当していたので、野村証券でもTMTセクターの部署に配属されました。
監査とM&Aはビジネスが異なる中で、M&Aはお客様がビジネス上の目的を持って監査よりも高い報酬を払って依頼するため、当然ながら証券会社への期待も大きく、要求水準も高く、またスケジュールや成果物のクオリティなどもシビアであり、ディールオリエンテッドなワークスタイルを経験することができました。
自分たちの仕事が成功したら、お客様から感謝される上に、高い報酬ももらえ、社内でも称賛されるため、とてもやりがいがある仕事だと感じていました。
――その後、フェニックス・キャピタルへ転職した経緯を教えてください。
投資ファンドの方と一緒に仕事をする機会があり、投資ファンドの仕事を近くで見ていく中で、顧客のM&Aに対するアドバイスではなく、自らも投資の主体として意思決定をしたいと思うようになったことがきっかけです。
約3年間勤めていた野村証券を離れ、フェニックス・キャピタルへ転職しました。
――フェニックス・キャピタルではどのような業務に携わっていたのですか?
フェニックス・キャピタルには5年半ほど勤めましたが、入社直後から投資実行済みの案件にアサインされ、投資後の経営支援業務に携わりました。その後、常時、複数の案件を担当するとともに、新規投資の提案活動とエグゼキューションも行っていました。
エグゼキューションのフェーズでは野村証券での経験を活用できましたが、投資後のフェーズではどのように投資先の人に接するか、どこまで自分で責任を持ってやるのか、必要な時には投資先の方にも厳しく接する必要があるなど「何をどこまでやれば、仕事をしたと言えるのか」というところでギャップがあり、当初は苦労しました。
――事業再生ファンドでの業務ではどのようなやりがいがあったのですか?
ファンドは投資を成功させ投資利益を得ることが目的ですが、投資先の役職員の方々と協力しながら、会社の将来のために同じ目標に向けて努力できることにやりがいを感じていました。利害が衝突するときもありましたが、困難を乗り越えて、投資が終了した後にはお互いに感謝し合うことができると、喜びを感じることができましたね。
――その後、雄渾キャピタルへ転職した経緯を教えてください。
同じPEファンドではありますが、ファンド創業メンバーとしてファンド創立時から一緒に働いてみたいと思い、より小規模な独立系ファンドに参画しました。
――雄渾キャピタルでの業務について教えてください。
投資提案から投資後支援、Exitに至るまでの一連の業務を担当していました。入社直後から、大阪府にある企業への事業承継投資を担当しました。投資先の近くにアパートを借りて常駐し、80名近くの社員の皆さんの顔と名前をすべて憶えて、経営をサポートしていきました。4年半の投資期間を経て、Exitした際も大変感謝され、やりがいも大きく感じました。
――独立した経緯にはどのようなものがあったのですか?
独立の1年前時点でも、独立しようとは思っていなかったのですが、投資ファンド業界で11年業務を経験し多くの投資先にも関与したところで、そろそろ自分でやっていけると思ったことや、子供が大きくなった時に、個人プロフェッショナルとして生き生きと働いている姿を見せたいと思ったこともあり、独立を決意しました。
――今後の展開について構想を教えてください。
現在、M&A関連で株価算定、財務DD、M&Aプロジェクト推進サポート、PMI支援などの業務を行っています。また複数の企業様の顧問・アドバイザーや、社外取締役に就任しています。将来的には、それらに加え、自分自身でもマイクロサイズのM&A投資をして、自ら経営サポートをしていきたいと考えています。

02. 仕事する上で大事にしていること(仕事論)
――仕事する上で大事にしていることを教えてください。
このインタビューは特に若手会計士の方がご覧になっているかと思いますので、若手時代に大事にした方が良いと思うことにフォーカスして話していきたいと思います。
まず、1つ目が、「会社、組織、社会のルールを認識した上で業務に取り組む」です。
仕事(会社・組織)の目的は何で、どうやったら評価されるのか、何をどこまでやったら仕事と言えるレベルになるのかは、仕事の内容や組織ごとに異なってきます。自分が携わる仕事・組織のルールを認識した上で、どうすればクライアントに利益を提供できるのかという視点も持ち、受け身の姿勢ではなく積極的・前向きに日々の業務にあたっていくことが大事だと思っています。
次に、2つ目が、「すべての仕事で工夫し始末をつけること」です。
若手の時は、仕事・タスクを割り振られる立場が多くあります。1つ1つのタスクを作業として流すのではなく、どうしたら自分なりの付加価値を出せるかを考えた上で、期限の8割で期待値の120%を目指し、責任感を持って必ず最後までやりきることが大事だと思っています。その上で、1日の自分の行いや周囲の反応を振り返って、反省点・改善点をメモし、改善事項は具体的に考え、行動レベルにまで落とし込むことを地道に続けていくことが必要だと思っています。
次に、3つ目が、「ビジネスマナー、コミュニケーションの徹底」です。
仕事は人と人とのコミュニケーションなので、無表情や不機嫌な感情を表さずに明るく振舞うことや、ハキハキと明快に言い切ること、自分が言ったことは必ず守ること、髪型、ひげ、眉毛など見た目に気を使うことを意識しています。私も監査法人時代は寝ぐせがついていることが多かったので、反省しています。(笑)
また、相手に対し、謙虚に接し、御礼や感謝を明確に伝達し、クイックレスポンスをすることも心がけています。
次に、4つ目が、「プロフェッショナルとして仕事に集中するための準備を徹底すること」です。
多忙な日々の中で、効率的な休養を取って翌日に備えることが重要です。そのために、睡眠であれば寝室の空調・加湿を管理し、枕、寝具、パジャマを自分に合ったものにすることが大事かと思います。また、食事面では、野菜や発酵食品を多めにとることや、自分に適切な量のカフェイン、アルコール量の目安を持つことも大事です。その他、定期的に運動や筋トレをすることに時間とお金を割くことも有意義な投資です。
最後に、5つ目が、「日々新しい知識を吸収し、発信していく」です。
変化が激しい時代なので、自分の専門分野以外でも今後重要になりそうな分野については日々新しい知識を得ていく必要があると感じています。また、そのようにして得た知識に自分の付加価値を足して、周りに発信していくことも重要かと思います。
03. 会計士という資格を取って良かったこと
――会計士という資格を取って良かったことを教えてください。
まず、1つ目が、「キャリアの幅が広がる」です。
職業的専門家としての知見・地位を得られ、監査以外にも多様なキャリアの選択肢があり、また、ライフステージに合わせて、働き方を変えることも可能で、自分に合ったキャリアの進め方を選んで活躍することができる資格だと感じています。
次に、2つ目が、「グローバルに活躍できるチャンスがある」です。
当然英語力は必要になってきますが、会計と監査のルールはグローバルに共通している部分が多いため、世界にも出ていくことができる資格だと思っています。
最後に、3つ目が、「一定の信用、信頼を得ることができる」です。
私自身が行っているM&A支援は公認会計士という資格がなくてもできる仕事なのですが、公認会計士という資格があることによって、初めてお会いする方からも信頼を得ることができ、業務の依頼に繋がることが多いと感じています。

アトム・アドバイザリー(株)のWEBサイトはこちら
https://atomadvisory.jp/
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