
公開日:2022/03/02
暗号資産が広がる世界のインフラを創る、経営者、沼澤健人(株式会社Aerial Partners)のキャリア!
今回のロールモデルは、株式会社Aerial Partnersの沼澤健人さんです。あずさ監査法人に3年間在籍⇒チャット小説アプリで起業⇒暗号資産業界で起業という、キャリアを歩んでいます。沼澤さんのキャリアの変遷や今後の暗号資産の動向など、非常に興味深い内容になっております。ぜひご覧ください。
沼澤健人さんのプロフィール
沼澤 健人
株式会社Aerial Partners
C E O
有限責任 あずさ監査法人退職後、チャット小説アプリ『peep』やwebtoon制作を行うtaskey株式会社を創業(監査役現任)。株式会社Atlas Accounting代表を務め、複数のブロックチェーン企業やインキュベーターのアドバイザーを歴任。2017年に株式会社Aerial Partnersを創業。一般社団法人日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA) 税制検討部会長を歴任。
沼澤健人さんの略歴
2011年 公認会計士試験論文式試験合格
2014年 taskey株式会社を創業(現在は監査役)
2016年 株式会社Atlas Accounting代表取締役就任(現任)
2016年 株式会社Aerial Partnersを創業

01. キャリアの変遷、展望
――あずさ監査法人に入所するタイミングで起業や独立は考えていたのですか?
大学生時代から自分は“何者かになりたい“という思いがあり、漠然と将来は事業を興したいというビジョンを描いていました。
当初からそのような思いがあり、入所時の面接で「3年間限定で働けますか?」という無邪気な質問をしたのですが、それでもいいよと快く受け入れて下さったので、その後3年間あずさ監査法人で修行させていただきました。
――最初の起業に至ったのはどういう流れだったのでしょうか?
監査法人で様々なビジネスモデルを見ていく中で、いろいろな気付きを得て、当時関わることの多かったエンターテイメントの領域で起業することを決めました。
――最初の起業であるtaskey株式会社とはどのような事業を営んでいる会社なのか教えてください。
『peep』というチャット小説アプリがメインの事業です。LINEのようなチャットのインターフェイスで小説を読んでいただくサービスです。
そこで得たデータを基に、AIが分析して作成した脚本をAmazonやNetflixのようなプラットフォーマーに提供する事業も行っています。
――taskey株式会社を設立するにあたり、仲間集めや資金はどのように準備されたのですか?
仲間集めに関しては、監査法人時代から行っていたのですが、当時の自分はなかなか語れるような実績もなく苦戦していました。仲間集めが難しいのならば“自分がエンジニアになればいいのではないか!”と思い、沖縄で開催されていたプログラミングのワークショップに参加しました。そこで幸い仲間に出会うことができました。
資金については、監査法人時代の貯金で6ヶ月分は社員の給料も合わせて支払うことができたので資金調達するまでは貯金を切り崩して開発を行っていました。
――taskey株式会社創業から3年経って、株式会社Aerial Partnersという会社を立ち上げることになった経緯を教えてください。
当時、仮想通貨に興味があったのもあり、渋谷でブロックチェーンの勉強会を行っているコミュニティに所属していました。
お世話になっていたそのコミュニティに何か還元できることはないかと考えて、当時詳細な取り扱いが明記されてなかった「仮想通貨の確定申告についてDMでご相談受け付けます」とTwitterで発信したところ、2ヶ月でやり取りする方が500人になってしまいました(笑)。これは会社組織を立ち上げて対応しようと考えたのがきっかけです。
――具体的に株式会社Aerial Partnersはどのような事業を営んでいる会社なのでしょうか?
個人向けでは、確定申告を全て委託可能なサービスやデジタルアセットの取引を集約して管理できるサービスを提供しています。
法人向けでは、取引所や販売所が裏側でデータを管理するためのシステムをSaaSの形で提供しています。最近は会計や税務で想定されていないような経済取引がどんどん出てきている中で、我々のサービスを利用していただければ既存の企業会計の原則や税法に則った対応ができる、というイメージになっています。
――話を少し戻してしまうのですが、taskey株式会社から株式会社Aerial Partnersへチェンジする時はどのような決意があったのですか?
積極的な理由と消極的な理由がありました。
(1)積極的な理由
ブロックチェーン技術は、我々の生活様式の根底を覆すようなインパクトのある技術革命であると思っています。そこに私の30代の10年間を投資するぞ!というのが積極的な理由です。
(2)消極的な理由
私自身が、ビジネスマンとして1番得意にしていることが「0→1」を生み出すことだと思っています。当時、taskey株式会社のプロダクトも伸び始めてきていて「0→1」というよりは「1→10」にするようなフェーズになっていたため、適任だと思う創業者に代表権をバトンタッチしました。
――すごい実績を残されている沼澤さんですが、どのようにキャリアをデザインされていたのですか?
私はゴールから逆算してキャリアパスをデザインしていくという発想はあまり考えていませんでした。その都度、夢中になれることを見つけてはそこに対して盲信して突き進むということを繰り返して、結果として今のキャリアになっているのかなと思います。
02. 暗号資産は今後どのように社会に影響していくのか
――暗号資産は10年後どのようになっていくと考えられていますか?
暗号資産の未来を予測する上で欠かせないキーワードが「価値革命」という言葉です。
人類史を振り返ると様々な革命がありますが、何を持って革命なのかを考えた時に、何かの流通の方法や量が莫大に増えることを持って革命と呼んでいると考えています。
直近の情報革命だとインターネットがあると思うのですが、これにより流通する情報の絶対量が桁違いに増えました。SNSの普及なども起こり、我々の行動が変容していったと思います。
同じように、ブロックチェーンの業界でも革命によって何が変わるのかを予測すると、価値交換の総量が爆発的に増えることで「価値交換が今よりも滑らかになる」時代が来ると思っています。
――ブロックチェーンによって分散型になれば価値の交換がオープンに、スムーズになるということですよね?
そうですね、今まで価値交換を行おうとすると国や金融機関などのプラットフォームを介してではないと「安心」して価値交換ができなかったわけですよね。
ただ、ブロックチェーンを使うと中央集権化されていなくても正確性を担保できるようになります。つまり、世界中のどこにいても価値交換を「安心」して行うことができるということです。
このブロックチェーン技術が浸透してくると、そもそもモノに紐づかない新しい価値が創出されてくるので価値の絶対量も爆発的に増えてくると思います。
例えば、NFTもその1つです。
会計士がエクセルで打ち込んだ1つの数字はデジタルデータであり、これはコピペでいくらでも複製することが可能であるため現状価値はないですが、そのようなデジタルデータをブロックチェーン上に乗せて希少性を持たせることで価値が創出されます。
これがNFTという技術です。デジタルデータをNFT化することで唯一性を保証できるのでデジタルアートなど今まで複製可能で価値がなかったものに価値を植え付けることができるようになりました。

――メタバースのような仮想現実空間ができ、そこでまた別の経済取引が行われて、暗号資産を使って取引を行っていくというのもあり得るのでしょうか?
そうですね、あり得ることだと思います。最近のコロナ禍の影響で様々な取引がデジタル化していると感じていて、経済活動自体がデジタルになるということは、その経済活動を媒介する価値の交換もデジタルになっていく、ということは不可逆だと思います。
――今の通貨は全て暗号資産に変わっていくと思いますか?
先ほどもお伝えした通り、経済活動と価値の交換媒体はセットで考えていく必要があると思います。今我々がいる世界と、メタバース的なデジタル空間でパラレルな経済取引が行われていくとするのであれば、通貨も今の法定通貨と暗号資産が両方残ると考えるのが妥当だと思っています。
このような世界で、パラレルに存在する二つの通貨を交換する役割を担っているのが交換所や販売所と言われる機能でして、ここはすごく重要なゲートウェイの1つになっているイメージです。
――Aerial Partnersさんは今後、このゲートウェイの部分を支えるインフラとしての役割を担っていこうというのがビジョンなのでしょうか?
はい、我々は「価値革命を支えるインフラを提供しよう」というのがビジョンです。
ここで言うインフラとは、皆さんが手間と感じることを裏側で解消する仕組みのことでして、先ほどお伝えしたようなパラレルな世界線になると資産もそれだけ分散をしてしまうことになります。我々がデータ管理のハブを提供することによって煩わしい管理から人々を解放するということをしていきたいと考えています。
03. 沼澤健人さんから若手会計士に向けたキャリアについての考え方
――今までの話も踏まえて今20代、30代の方がキャリアを考えていく上でどのようなことが重要になってくると思いますか?
難しい話ですね(笑)。分散型のインターネットサービスが普及する前提でお話しすると、中央集権的な管理者がいなくなった世界は皆が平等でユートピア的な語られ方をされることが多いと感じています。一方で、個々人に求められるものが大きくなるとも言えると思います。
「〜株式会社の沼澤健人」という看板よりも「沼澤健人」としての価値が相対的に重要になってくると考えています。
――自由である一方で個々人の格差がより広がっていってしまう可能性がある、というイメージでしょうか?
はい、その可能性はあると考えています。今のWeb3の流れを推し進めている方は能力がある方が多いので、彼らにとってはユートピアであっても、いざそこに我々一般のユーザーが巻き込まれた先に格差の問題が出てくる可能性はあると思っています。
自分が何者であるかを明らかにして自分の刀を研いでいけるビジネスパーソンの相対的な評価は上がってくるのかなと感じています。
――会計士試験に受かった後に、そこにいろんな武器を携えていくことで会計士の可能性って広がりますよね。
そうだと思いますね。結果を出している優秀なプロフェッショナルは総じて会計士であること以外に、別の刀を何かしら携えていてその掛け算で希少性が高まっているイメージがあります。何か自分の武器を身につけることが重要となる未来が来ると思っています。
株式会社Aerial Partners(エアリアル・パートナーズ)のサイトはこちら
taskey株式会社のサイトはこちら
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