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【イベントレポート】第2期 公認会計士2.0 ― 第5回講義の内容を大公開!

弊社代表の「国見健介」が24年の会社経営で得た「経験」と「ノウハウ」を伝授する「公認会計士2.0」講座。今期で第2期となる講座イベント(全10回)をレポートとして公開します。

監査、税務、コンサルティング……。会計士として専門性を磨くほど、「個の力」を追求しがちです。しかし、その先に待つのは、より大きな成長でしょうか、それとも見えない天井でしょうか。もしあなたが、ご自身の成長と組織の成長との間にギャップを感じているなら、当イベントレポートは思考のブレイクスルーになるかもしれません。

    <関連ページリンク>
    第2期 公認会計士2.0 イベント募集特設ページ
    第2期 公認会計士2.0 イベント概要
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第1回(2025年7月13日)
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第2回(2025年8月3日)
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第3回(2025年8月24日)
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第4回(2025年9月14日)
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第5回(2025年10月5日)

    イベント概要 – 公認会計士2.0

    イベントプログラム第2期 公認会計士2.0 第5回
    開催日2025年10月5日 10:00-13:00
    開催場所CPASS LOUNGE(シーパスラウンジ)
    〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目14−20 新宿テアトルビル 6F
    概要2025年公認会計士試験の合格者数1092名(全体合格者1,636名、合格者数占有率66.7%)と過半数に達する合格者を輩出したCPA会計学院代表の「国見健介」が24年の会社経営で得た「経験」と「ノウハウ」を伝授する私塾『公認会計士2.0』です。

    ※1 令和7年公認会計士試験合格者1,636名(※2)に占めるCPA会計学院公認会計士試験合格者1,092名(※3)の割合で算出をしています。※2 公認会計士・監査審査会「令和7年公認会計士試験の合格発表の概要について」に記載の論文式試験合格者数をもとに記載しています。 ※3 2025年合格目標の初学者または再受験者対象のCPA本科コースを受講した方のうち、論文式試験に合格された方を対象としています。
    講師国見 健介(CPAエクセレントパートナーズ株式会社 代表取締役社長)

    はじめに:次世代のリーダーを目指す会計士

    2025年10月、会計士業界の未来を担うリーダーを育成することを目的とした「第2期 公認会計士2.0」の第5回が開催されました。いよいよ折り返しに近づいた今回はこれまで以上に活発な意見交換が行われました。講義やディスカッションを通じて得た学びを踏まえ、単なる知識の習得にとどまらず、「プロフェッショナルとしてどう社会に価値を提供するか」という視点が徐々に根づきつつあります。


    本レポートでは当日の熱気とともに、国見の語る内容について詳しくお伝えします。ここで語られた内容は、これからの会計士、そして次世代のリーダーたち挑戦の原点となるはずです。

    第1部:思考の質──ミッションとビジョン、そしてその実現のために

    国見はまず「思考の質」というテーマから語りました。

    「一番伝えたいのは、『思考の質』を高める必要があるということです。そのためには頭の中で設計図を描くことが不可欠です。」

    まず、何もないところから「こういう未来になっていたらいいな」という理想を思い描く。その設計図があって初めて、現実の世界で時間をかけながら一つひとつ形にしていくことができます。途中で間違いに気づけば修正を加え、また新たに描き直す。視座が上がるほど、設計図自体もバージョンアップしていく──その繰り返しこそが思考の成長プロセスだといいます。頭の中で何を考えるかは完全に自由で自己責任。だからこそ、どう磨いていくかがとても重要になるのでしょう。
    続いて、国見は「ミッション」と「ビジョン」という二つの軸について語りました。
    「『ミッション』は普遍的なものであり、『ビジョン』は具体的な目標です。その中で僕は具体的な到達点を持つビジョンは100万通り以上あると思っています。」

    たとえば「会計士試験に合格したい」「CFOとして事業を支えたい」「プロフェッショナルファームを作りたい」──。これらはすべて、ビジョンの形です。期限もあり、具体的な到達点を持つ。だからこそ、さまざまなやり方が存在します。
    一方で、ミッションは揺るぎません。 「人の可能性を広げ、人生を豊かにする応援をする」──国見や弊社がミッションとして掲げるこの言葉は、その典型です。そしてそれは、まず自分自身の可能性を広げ、自分が豊かに生きることから始まります。自分が変わるからこそ、家族・仲間・クライアント・社会へと、その影響が広がっていくのです。
    さらに国見は、ミッションの本質についてこう続けます。

    「究極的には、どのミッションも同じことを言っているのかもしれません。表現は違っても、『自分と周りの幸せ』を目指している点では共通しているのです。」

    どんなミッションも、突き詰めれば「自分と他者の幸福をどう両立させるか」に行き着く。そして、そんなミッションを支えるビジョンは無限のパターンがあり、柔軟に変更し続けるものなのです。

    そして最後に、国見は「ビジョン実現の条件」として、協力の力を説きました。

    「1人でできることは本当に小さい。でも、10人、100人、1万人と協力すれば、世界は変えられます。」

    1人で実現出来るビジョンと1万人で実現できるビジョンは大きさが全く異なります。大きなビジョンを実現するためには周囲の人々の協力が不可欠。そして、その協力の質も重要です。3歳児が1万人集まってできることと、思いのある経営者や公認会計士が1万人集まってできること。その差は圧倒的です。レベルの高い仲間とつながることで、個々の力が掛け合わされ、指数関数的に大きなインパクトを生み出すことが出来るのです。だからこそ、自らのビジョンを「多くの人の共感を得られるもの」に育てていくことがビジョン実現のためのカギになります。
    「1人よがりになっていないか? 仲間とピラミッドのように重なり合い、支え合える構造になっているか?」
    ──その問いこそが、リーダーとしての成長を支える基盤となるでしょう。

    「自分たちの能力だけで行けるところまで行く、という考え方もあります。それは小さくまとまるという一つのやり方です。しかし、もっと高みを目指すなら、自分たちが成長しなくてはなりません。そのためには、自分たちより優れた力を持つ人を招き入れ、共に働く中で学ぶことが必要なのです。

    このセクションは、組織の成長がリーダー一人の力ではなく、ビジョンを共有し、メンバーの協力によって成し遂げられるという、力強いメッセージで締めくくられました。

    第2部:ピラミッドを重ねる──リーダーシップの信頼と一貫性を生む構造

    次いで国見は、「ピラミッドを重ねる」という比喩を用いて、リーダーシップにおける二つの重要な段階を語りました。

    第1段階:自分とコミュニティのピラミッドを重ねる

    リーダーとして最初に取り組むべきは、「自分自身」と「所属する組織」のミッション・ビジョンを重ね合わせることです。
    国見は弊社を例に挙げ、こう語ります。

    「CPAというコミュニティの掲げるミッション・ビジョンと、自分のそれを重ねる。この作業を怠ると、CPAにとって最も良い意思決定と、自分にとっての最も良い意思決定がずれてしまうんです」

    一見小さなずれも、積み重なれば信頼の損失につながります。逆に、重なっている部分が大きいほど、一貫性のある判断と行動が生まれ、周囲からの信頼は加速度的に積み上がっていく。
    だからこそ、リーダーは葛藤と混沌の中で、何度も「すり合わせ」を繰り返さなければならないのです。「もっとこうすれば重なる」「このやり方なら一致する」──そうした試行錯誤を諦めずに追い続ける。その先に、一貫性をもって行動できるリーダーの姿が生まれます。国見自身も、CPAと自分とのピラミッドを重ねるまでに「10年以上の時間をかけた」と振り返ります。
    個人と組織だからこそ完璧な一致はあり得ません。そのため、ずれを意識し、状況に応じて何度でも微調整を重ねることが信頼を保つために大切な行動になるのです。

    第2段階:組織と仲間のピラミッドを重ねる

    次のステップとして、「組織」と「仲間」のピラミッドを重ねることも必要です。

    「組織のミッション・ビジョンが、メンバー一人ひとりのミッション・ビジョンにどう重なっていくか。これを設計できないと、人は本気で組織のために力を尽くすことはできません」

    人は誰しも自分の人生の主人公です。組織の利益よりも、自分の幸せを優先するのが自然な姿です。だからこそ、リーダーは「組織の成長が個人の成長・幸福に直結している」と実感できる環境を設計する必要があります。

    ・組織が成長すれば、自分の給与も上がる。
    ・組織が社会に良い影響を与えれば、自分の仕事への誇りも高まる。
    ・組織での挑戦が、自分自身の人間的成長にもつながる。

    このように、「お金」「やりがい」「成長」の3つの軸で重なりを作ることができれば、個人のミッションと組織のミッションは同じ方向に動き始めます。

    国見はさらに、「仲間」の範囲を社内に限定しないと強調しました。
    「仲間とは社員だけではありません。社外で関わるすべての人──パートナー企業、クライアント、地域社会も仲間です。」

    組織の内外を問わず、ミッションとビジョンを重ねることができれば、より多くの人と協力し合う「共創の関係」が生まれる。 そのとき、ピラミッドは個人から組織へ、組織から社会へと広がり、重なり合う層が厚くなるほどに、リーダーシップの信頼と影響力も深まっていくのです。

    質疑応答セッション:受講者からのリアルな問い

    講演後には、活発な質疑応答が行われました。ここでは、特に印象的だった2つの問いと、国見の回答をご紹介します。

    Q1. 立場や規模に差がある企業の方と協業を進める際に信頼を築くには、どのような姿勢で臨めば良いでしょうか?また、自社の知見や情報を守る上で意識すべきポイントについても伺いたいです。

    A. 「私が重要視しているのは、契約の前にお互いが目指す世界観が一致しているかどうかです。目指す方向が違えば必ずどこかでズレが生じます。信頼できる相手なら、細かい契約よりも「一緒にやっていきましょう」という姿勢で進めてしまって良いのではないでしょうか。ただし、裏切られて致命傷になる部分だけは守る必要があります。大事なのは駆け引きではなく本音で話すこと。お互いの理想や譲れない点を率直に伝え合い、そこで合意できるなら進める。致命傷にならないリスクなら、思い切って信頼して踏み出す勇気も必要だと思います。」

    Q2. ミッションやビジョンをすり合わせるという長期的に重要な活動と、直近の利益のための短期的に重要な活動どちらにより時間を割くかはどのように決めていますか?

    A. 「配分を決めるために大事なのは、どちらの選択が会社の成長とミッション・ビジョンの実現に早く近づけるか、という点だと思います。目の前の仕事に全力を注ぐのもいいですが、方向性を見失うと人も離れていきます。短期の目標と中長期のビジョンをつなげて考えること、そして価値観の共有が何より重要です。どこを目指すのかを本音で語り合う時間を確保し、目先の資金が厳しいなら固定費を削ってでも、その対話の時間を作る方が長期的には成長につながると思います。」

    1人ではできないことを周囲の協力を得てやり遂げる。そして、協力を得るためには周囲との目標のすり合わせが欠かせないということがこの質疑応答で改めて伝えられました。

    おわりに:人生を豊かにするために

    自らの思考の質を磨き続けることは、他の誰にも代わることのできない自由で創造的な営みです。自分自身の可能性を広げ、周囲の人の人生を豊かにする ーーその連鎖が、やがて社会全体を動かしていく力になるはずです。本セミナーが、その第一歩となれば幸いです。

    公認会計士2.0 講師紹介

    国見健介
    国見 健介
    Kunimi Kensuke
    CPAエクセレントパートナーズ株式会社
    代表取締役社長
    <プロフィール>
    1999年10月 公認会計士論文式試験合格
    2001年 3月 慶應義塾大学経済学部卒業
    2001年 9月 CPAエクセレントパートナーズ株式会社設立 代表取締役就任
    2003年 1月 公認会計士登録
    2015年 4月 CPAキャリアサポート株式会社設立
    2022年 4月 ESネクスト有限責任監査法人社外ガバナンス委員就任
    2023年10月 ライフイズテック株式会社社外監査役就任
    2025年 3月 株式会社GENDA社外監査役就任

    参加者の声

    40代
    監査法人
    自己のビジョンと組織のビジョンを重ね合わせる三角形のお話が印象的でした。
    20代
    監査法人
    自分のピラミッドと組織のピラミッドを重ねることが難しいことについてや、環境変化が無く、或いは慣れることにより自分が丸くなっていくことへの恐怖感など、普段話さないようなことを普段話さないような年次の方とお話でき、得難い気づきを得ました。
    自分の思考の幅が広がっていく実感があります。
    60代
    法律事務所
    本当に同意することばかりです。
    20代
    学生
    ミッションビジョンを共有する機会はなかなかないため、貴重な経験になりました。自分よりも遥かに実務経験の長い会計士の先輩方と、フラットに意見交換ができ非常に有り難かったです。
    監査法人こちらの講義に参加することで、定期的に軌道修正することができており、大変感謝しております。

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    第2期 公認会計士2.0 イベント概要
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第1回(2025年7月13日)
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    代表 国見健介からのメッセージ(動画)

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    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第1回(2025年7月13日)
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    第2期 Next-CFO イベント概要
    第2期 Next-CFO イベントレポート第1回(2025年7月13日)
    第2期 Next-CFO イベントレポート第2回(2025年8月3日)

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