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【イベントレポート】第2期 公認会計士2.0 ― 第4回講義の内容を大公開!

弊社代表の「国見健介」が24年の会社経営で得た「経験」と「ノウハウ」を伝授する「公認会計士2.0」講座。今期で第2期となる講座イベント(全10回)をレポートとして公開します。

監査、税務、コンサルティング……。会計士として専門性を磨くほど、「個の力」を追求しがちです。しかし、その先に待つのは、より大きな成長でしょうか、それとも見えない天井でしょうか。もしあなたが、ご自身の成長と組織の成長との間にギャップを感じているなら、当イベントレポートは思考のブレイクスルーになるかもしれません。

    <関連ページリンク>
    第2期 公認会計士2.0 イベント募集特設ページ
    第2期 公認会計士2.0 イベント概要
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第1回(2025年7月13日)
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第2回(2025年8月3日)
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第3回(2025年8月24日)
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第4回(2025年9月14日)
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第5回(2025年10月5日)

    イベント概要 – 公認会計士2.0

    イベントプログラム第2期 公認会計士2.0 第4回
    開催日2025年9月14日 10:00-13:00
    開催場所CPASS LOUNGE(シーパスラウンジ)
    〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目14−20 新宿テアトルビル 6F
    概要2025年公認会計士試験の合格者数1092名(全体合格者1,636名、合格者数占有率66.7%)と過半数に達する合格者を輩出したCPA会計学院代表の「国見健介」が24年の会社経営で得た「経験」と「ノウハウ」を伝授する私塾『公認会計士2.0』です。

    ※1 令和7年公認会計士試験合格者1,636名(※2)に占めるCPA会計学院公認会計士試験合格者1,092名(※3)の割合で算出をしています。※2 公認会計士・監査審査会「令和7年公認会計士試験の合格発表の概要について」に記載の論文式試験合格者数をもとに記載しています。 ※3 2025年合格目標の初学者または再受験者対象のCPA本科コースを受講した方のうち、論文式試験に合格された方を対象としています。
    講師国見 健介(CPAエクセレントパートナーズ株式会社 代表取締役社長)

    はじめに:次世代のリーダーを目指す会計士

    国見による「会計士2.0」も第4回となりました。本イベントを通して国見の目線やその考え方に触れて様々な考えが生まれていると思います。一人ひとりが自分自身のキャリアや価値観を見つめ直し、「これからの会計士像」を考えるきっかけになっているのではないでしょうか。第4回となる今回は、さらにその思考を深め、各自の次の一歩を具体化していく時間となりました。

    本レポートでは、講演内容を詳しくお伝えします。本記事が単なるセミナーレポートの枠を超え、これからの時代を生き抜く会計プロフェッショナルに新たな視点と問いをもたらすものとなれば幸いです。

    第1部:『ユニクロ』から見る経営者像

    セミナーの最初に、国見は課題図書となる『ユニクロ』の書籍をもとに、経営者の柳井正氏の軌跡を紹介しました。

    ユニクロは今でこそ売り上げ約三兆円を誇る大企業であるものの、創業当初やその後の海外進出時は赤字を出すなど試行錯誤の連続だったといいます。本書の他に「一勝九敗」という著書を持つ柳井氏のその言葉の通り、ユニクロは決して順風満帆な歩みではありませんでした。シャッター街に近い商店街で始まったユニクロ。創業当初、柳井氏は慣れない経営で最初の従業員が全員辞めるなど苦労の連続だったといいます。そこから約10年をかけて試行錯誤を重ね、ようやくユニクロ1号店を出店。1号店成功ののち2号店で大きな失敗を経験し、大きな赤字を出すものの立て直して郊外店展開を進め、上場を果たします。

    上場後、原宿・銀座など東京への進出で全国的なブランドに成長し、成長期には一流経営陣が集まり次の段階に進みます。しかし、急拡大に体制が追い付かず一度組織崩壊が起こってしまいます。

    その中でも柳井氏は失敗を恐れず挑戦し続けた人物で、現在も日々学び続け、夜は読書と熟考の時間を確保しています。国見は彼について「柳井氏のすごさは、成功後も学びを止めない姿勢にある」と述べました。

    「30年以上かけて専門家としてのスキルを研磨する会計士と同様に、経営のスキルも時間をかけて経験を積むことでゆっくりと培うことができます。」

    ユニクロのエピソードを通して、経営能力は才能によるのではなく、様々な失敗や挫折から学習し知識と経験を得ていくことでだんだんと身についていくものであり、必ず出会う低迷期にも学びを止めないことが重要であるという国見の言葉で第一部は締めくくられました。

    第2部:CPAエクセレントパートナーズの歩み

    次に国見は、CPAの歴史と拡大について語りました。

    「最初のCPAは寺子屋のような場所で、効率は悪いけど力はつく場所でした。」

    チューターとして勤務した後、日吉校を譲り受けたのがCPAの始まりです。校舎を1人で受け持った国見は「15時間労働を360日」というハードな日々の中でCPAを拡大し、2校目となる早稲田校を開校。数人のメンバーで講義・受付・採点など運営に関する全業務を担当していたと言います。しかし、順調に事業を拡大していく中、2009年業界にゆらぎが生じました。公認会計士試験制度の度重なる変更の結果、主要な顧客層である受験者が3分の1まで減少したのです。CPAもこの影響により一時期財政難に陥りました。当時組織の中核を担っていたメンバーで資金を捻出し、乗り越えたといいます。

    「当時は会計士市場自体が拡大傾向にあり、自然と業績も伸びやすい時期でした。実際スクールとしてのクオリティがまだまだ低い中で、市場の拡大による成長を自分たちの実力と勘違いしてた部分も正直あります。そんな中5年間全部の意思決定をストップして、もう一度教材を全部強化するなどサービスそのものを改良できた事は今となってはすごく良かったと思っています。」

    これは国見の持つ非常に重要な考え方を示しています。それは障害に負けない不屈の精神です。このような逆境の中でも屈さず、自己や組織の研磨を続けることこそが経営者にとっての重要な資質ではないでしょうか。その結果として受験生が再び増加した2015年以降、CPAは順調に組織としての規模を拡大させることが出来ました。この成長は、単なる規模拡大ではなく、「学び続ける文化」を根幹に据えた組織づくりの成果でもあります。 国見が示すように、環境の変化や困難に直面しても、その本質を見極め、粘り強く改善と挑戦を続ける姿勢こそが、CPAの持続的な成長を支えてきました。

    「経営者の成長が止まれば、企業の成長も止まります。日々一流の経営者と意見を交換しながらより組織としてより高みを目指すつもりです。」

    そう語る国見の言葉には、今までの歩みを象徴する力強さがありました。

    第3部:今後の展望―国見の持つビジョンとは

    最終パートでは、国見がCPAの今後の展開について語りました。

    「CPAは全世界の会計人材の価値を高め、ひいては業界全体、そして社会全体をより価値あるものにするような組織になりたい」

    現在多くの会計人材は自分の分野を極める「専門家」のような考え方をしており、ビジネスの視点を持つ人材は少ないといいます。このような状況の中で、一部の人々でもビジネスの目線を持ち、業界をとらえることで会計士業界自体の地位向上や、新しい職域の創出へとつながっていくことが期待できるのではないでしょうか。

    国見はまさにこのような視点を持った結果、業界のバリュー向上という大きなビジョンに向けて、今後のCPAの舵を切ろうとしています。この大きな目標を実現するためには会計教育分野の責任者のみでなく、商社や監査法人、そして海外も含む様々な立場の責任者との協力が不可欠です。この課題に向き合った結果、国見は上場準備という重要な決断を下したのでした。

    今後の会社の未来を考えるうえで大切なのは、どんな仲間が入ってくるかということ以上に、リーダー自身が「すべて自分の責任だ」と覚悟を持てるかどうかだと思っています。結局、経営も組織づくりも、一つひとつ自分で積み上げていくしかありません。

    「私が会計士2.0の講義を開催した理由の一つは、士業の方々――会計士や弁護士など――が本当に優秀だからです。ただ、専門領域の知識に特化するあまり、経営やビジネスの実践経験が少ない。士業の方々はよく「会社の主治医になりたい」と言いますが、実際には「皮膚科しかわかりません」というような、専門分野しか分からない状態になっていることも多いように感じます。だからこそ、経営全体を見る経験を積むことで、もっと会計士の価値を高めていけるはずだと私は思います。

    私は会計業界を相撲界に例えることが多いのですが、土俵の中だけで戦っていると、総合格闘技の世界では通用しない。会計士も同じで、もっとビジネスの世界に踏み出す人が増えると、社会全体が良くなると思っています。国々ごとに異なる物も多い中で、共通の基準が整備されている会計やファイナンスは世界共通の言語と言えます。これから日本がグローバルで戦う時代において、私たちはどの国でも価値を発揮できる。だからこそ、この業界を変えて、会計・ファイナンスの価値を2倍にする――それが私の目指している未来です。」

    言葉通り、CPAは単に合格者を増やすだけでなく「会計士として社会で活躍できる人材をいかに輩出するか」という観点で事業を再設計しています。教育・採用・キャリア支援・企業連携といった複数の軸で業界のエコシステムづくりを進め、業界全体の価値向上をめざします。

    「価値のある目標を掲げれば、それに共感する優秀な人材が集まってくれます。優秀な人材が集まれば、組織もより良いものになる。今のCPAも、そのような方々に支えられています。」

    質疑応答セッション:受講者からのリアルな問い

    講演後には、活発な質疑応答が行われました。ここでは、特に印象的だった3つの問いと、国見の回答をご紹介します。

    Q1. 掲げられているビジョンと現実の間で葛藤することはあるのでしょうか?また、その際にはどのように乗り越えますか?

    A. 「葛藤は当然ありますし、むしろ葛藤の日々と言っていいほどです。自分が課題を見つける天才なんじゃないかなって自分で思うくらい様々な課題が思い浮かびます。正直辞めたいと思ったことも数え切れません。でもその都度、自分が諦めたら仲間たちはどうなるのか?という考えに支えられました。信頼する仲間がいなければここまでこられなかったと思います。また、自分の信頼する師匠や経営者コミュニティの方々のおかげでもあります。自分の悩みを共有するだけでも楽になりますし、新しい視点のアドバイスを貰うことで救われることも多いですね。なので、あまりかっこよくは無いのですが、今周りにいる人々を大事にしながら自分を奮い立たせているというのが正直なところです。」

    Q2. 会計士がスタートアップ界隈に参入するに当たって、何が必要だと考えられていますでしょうか?また、それを会計士として提供するためには今後何が必要になっていくかお聞かせいただけますと幸いです。

    A.  「僕なりの考えを伝えさせていただくと、結局は起業家の方から信頼されることが必要です。そのためには、その人が思い描いてるミッション、ビジョンに共感できて、かつ、その人のパートナーとして事業を一緒に伸ばしていくことに対する覚悟をどれだけ示せるかが大事だと思います。具体的には起業家の持っていないスキルをどれだけ持ち合わせてるかを言葉にできないといけませんし、あなたのビジョンに共感して、あなたと一緒にもっとこの会社を大きくしていって、世の中のためになるそういう企業になっていきたいんだということをどれだけ熱量込めて伝えれるかも大切です。実際にCPAの社員の採用も全く同じで、会計知識の有無よりもビジョンに共感してくれてるのか。そして、これからどういう経験を積んでいてどういう風に成長していきたいのかという考えが明確にある方であるかを重要視していますね。なので、実務能力はあくまでも入口であり、その先が必要だと思います。」

     Q3. サービス立ち上げ初期の顧客はとても貴重で、正直対価に対してサービスが見合ってないケースも多いと思います。初期のCPAもその状況にあったと思うのですが、何を感じて、何を試行錯誤して将来に繋がったと思いますか?

    A. 「おっしゃる通り、何かに新しく参入する時多くの場合はクオリティ面で劣ってしまいます。そこで、代わりに一番大切なのは情熱と本気度だと思います。例えば、当時のCPAは校舎が空いてる時間であれば徹底的にいつでも質問相談に乗りましたし、校舎をほとんど365日開けるようにしていました。そうするとやはり情熱や熱意といったものが相手にも伝わり、徐々にクチコミで広がっていきました。もうひとつの工夫として、当時他の予備校では体験が簿記3級相当までしか用意されていなかったところ、CPAは簿記2級まで用意することで入口を広げていました。このように、単純なクオリティ以外にも勝負できる場所は沢山ありますし、一気に広めるのではなく、5人、50人、100人……と徐々にシェアを増やすことが出来れば、やがて大きな存在になれるのだと思います。」

    一連の回答には国見の考え方が詰まっていました。不利な状況であってもその時出来ることを考え、一つ一つ実践する。そして、大局的な視点を持ち、それに向けて必要なことも進めるという考え方がCPAの拡大に不可欠なものだったと言えるかもしれません。

    おわりに:大切なのは

    今回のセミナーでは『ユニクロ』やCPAを中心に、経営者として必要な思考について語っていただきました。優秀な周囲のサポートも必要ですが、最終的にひとつの組織を作りあげ拡大していく中心となるのは経営者本人です。中心となる人物が情熱と試行錯誤する力を持つことにより、周囲の人間から支持を得られ、成長に繋がるのでしょう。今回学んだ「情熱」と「試行錯誤を恐れない姿勢」を取り入れ、まずは小さな範囲からでも主体的に動く事が大切です。環境や他人に左右されるのではなく、自らが組織を動かす側の意識を持つことが、今後の成長につながる第一歩ではないでしょうか。なる学びに期待しつつ、本レポートを締めくくります。

    公認会計士2.0 講師紹介

    国見健介
    国見 健介
    Kunimi Kensuke
    CPAエクセレントパートナーズ株式会社
    代表取締役社長
    <プロフィール>
    1999年10月 公認会計士論文式試験合格
    2001年 3月 慶應義塾大学経済学部卒業
    2001年 9月 CPAエクセレントパートナーズ株式会社設立 代表取締役就任
    2003年 1月 公認会計士登録
    2015年 4月 CPAキャリアサポート株式会社設立
    2022年 4月 ESネクスト有限責任監査法人社外ガバナンス委員就任
    2023年10月 ライフイズテック株式会社社外監査役就任
    2025年 3月 株式会社GENDA社外監査役就任

    参加者の声

    40代
    コンサルティング
    改めて、ミッションビジョンを語り、一貫した思考、行動の重要性を心に刻むことができました。
    30代
    教育・人材サービス
    いつの日か「この会が自分にとっての源泉だった」と言えるのではないか、そんな気がした回でした。
    30代
    コンサルティング
    経営のリアルについて聞くことができ、自身の事業で試したいこともありました。引き続き参加し、事業を伸ばしていきたいと思います。
    コンサルティング毎回、講義に参加しながら自分のマインドをブラッシュアップする場にさせてもらっております。
    20代
    学生
    思考の質を変えることが人生の質を変えるという言葉が非常に響きました。

    <関連ページリンク>
    第2期 公認会計士2.0 イベント募集特設ページ
    第2期 公認会計士2.0 イベント概要
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第1回(2025年7月13日)
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第2回(2025年8月3日)
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第3回(2025年8月24日)
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第4回(2025年9月14日)
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第5回(2025年10月5日)

    代表 国見健介からのメッセージ(動画)

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    第2期 公認会計士2.0 イベント募集特設ページ
    第2期 公認会計士2.0 イベント概要
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第1回(2025年7月13日)
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    第2期 Next-CFO イベント募集特設ページ
    第2期 Next-CFO イベント概要
    第2期 Next-CFO イベントレポート第1回(2025年7月13日)
    第2期 Next-CFO イベントレポート第2回(2025年8月3日)

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