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公開日:2025/11/26

  • イベントレポート

【イベントレポート】第2期 公認会計士2.0 ― 第2回講義の内容を大公開!

弊社代表の「国見健介」が24年の会社経営で得た「経験」と「ノウハウ」を伝授する「公認会計士2.0」講座。今期で第2期となる講座イベント(全10回)をレポートとして公開します。

監査、税務、コンサルティング……。会計士として専門性を磨くほど、「個の力」を追求しがちです。しかし、その先に待つのは、より大きな成長でしょうか、それとも見えない天井でしょうか。もしあなたが、ご自身の成長と組織の成長との間にギャップを感じているなら、当イベントレポートは思考のブレイクスルーになるかもしれません。

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    第2期 公認会計士2.0 イベント募集特設ページ
    第2期 公認会計士2.0 イベント概要
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第1回(2025年7月13日)
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第2回(2025年8月3日)

    イベント概要 – 公認会計士2.0

    イベントプログラム第2期 公認会計士2.0 第2回
    開催日2025年8月3日 10:00-13:00
    開催場所CPASS LOUNGE(シーパスラウンジ)
    〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目14−20 新宿テアトルビル 6F
    概要2024年公認会計士試験の合格者数973名(全体合格者1,603名、合格者数占有率60.7%)と過半数に達する合格者を輩出したCPA会計学院代表の「国見健介」が24年の会社経営で得た「経験」と「ノウハウ」を伝授する私塾『公認会計士2.0』です。
    講師国見 健介(CPAエクセレントパートナーズ株式会社 代表取締役社長)

    はじめに

    熱気に満ちた第1回から約1ヶ月、次世代のリーダーを目指す会計士の皆さまが再び一堂に会しました。「第2期 公認会計士2.0」の第2回は、前回提示された「ビジョンを描く力」と「それを実現する力」という壮大なテーマを、より個人の内面にまで掘り下げる形で幕を開けました。会場に集まった参加者の皆さまからは、前回の学びを自らの職場や現場で実践し、新たな問いや課題を携えて臨んでいる真剣な眼差しが感じられました。

    登壇者は、前回に引き続き当社代表の国見健介です。国見は冒頭、課題図書であった『7つの習慣』に触れ、その普遍的な価値を強調するとともに、そこに一つの重要な視点を加えました。それは「視座を上げる」という考え方です。

    『7つの習慣』の実践は確かに力強いものですが、それだけに頼ると「小さくまとまってしまうリスク」があると指摘します。その壁を突破するためには、リーダーシップや経営に関するさらなる知見を学び続ける必要があります。今回配布された柳井正氏の『経営者になるためのノート』は、ユニクロを成長させた具体的な思考の軌跡を知ることができ、より高い視座を得るための一助になると紹介されました。

    本レポートでは、個人の「ミッション・ビジョン」の確立から、リーダーが日々直面するリアルな葛藤まで、国見が語ったリーダーシップの深層をまとめてまいります。

    第1部:終わりを描き、主体的に始める――人生のコンパスを手に入れる

    今回の講義の中心は、次回までに取り組むべき宿題に集約されていました。それは、①人生のミッション・ビジョンを描くこと、②100年史(100歳までの人生設計)を作成すること、③人生でやりたいこと100のリストを書くこと、この3点です。

    国見は次のように語りました。
    「まずは終わりを描かないと、絶対に実現できないので、仮でもいいから1回書いてみてほしいです」

    これは『7つの習慣』にある「目的を持って始める」という原則そのものです。多くの人は日常のタスクに追われ、人生の最終目的地を描くことを後回しにしてしまいがちです。しかし、目的地を設定せずに走り続けても、その努力は正しい方向へと結実しません。荒削りでも、不完全でもよいのです。一度、自らの人生の「終わり」を紙に書き出すことが、未来を切り拓く第一歩となります。

    さらに国見は、この作業自体が一度で終わるものではないことを強調しました。
    「このミッションやビジョン、100年史は、バージョンアップし続けていただければいいのです。1年に1回書き直すだけでも、人生で50回、60回ほど更新できます」

    実際、国見自身もこの作業を継続しており、今回配布された自身のミッション・ビジョンは、1年前のものからさらに進化していると述べました。数値目標については「3倍、4倍ほど視座が上がった」と語り、リーダー自身が常に自己と向き合い、成長し続けていることを示しました。この姿勢は、参加者の皆さまに大きな勇気を与えました。

    また、この「終わりを描く」行為を支える根本の力が「主体性」です。国見はホワイトボードを使い、次のように説明しました。
    「まず事実。これは1日に1万回くらい起こります。その後に必ず解釈が入り、その解釈から皆さんの思考、行動、感情が生まれます」

    私たちがコントロールできるのは「事実」そのものではなく、その受け止め方、すなわち「解釈」です。解釈は常に自分自身の選択であり、環境や他人のせいにするものではありません。人生に起こるすべての出来事の意味づけを自ら行うという強い当事者意識こそが、主体性の本質であり、自らのミッションに向かって進むための原動力となります。

    このパートは、壮大なビジョンも日々の行動も、すべては「解釈」という一点から始まるという力強いメッセージで締めくくられました。

    第2部:リーダーのリアルな葛藤――質疑応答から見えた人間的深み

    講義の中盤には質疑応答が設けられ、参加者のリアルで切実な問いに対し、国見が自身の経験をもとに真摯に答えました。このやり取りの中にこそ、リーダーシップの本質が垣間見えました。

    テーマ1:情熱と生活の調和

    「仕事のミッションへの情熱と、家族と過ごす幸福。このトレードオフに悩んでいる」という質問が寄せられました。

    国見は「人生トータルで見て、その総和を広げる」という視点を提示しました。
    「今の視点だけを見ないことを大事にしています。子どもが25歳や30歳になった時、私が社会で残した貢献は必ず子どもに返ってくると思っています」

    つまり、短期的な時間配分に囚われるのではなく、長期的に社会へ貢献することが最終的に家族の幸福にもつながるという考えです。

    また、家庭におけるWin-Winの関係も重視しています。二世帯住宅での暮らしを例に挙げ、母親と妻の立場を尊重し合うことで「1の我慢が10の幸福を生む」ような環境設計を意識的に行っていると語りました。リーダーシップは職場に限らず、最も身近な家庭においても発揮されるべきだと示しました。

    テーマ2:嫉妬やコンプレックスとの向き合い方

    「他者への嫉妬がやめられない」「熱中できるものがなくコンプレックスを感じる」という問いも投げかけられました。

    嫉妬について、国見は「嫉妬して自分にプラスがないと心から思うことが一番大事」と断言しました。嫉妬は自らを不幸にするだけであり、学びに転換すべきだという姿勢です。優れた人に出会ったら「すごい、教えて」と素直に学ぶ姿勢へ切り替えることが、自己成長につながります。

    また「熱中できるものがない」という悩みに対しては、「広く浅くを肯定することも一つの幸福の形」と述べつつ、もし情熱を見つけたいならば行動し続けるしかないと説きました。自身の情熱の源泉が「教育の機会の平等」にあることも明かし、CPAラーニングを無料で提供する背景には強い理念があると語りました。

    テーマ3:一貫性とリーダーの弱さ

    「リーダーとして発言の一貫性を保つのが難しい」「疲れを見せられないプレッシャーがある」という問いも出されました。

    国見は「3年前と今で言っていることが違うのは当然。一緒なら成長していない」と答えました。ただし変えてはならないのは「ミッションや判断軸」であり、その上で状況や学びに応じて戦術を変える柔軟性が大切だと強調しました。

    また「疲れを見せてはいけない」という点については、完璧を演じる必要はないと語りました。重要なのは外面的な元気さではなく、内面からにじみ出る「熱量」や「本音」であり、それが自身の眼差しに現れると説明しました。リーダーも人間であり、疲れることはありますが、根底にある情熱が本物であれば、その熱は自然と周囲に伝わるのです。

    おわりに:解釈を選び、未来を創る

    この日の学びをひとことで表すなら、それは「解釈の選択」です。家庭と仕事のバランス、嫉妬やコンプレックス、一貫性のプレッシャー。リーダーが直面するあらゆる課題は「事実をどう解釈し、どう行動を選ぶか」に帰結します。その自由と責任はすべて自分自身にあるのです。

    リーダーシップとは、特別な才能ではなく、日々の出来事を自らのミッションに照らして「より善い解釈」を選び続ける姿勢そのものです。今回提示された「ミッション・ビジョンを書き出す」という宿題は、その姿勢を支える指針をつくる行為に他なりません。

    参加者一人ひとりがこの学びをどのように解釈し、行動へと結びつけていくのか。その一歩一歩が、会計士業界、そして社会全体の未来を形作っていきます。次回の第3回に向けて、それぞれのリーダーの物語はすでに始まっています。

    公認会計士2.0 講師紹介

    国見健介
    国見 健介
    Kumini Kensukei
    CPAエクセレントパートナーズ株式会社
    代表取締役社長
    <プロフィール>
    1999年10月 公認会計士論文式試験合格
    2001年 3月 慶應義塾大学経済学部卒業
    2001年 9月 CPAエクセレントパートナーズ株式会社設立 代表取締役就任
    2003年 1月 公認会計士登録
    2015年 4月 CPAキャリアサポート株式会社設立
    2022年 4月 ESネクスト有限責任監査法人社外ガバナンス委員就任
    2023年10月 ライフイズテック株式会社社外監査役就任
    2025年 3月 株式会社GENDA社外監査役就任

    参加者の声

    30代
    事業会社
    講師
    目標に対して、計画や行動が一貫しているかどうかは、会計士試験の勉強中も常に意識していました。
    しかし、その根底にある「ミッション」や「ビジョン」と、目標・計画・行動の三者が本当に一貫しているのかという視点は、いつの間にか薄れていたことにハッとさせられました。
    自分という人間を形づくっているのは、目に見える行動ではなく、むしろその土台となる“見えない部分”なのだと、改めて実感しました。
    40代
    事業会社
    監査役
    イメージしなければ実現されないとの言葉が特に刺さりました。自分に向き合い、成し遂げたいことを明確にし、研ぎ澄ませていきたいと思います。
    30代
    監査法人
    本日もタメになるお話ありがとうございました。インドの話、心が熱くなりました。まず、今考えられる最大のビジョンを描いてみたいと思います。次回もよろしくお願いいたします。
    30代
    事業会社
    本日の「公認会計士2.0」第2回プログラムに参加させていただき、誠にありがとうございました。

    今回の講義では、「情熱と本気」「向上心」「一貫性」「優先順位と本質を見極める力」といったリーダーとしての根幹となるソフトスキルについて、非常に多くの気づきと学びがありました。

    特に、「知っているつもり」「できているつもり」を捨て、常に謙虚な姿勢で学び続けることの重要性を再認識しました。また、失敗や劣等感との向き合い方、長期的なモチベーションの持ち方についても、日々の実務に活かせる具体的なヒントを得ることができました。

    これからのプログラムを通じて、仲間と共に成長できるよう前向きに取り組んでまいります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
    40代
    事業会社
    常勤監査役
    国見さんの話がとても興味深いので引き込まれています。次回以降も楽しみにしています。引き続きよろしくお願いいたします。

    <関連ページリンク>
    第2期 公認会計士2.0 イベント募集特設ページ
    第2期 公認会計士2.0 イベント概要
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第1回(2025年7月13日)
    第2期 公認会計士2.0 イベントレポート第2回(2025年8月3日)

    【第2期 募集中】

    本レポートで紹介した「公認会計士2.0」プログラムは、現在、第2期受講生を募集中です

    今の仕事に“閉塞感”を抱えている方、リーダーとしての視座を得たい方にとって、このプログラムは必ず転機になります。

    少人数制につき、定員に達し次第締切となります。ぜひお早めにお申し込みください。

    参加者分布

    代表 国見健介からのメッセージ(動画)

    <関連ページリンク>
    第2期 公認会計士2.0 イベント募集特設ページ
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