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公開日:2021/05/06

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CPASSが注目している新しい監査法人

CPASS運営スタッフの記事

ここでは、大手監査法人・準大手監査法人・中堅監査法人以外のその他の監査法人について注目していきたいと思います。

まず注目したいのが監査法人数の推移についてです。日本全国の監査法人数は2020年4月30日時点では246法人だったのですが、2021年3月31日現在258法人となっています(日本公認会計士協会ホームページの会員数参照)。たったの1年間で12法人も監査法人が増えているわけです。

なぜこのような現象が生じているのかという点については所説ありますが、最も有力だと思われるのが大手監査法人のクライアント整理による影響だという説です。各監査法人はメンバーファームの方針で、1クライアントの当たりの売上高を重視する傾向が強くなっている為、採算の良くないクライアントの契約を解除する方向で動いているという話を耳にしました。その方針に納得ができないパートナー達が、大手監査法人を退職して自ら監査法人を立ち上げ、クライアントと共に独立していくという流れが出てきているというのです。もしそれが本当なのであれば、今後、新しい監査法人の設立ラッシュを迎えるのではないかという予測をすることができます。実際のところは分かりませんが、いずれにせよ、結果としてこの1年間で監査法人数が増加傾向にあるということは間違いありません。

また、海外に比べてリスクマネーが極端に少なかった日本が、ついに積極的な姿勢にシフトしたという話もあり、IPOマーケットに対する投資がより加速することも鮮明となってきました。その際、直面するのがIPO準備企業の監査難民問題です。大手監査法人は前述の採算重視の観点からもIPO支援の業務を新規受注しなくなり、それが準大手監査法人や中堅監査法人に流れたわけですが、それでも案件を受け切れなくなってしまった為、IPO支援業務を中心に行う為に、新たな監査法人が設立されるようになったという話もよく耳にします。更には、特定分野に特化した監査法人や、会計事務所グループの1法人として監査法人が立ち上げられるようなケースもあります。

事情はそれぞれ異なりますが、以前と比べると新しい監査法人を目にする機会は各段に増えたと言っても過言ではない状況かと思います。そのことが何を意味するのかというと、公認会計士のキャリアの一つの選択として、「新規監査法人立ち上げ」であったり「仲の良い先輩や後輩が立ち上げた監査法人に参画」という選択肢が増えるということです。規模感的には中小監査法人の部類になるのかと思いますが、大手監査法人でパートナーやシニアマネージャーをしていた方々が立ち上げた監査法人であるならば、その業務クオリティは折り紙付きと言うことができ、更にはその人達と非常に近い距離で働くことで自らのスキルアップに直結するキャリア構築ができるという点も魅力的なのではないかと思います。

最後に、CPASSが注目しているいくつかの監査法人について触れたいと思います。

ESネクスト監査法人(https://es-next.jp/
EY新日本有限責任監査法人のIPO部門の方々が立ち上げた、IPO支援業務をメインに行っている監査法人です。IPOマーケットでは非常に著名な公認会計士が集っているという話で、業界内でも大変注目を浴びている監査法人です。

みのり監査法人(https://www.minori-audit.or.jp/
農業協同組合や農業協同組合連合会等に特化して監査業務やアドバイザリーを提供している唯一無二の監査法人です。このように業界特化型の監査法人は他に類を見ることはなく、独自のノウハウが蓄積した非常に面白い監査法人です。

パートナーズSG監査法人(https://partners-sg.jp/
株式会社パートナーズ・ホールディングスのグループの監査法人です。グループには、株式会社パートナーズ・コンサルティング、パートナーズ綜合税理士法人などがあり、グループとしての総合力が強みの監査法人です。

みおぎ監査法人(https://miogi.co.jp/
2019年9月に設立されたばかりの新しい監査法人ですが、既に上場クライアントの監査を行っています。大手監査法人のシニアマネージャー等を経験した30~40代の方々を中心としたメンバー構成となっており、今後の更なる成長が期待されています。

以上、簡単ですがCPASSが注目している監査法人について触れさせていただきました。もし興味をお持ちになった方は、各監査法人のホームページも確認してみてください。

こういった監査法人は、教育に時間を割くことが難しい場合が多く、定期採用による新人採用ではなく、通年採用で経験者を募集するのが一般的です。つきましては、現在、他の監査法人で働いているが環境を変えたい方、または監査法人から別の業界に飛び出したものの監査法人に戻りたいという方にマッチした職場と言えるのではないかと思います。

CPASSでは、これからも独自の視点で公認会計士の職場をご紹介させていただきます。あなたのキャリアプランに少しでもお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人

「人と繋がり、可能性を広げる場」CPASSを運営するスタッフ達です。CPASSメンバーは、20~40代まで幅広い年齢層の公認会計士達を中心に、キャリア支援のプロフェッショナルなど様々なバックグランドを持つメンバー達で構成されています。「絶対に会計人達の役に立つ情報発信する」、「CPASSにしか出せない価値を提供する」をミッションとして集まった熱いメンバー達です。CPASS独自の視点からの見解を是非、楽しんでください。

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