公開日:2021/08/28
税理士法人のマネジメントなどリーダー経験豊富な20代取締役、中村誠人(ユニヴィスグループ取締役)のキャリア!
ユニヴィスグループの取締役を務めている中村誠人さんのキャリアについてお話しいただきました。若くして税理士法人のマネジメント業務を経験されている中村さんのキャリアをぜひ参考にしてみてください。
中村誠人さんのプロフィール
中村 誠人
ユニヴィスグループ 取締役
公認会計士
1991年生まれ。富山県出身。
慶應義塾大学商学部卒業。大学3年次に公認会計士試験合格。
2014年2月に有限責任監査法人トーマツ入所、トータルサービス事業部へ配属。東証一部上場企業からベンチャー企業まで、幅広い業種・規模の企業を担当するとともに、リクルート活動において、リクルートチームのリーダーも経験。
2016年10月に都内の税理士事務所へ入社。中小企業やプロスポーツ選手の税務申告業務を経験。
2018年1月にユニヴィスグループへ入社。ベンチャー企業へのIPO支援や上場企業の開示資料作成支援に加え、ユニヴィスグループ内の税理士法人の責任者としてマネジメント業務や税務業務も担当。
中村誠人さんの略歴
2012年:公認会計士論文式試験合格。
2014年:有限責任監査法人トーマツ入所、トータルサービス事業部へ配属。
2016年:都内の税理士事務所へ入社。中小企業や個人事業主の税務業務を経験。
2018年:ユニヴィスグループ入社。同グループの取締役を務める。
01. キャリアの変遷、展望
――中村さんが会計士を目指したきっかけを教えてください。
大学の志望校探しをしていた高校生2年生の頃です。大学の学部選択は、中学高校とは違い将来の職業に直結すると思っていたので、慎重に調べていました。たまたま参考書を開いているときに、公認会計士という職業が目に入り、興味を持ちました。“会計”であればどの企業でも必要になりますし、また、何かを教えるのが好きだったので、専門家になれば教える立場として何らかの形で会社に貢献できるのではないか、という理由から公認会計士を目指すことを決意しました。
――トーマツを選んだ理由を教えてください。
トーマツではTS(トータルサービス)という部署に入りました。当時色々な法人説明会に行きましたが、最終的には、尊敬する先輩がトーマツだったこともあり、「この人について行けば間違いない」ということで選びました。通常の監査部門ではなくてTSを選んだ理由は、監査を極めたいというよりも、会計士として幅広くお客様の為になる仕事をしようと考えていました。その名の通りトータルサービスという、監査以外の仕事も幅広くでき、僕にピッタリの部署だったので、入ることを決めました。
――監査法人時代はどのように過ごしていたのでしょうか?
トーマツでの2年半は、上場企業2社、上場準備会社2社、未上場企業の会社法監査に携わりました。上場・上場準備と、全く毛色の違うジョブに関与できたのは良い経験でした。また、リクルートチームのリーダーも2年間務めたのですが、その経験が今でも活きています。マネジメントの経験として、人に仕事をお願いしなければならないことを、スタッフ1年目から経験できたのが非常に大きかったと感じています。リーダーとなると、人事部の方や他のリクルーターなどからさまざまな意見をまとめ上げて、結論を絞り出さなければいけないので、難易度の高いマネジメント業務を経験できたと思います。
――その後、税理士事務所に転職した経緯を教えてください。
TSは良い職場でしたが、監査という業務は有価証券報告書のチェックがメインで、基本的には間違えている箇所の指摘をします。一方で、クライアントが上手くいったとき(=間違いが無かった)にポジティブなフィードバックをしていないことに、違和感を覚えました。「素晴らしいですね」というのも変ですし、お客様に貢献できている感覚が少なかったので、いろいろと悩んだ末、監査法人から出る決意をしました。
自分の人生を総合的に考えたときに、やはり仕事に関わる時間は人生の大半を占めるので、「仕事をするのであれば、自分の好きなことに携わりたい」と思い、小学校からやっている“野球”に関わりたいと思いました。TSの現場責任者に相談したときに、野球選手の確定申告をサポートしている税理士事務所を紹介してもらい、実際にそちらに転職することになりました。社内の人がなぜか転職先を紹介してくれる点も、TSは面白い組織文化だなと感じました(笑)。
――税理士事務所ではではどのようなお仕事をしていたのでしょうか?
事務所ではプロ野球選手50人の確定申告を担当しました。確定申告の時期(1、2月)になると野球選手の家に行って領収書を集めたり、税金のアドバイスをしたりすることができたので、とても楽しかったです。また、中小企業の法人税、個人の税務業務等、一通り税金の仕事をすることできたので、大変勉強になりました。
ただ、野球に関わる仕事をできたのは良かったのですが、期間が1、2月に限られ、残りの10か月は野球から完全に離れた税務作業でしたので、1年のうちトータルで考えると、2か月程度しか野球選手に関われない点が悩みとしてありました。また、個人的には税務のみならず、資金調達や経営アドバイスなど様々なことに挑戦したかったのですが、代表の経営方針は税務サポートに重きを置いていたので、自分のビジョンとギャップを感じていました。
――その後、現在のユニヴィスグループに転職した経緯を教えてください。
いきなり見ず知らずの人と働くことに抵抗感があったので、転職エージェントは使わない方針で考えていました。ですので、いろいろな人に相談しまくっていました。ユニヴィスを知ったのは、知り合いの会計士の紹介がきっかけです。転職の軸としては、今もですが「自由に働かせてくれる会社が一番いい」と生意気ながらも考えていました(笑)。ユニヴィスグループの代表と直接話をして、自由度が高い企業文化を感じて入社を決めました。
最初の業務はIPO支援で、上場に関する形式的なアドバイスというより、「お悩みがあれば何でも相談に乗りますよ」というスタンスでしたので、朝から晩までクライアントに常駐して、クライアント側の従業員に近い形で支援をしていました。
その他にも、税理士法人のマネジメント業務にも携わりました。グループが拡大期のなか、代表がM&Aやコンサルティング系のサービスに注力するなかで、従来まで代表が担当していた税理士法人を誰がまとめるのか、という課題が挙がったのがきっかけです。前職で税理士事務所で働いた経験と、マネジメントの経験をやってみたいという意欲から、自分から手を挙げて業務に携わることになりました。
――マネジメントへの興味が湧いたきっかけはなんでしょうか?
これまでの人生、野球も含めて、ありがたいことにリーダー的なポジションを務めさせていただきましたが、なぜか自分がリーダーを務めたチームや組織では、チームや組織としての成果が出ていないことが多かったです。野球部でいうと、小学校~高校まで全て一回戦負けするようなチームでした。ですので、ある意味リーダーに対するコンプレックスがあり、払拭したいという思いがありました。2年間リクルートリーダーを務めた経験もあり、マネジメントは奥が深いと思っていたので、とても興味がありました。
――税理士法人のマネジメント業務について具体的に教えてください。
分かりやすい表現をすると、税理士法人の社長のようなことをしています。日々のスタッフ業務管理や、法人全体の収益管理、予算や採用まで、ほぼ全て任せてもらっていますので、日々やりがいを感じながら楽しく過ごしています。リーダーとしての経験のなかでは一番うまくいっている気がしていますね。関与する以前は、約3か月に1度くらいの頻度で退職者が出ていたのですが、自分がマネジメント業務に携わってからは退職者がゼロになったので、目に見える形として結果が出ていると思います。
-
著者の一言
中村さんは今までの苦いリーダー経験から、本来であれば敬遠してしまうような業務を請け負うことで、自分のコンプレックスと真摯に向き合っています。自ら手を挙げて、コンプレックスを克服するチャンスをつかみに行く中村さんの姿勢が、若くして活躍できる理由の1つなのかもしれません。
――今後の展望について教えてください。
ユニヴィスグループを大きくしていくことに貢献したいです。好き放題働ける環境には感謝をしていますし、おかげさまでいろいろなお客様から、紹介でたくさん仕事を頂けている状況ですので、少しでもグループの発展のために力になれたらと考えています。
自分でも不思議なのですが、当初持っていたスポーツ支援をしたいという思いはそこまでないです。たまに「なぜなのだろう」と自分でも考えるのですが、当時のマインドはお客様の属性のみにフォーカスしていたのだと思います。たしかに当時も楽しかったのですが、相手がスポーツ選手でなくても、中小企業でも上場企業でも「相手の為になっているな」と感じることができれば仕事の充実度は高くやりがいを感じることができると思います。ですので、変にスポーツにこだわらず、何を貢献できるか、というのが仕事に対する僕の一番の思いです。
02. 仕事する上で大事にしていること(仕事論)
――仕事する上で大事にしていることについて3つ教えてください。
(1)人としてのマナーを大事にする
挨拶、感謝、謝罪等、人として当たり前のことしっかるやることがまずは基本だと考えています。仕事は、できる・できない以前に、人と人との間でやることなので、人として嫌われたら、どんなに仕事ができても長続きしないと思います。特に会計士の仕事は、監査もIPO支援も税務も、比較的長期的な関係性になりやすいので、まずは人として嫌われるようなことは絶対に行わない。これは鉄則だと思います。
(2)5秒で良いので相手のことを想像する
特に会計士は忙しい方が多いと思いますが、大前提として仕事はそもそもお客様の為にやることなので、相手のことを想像することが不可欠だと考えています。「この仕事に関してどこまでの情報を知っているのか?」、「同じような業務をやったことがあるか?」、「なぜこの仕事をお願いしているのだろうか?」など、相手のことを少しでも考えるだけで、仕事のクオリティは大きく変わってくると思います。
(3)自分の仕事の見せ方を大事にする
これが今一番意識していることです。限られた時間で、自分の最終成果物を相手にしっかり伝えることは仕事の重要な要素の1つだと考えています。特に会計士の仕事では資料作成が多いですが、お客様に対して「できました」と報告するのではなく、「終わりました。資料のうち、〇〇のところが少し不安なので、確認をお願いできたら幸いです」など、更に一言二言付け加えることで、受け取り方に対する印象が変わってくると思います。仕事は最後に「相手に評価される」というものが必ずあります。その評価は、ほとんどが相手の気持ちや相手が想定しているクオリティ等と比べた相対評価ですので、同じ内容の仕事を終えたとしても、どちらの伝え方をするかで、見え方や評価が大きく変わってくると思います。
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著者の一言
中村さんの仕事論は3つとも“相手を思いやる心”から来ています。会計士という職業は、想像以上に人とのコミュニケーションが重要です。一工夫二工夫できる会計士が、“デキる会計士”とそうでない会計士の差なのかもしれません。
03. 会計士という資格を取って良かったこと
――中村さんがさまざまな経験をされてきた中で、公認会計士で良かったなと感じることを教えてください。
(1)攻めと守りの武器を同時に手に入れられる
会計士という1つの資格で、攻めと守りで自分に合うポジションを選択できるのが魅力的だと思います。攻めとは、資金調達・M&A・IPOなどの経営の攻めの分野、守りとは、監査・経理などの業務です。さらに、攻めと守りの両方に触れることもできるので、その経験も大きな武器になると思います。
(2)年齢に関係なく会社のマネジメント層に会える
今自分は20代ですが、会計士という資格があるからこそ、上場企業の役員や中小企業の社長などとコミュニケーションをすることができています。また若い自分がそのような先輩経営者と一緒に仕事ができるのは貴重な経験だと思います。仕事の進め方一つにしても、一担当者と話すのか、意思決定権限を持つ人と話せるかどうかで、進み具合も変わってくるので、そのような方と直接話せるところも大きいと感じています。
(3)人とのつながりは無限大
会計士同士の繋がりも当然ありますが、最近は“横の繋がり”も感じています。
例えば、1つのクライアントに良いサービスを提供すると、どの業界も業界内の繋がりが強いので、「同じ業界で知り合いが経営している会社も支援してもらえませんか?」等とご紹介いただけることが増えてきました。“会計”はどの業界でも必要なので、横断的に繋がっていくと、人とのつながりは無限大だと思います。
ユニヴィスグループのWEBサイトはこちら
ユニヴィスグループ (univis.co.jp)
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