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公開日:2021/09/11

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監査法人・ベンチャーを経て、独立を果たし活躍する岩波竜太郎のキャリア!!

大手監査法人⇒スタートアップ⇒独立開業というキャリアを歩まれている岩波さんにお話いただきました。金融や海外赴任を経て、独立開業をされ、社外役員就任やMBAも取得されている岩波さんのキャリアの変遷をぜひ参考にしてみてください!

     

    岩波竜太郎さんのプロフィール

    岩波 竜太郎
    岩波公認会計士事務所 代表
    アイプラスアドバイザリー株式会社 代表取締役社長
    株式会社Orchestra Holdings 社外監査役
    一橋大学大学院経営管理研究科修士課程修了
    公認会計士・税理士・全国英語通訳案内士

    2000年に公認会計士試験に合格後、監査法人太田昭和センチュリー(現EY新日本有限責任監査法人)に入所。主としてグローバルで展開する金融グループの監査に従事。2007年から2008年にかけてはNYでの海外事務所勤務を経験。帰国後はマネージャー・シニアマネージャーとして、国内外に展開する監査チームを統括。

    その後、ベンチャー企業へ転職し、執行役員・管理本部長として事業会社側でも多様な経験を積み、2015年5月に岩波公認会計士事務所を設立し独立。2016年10月にはアイプラスアドバイザリー株式会社も設立。金融・非金融、海外・国内業務という枠に縛られない幅広い守備範囲をもとに、主として財務会計・管理会計・経営に関するアドバイザリー業務を展開している。

    株式会社Orchestra Holdings(東証一部・6533)社外監査役、一橋大学大学院経営管理研究科修士課程修了。

    岩波竜太郎さんの略歴

    2000年:公認会計士試験論文式試験合格。
    2000年:監査法人太田昭和センチュリー(現EY新日本有限責任監査法人)に入所。
    2007年:ニューヨーク駐在。
    2014年:ベンチャー企業へ転職。執行役員・管理本部長就任。
    2015年:岩波公認会計士事務所設立。
    2016年:アイプラスアドバイザリー株式会社設立。
    2016年:株式会社Orchestra Holdings 社外監査役就任。

    01. キャリアの変遷、展望

    ――岩波さんが会計士を目指したきっかけを教えてください。

    文系でも数字を扱うことができて、かつ実学を学ぶこともできる会計士という資格に興味を持ったからです。

    元々、数学が好きだったこともあり、理系に進んだのですが、大学1~2年次に受講した一般教養の授業で、理系に限らず、文系でも数学を使う分野があることを知りました。それが経済学でした。

    経済学は、数字を扱うこともできるし、より実学的で面白いと感じていたため、次第に経済学部にシフトしたいと考えるようになりました。
    そんな中、理系での将来の進路にも悩んでいた時期に会計士という資格があることを知り、試験科目も経済学(当時は簿記や原価計算は経済学という括り)で、お給料も比較的良いことから、目指す価値があると考え、会計士資格取得に向けて舵を切りました。

    ――会計士試験はどうでしたか?

    相当苦労しましたね(笑)。

    会計士試験は、計算科目が多いと思って始めたものの、実際は記述系の科目も多いですよね。

    自分には記述系の試験の経験がそれまで全然無かったですし、国語も大の苦手でした。それらを克服するためにかなり苦労しました。

    そのため、なかなか試験を突破することができず、3回目でやっと合格できました。

    ――途中で勉強から離れた時期もあったと伺っています。

    おっしゃる通り、勉強から離れた時期がありました(笑)。

    1回目は試験に向けた準備を十分にできていなかったため、「短答すら合格できずに論文へは進めないのではないかな」と思っていました。ところが、運よく短答を突破できたため、逆に「これなら2回目で受かるな」という感触を持っていました。

    2回目の受験時に上述の通り「2回目で受かるだろう」という感覚で勉強を進めていたところ、まさかの短答式試験で足をすくわれてしまいました。非常にショックを受けました。人生最大の落ち込みを経験し、とてもじゃないけれど勉強する気になれなくなってしまったんです(笑)。

    しばらくは遊びまわっていましたが、「やっぱり3回目も受けなきゃいけない」という思いが強まり、再チャレンジを決意しました。しかし、親にこれ以上迷惑をかけられなかったため、3回目は自分の貯めたバイト代で受験すべく、短答に落ちた後4、5ヶ月アルバイトしました。その後猛勉強をして、3回目で何とか合格できました。

    ――新日本監査法人に入所して、国際部を選択した理由について教えてください。

    数多くいる会計士の中で、他の会計士と差別化できる武器が欲しかったからです。

    監査法人はほとんどが会計士で構成されている特殊な組織ですので、その中で自分をどう差別化するかを入所前に考えていました。

    その結果、英語を話せるようになることで差別化したかったですし、響きも格好いいこともあり、国際部を選択しました。

    ――法人内の組織再編により、金融部の配属になったと伺っています。その経緯について教えてください。

    国際部に配属になって1年目は事業系の会社をメインに担当していましたが、2年目から金融系のアサインにも携わるようになりました。金融系のクライアントでの経験を踏まえて、金融領域での差別化も一興だなと思い始めていたところ、組織再編が行われました。

    組織再編前は、国際部に居ながら金融系・事業系双方のクライアントにも携われたのですが、再編後は国際部なら事業会社系のみ、金融部なら金融系のみになってしまったため、どちらの業種に携わりたいかの選択を迫られることになったのです。

    悩んだ結果、金融系でやっていきたいという気持ちが強かったため、金融部を選択しました。

    ――金融部時代の仕事内容について教えてください。

    金融部の中でも、主に証券会社や投資銀行のクライアントをメインに持つグループに所属していました。

    金融部は大きく、証券会社や投資銀行系、普通の銀行系、保険系といった3つの括りに分けられますが、特に証券会社や投資銀行系のクライアントは、グローバル展開している金融機関が多く、それらの会社の監査を担当していました。

    ――マネージャーに昇進したタイミングで海外赴任されたのですよね。

    そうですね。マネージャーに昇進できたのは8年目のことでした。

    その昇格した2007年にニューヨークへ海外赴任をさせていただきました。当時は、手を挙げれば希望者は海外に行けたため、英語が堪能ではないものの海外赴任をさせていただき、もちろん最初は苦労したものの、とても貴重な経験ができました。

    ――海外へ行ってみて、どのようなことを得られたのか、どのような経験が良かったのか教えてください。

    まず、自分の国の言葉で仕事ができないという経験は、日本にずっと居たらできない経験だと思います。それこそ、起きてから寝るまで1日中英語しかしゃべらない日もありました。

    次に、仕事の多様性を学べたことも良い経験でした。

    たとえば、監査手続の1つをとっても海外のパートナーを説得することは難しかったです。私の成果物に対してなかなかOKを出してくれませんし、本当に納得しないとサインしてくれないのです。

    この経験は、いかに相手が納得するように説明できるかという意味での訓練になりました。難易度が高かったものの、非常に貴重で良い経験でした。

    ――監査チームのメンバーがいつの間にかクビになってしまっていたというお話も伺いました。

    その通りです。私自身は日本からの派遣だったのでクビになるということはありませんでしたが、緊張感はありましたね(笑)。

    同じ監査チームで働いていたはずの方がある朝、仕事を頼もうと思ったら居なかったんです。「〇〇さんはどうしたの?」と聞いたところ、「レイオフ(解雇)されました。」という返答が(笑)。

    日本では生じえないことでしたので、本当に驚きました。

    ――帰国後は金融部に復帰されていますが、どのようなことに取り組んでいましたか?

    日本の国内のチームを監督しつつ、いかにグローバルに監査を進めていくかの舵取りをしていました。マネージャーからシニアマネージャーにあがるにつれ、グローバルの比重が増していきました。

    グローバル監査の舵取りにおいては、日本に赴任している外国人の方々と協力しながら、チームを運営していく経験をさせていただきました。

    専門的な仕事もこなしつつ、よりマネジメント的な仕事が増えていった感覚です。

     

    ――監査法人でパートナーを目指すのではなく、180度舵を切って、スタートアップベンチャーに飛び込んだ経緯や思いを教えてください。

    金融系の仕事をしていくうえで、当初の目標だった監査法人内での差別化はある程度達成できた感触がありました。しかし、金融系の監査はかなりニッチな所を攻めており、経験に偏りがあるように感じていました。

    特に、私の場合、関与していたチームで、普通の事業会社では出てこないようなトレーディング商品などの金融商品をメインの論点として扱っていたので、かなり偏りがありました。

    たとえば、普通の事業会社の監査で出てくるような売上や税金などのベーシックな勘定はほぼ出てこないんですよね。会計士としてニッチなところを攻めて、その領域でパートナーになるという選択肢に対して、“本当に自分がやりたいことか?”という疑問がありました。
    その疑問を抱えつつも、監査法人は居心地が良かったため、気付いたらシニアマネージャーまで昇格してしまっていたんです(笑)。

    いよいよパートナーが見えてきた段階で、“本当に自分がやりたいこと”を決めなければならないなと考えました。その結果、“会計士として金融だけではなくて、もっと幅広いことをやりたい!”という思いの方がどちらかというと強かったことに気付きました。

    しかし、今までニッチな領域を攻めてきてしまったからこそ、ガラガラポンして全てを変えるような選択をしないと新しいものが得られないのではないかという思いもあり、結果的に出した答えがベンチャーに移るというもので、それが幅広いことをやれる会計士になるための一番の近道だと考えました。

    ――転職の場合、投資銀行や証券会社が王道だと思うのですが、岩波さんの場合は、「再生エネルギー」のベンチャーですよね。本当に180度真逆の舵取りですね。

    ものすごく勇気のいる選択でした。

    収入面でも監査法人と比べると下がってしまう選択だったため、妻からもだいぶ怒られて、家庭内も険悪になりました(笑)。

    ――管理本部長としてベンチャーにジョインした感想はいかがでしたか?

    絵に描いたようなハードワークでした(笑)。

    一般的な管理本部長は、財務・経理に加えて人事・総務・労務・法務あたりをカバーするイメージですよね。その分野は勿論カバーしていましたが、ベンチャーは人が足りないので、その他の営業やプロジェクトの推進などもこなしていました。
    まさしく1人何役もやらなきゃいけないという状況です。

    プロジェクト推進の際のひどい時だと、朝5時の飛行機で羽田から九州に飛んで、夜の便で九州から帰ってきて、帰ってきた後はその案件とは関係ない管理本部の仕事をする、といった滅茶苦茶なこともありました(笑)。

    ――そこで得られた経験というのはやはり大きかったですか?

    今までとは全然違った思考を得られたことが大きいと感じています。

    監査法人ではどうしても監査人という職業柄、“過去の数字”をチェックする仕事がメインになります。一方で、ベンチャーでは、もちろん経理だったり、税務だったり過去の数字を重視する仕事もありますが、それよりも資金調達などの“将来の数字”を見せて、いかに資金を引っ張ってこられるかの仕事の方が重要となります。

    管理本部長で入ったベンチャーには、CFOのポジションにVC出身の方がいました。その方の財務の数字の作り方やスライドの作り方、見せ方で相手をあっと言わせるテクニックなど数々の手腕から学べたことは、自分の中ですごく大きかったです。

    これらは、監査法人に居続けていたら得ることのできない経験だったと思います。過去思考ではなく、未来志向。独立した今でもこの思考を持てたことが良かったと感じています。

    ――その後の独立に至った経緯を教えてください。

    正直、最初は独立しようとは考えていませんでした。自然な流れで独立という形に落ち着いたイメージです。

    ベンチャーが中々上手くいかないなと考えていた時に、たまたま監査法人時代の同僚と飲みに行きました。そこで、冗談半分で「独立しようかな」と言ったところ、「うちの会社手伝ってくれない?」と誘ってもらいました。

    独立したら営業して仕事を貰うなど、1から自分でやらなきゃいけないイメージを持っていたのですが、営業のフローをすっ飛ばして最初から仕事を頂けるのであれば、独立というチャレンジもいいなと感じました。その日から、独立という選択肢が私の中で急浮上したんですよね。

    この他にも同じような話を1件頂けたため、“独立しても仕事が既に2件あるなら、チャレンジしてみよう!”と思い立ち、2015年に独立しました。その結果、あれよあれよと6年が経過していました。

    私の場合、ベンチャーを経由していなければ、スキルが偏っていていきなり独立はできなかったと思いますので、監査法人からベンチャーを経るステップが独立にとって必要だったと思います。

    ――独立後、今はどのようなことをされていますか?

    アドバイザリー系の仕事が多いです。

    財務会計系でいうと、IFRS導入支援、新収益認識基準の導入、決算支援など、管理会計系ですと、予算作成や管理会計の仕組みの導入支援などです。

    経営アドバイザリー的なものですと、月1回会議に出席して意見を言うといったこともやっています。

    また、独立後、最初に声をかけてくれた知人の会社が順調に東証マザーズに上場して、一部上場への鞍替えも達成し、その会社の社外監査役も務めさせていただいています。元はその会社にコンサルタントとして入っていたのですが、上場するにあたって、社外役員が必要になり呼んでいただきました。

    本当に幅広く仕事をさせてもらっています。

    ――案件をどのように獲得されているのか教えてください。

    案件は、元請けのケースと下請けのケース双方あります。

    元請けの場合は、監査法人やベンチャー時代の繋がりから案件を頂くことが多いです。

    下請けの場合は、独立してからお付き合いさせていただくようになったみのり会計様をはじめ、いくつかの会計事務所様からも案件をいただいており、おかげさまで独立してからも誰もが知るような有名企業のお仕事に携わることもできています。

    ――独立後のライフワークバランスについて教えてください。

    かなり改善されました(笑)。今思えば、監査法人時代もベンチャー時代も、深夜残業が当たり前のような猛烈な働き方をしていました。

    独立してからは、そのような無理な働き方はやめようと考えていることもあって、無理なく働けて収入的にも減るわけでもなく、充実した日々を過ごしています。

    ライフワークバランス改善の効果を一番実感できたのは、MBAを取れたことです。監査法人やベンチャーに居たら恐らく時間的に取ることができなかったと思います。独立したことによって時間のマネジメントがしやすくなり、勉強する時間を捻出できた結果、MBAを取得できました。

    ――独立してうまく経営できている要因は何でしょうか?

    1つ1つの積み重ねだと思います。目の前の仕事を着実に積み上げて信頼を得ていく、その積み重ねに尽きると考えています。それがまた次の仕事に繋がっていきます。

    丁寧に仕事をすることが、一番の営業活動なのではないでしょうか。
    いわゆる外回りの「営業活動」とは違いますが、結局、新しいお仕事を頂く一番の近道なのだと感じています。

    ――今後のビジョンについて教えてください。

    独立して6年ちょっと経過しましたが、今までは完全にワンオペでやってきました。

    誰かを雇うかどうかは考えどころです。誰かを雇うことで得られるものがあるということは分かっているものの、現状うまく回っているので中々踏み出せない自分がいます。

    そのあたりをどう取り組んでいくかというのが課題だと考えています。

    ――これからやってみたいと思っていることはありますか?

    例えば、シェアオフィス事業や英語能力を活かしたもの、若い世代の育成などです。

    会計にこだわるつもりはあまりないと思っているものの、現状はいわゆる会計士的な業務を中心に行っているので、上記のような新たな仕事をしてみたいと思っています。

    まず、会計士になってネットワークはすごく大事だと感じました。ネットワークを作る場として、たとえばシェアオフィス事業は面白いかなと考えています。シェアオフィス事業で広がったネットワークから、もしかしたら会計士業務への良い影響もあるかもしれません。

    また、海外へ行っていた経験や通訳案内士資格を生かして、英語をもっとカジュアルな場で使っていきたいという気持ちがあります。それこそ会計士という資格や枠にこだわらずに柔軟に何かを広げていけたらなと考えています。

    最後に、これまでの自分がしてきた経験を若手に伝えていくこともやっていきたいです。例えば、大学や高校で教えたり、講演として自分の経験を伝えたり、何かしらの形で社会貢献したいなと思っています。

    ――今までのご経歴がすべて繋がってきたみたいなイメージですね。

    全然想定していなかった選択肢が結果として繋がるところが本当に面白いと感じています。もし、独立していなかった場合、途絶えてしまっていたかもしれない色々なご縁が、独立したことによって繋がっていき、それがまたどんどん広がっていく、という感覚が非常に面白いです。

    02. 仕事する上で大事にしていること(仕事論)

    ――仕事する上で大事にしていることを教えてください。

    大きく2つありまして、(1)目の前のことを一生懸命やること、(2)向上心を持つことです。

    (1)目の前のことを一生懸命やること

    シンプルかもしれませんが、私が1番大切にしていることです。目の前のことを一生懸命やることで、実力がもちろんつくと同時に、関わる方々からの信頼を勝ち取ることもできます。独立したからこそ、その大切さを実感することが多いです。

    たとえば、独立後お仕事を下さる方々は、監査法人時代の知人や、ベンチャーに居た時の知人が多いです。経営アドバイザリーや社外役員、税務業務など幅広いお仕事の依頼を頂いています。

    これは、監査法人やベンチャーに居た時に一生懸命働いていた姿を皆さんが見てくださっていたからこその賜物だと感じています。働いている自分の姿は見られていないようで、意外と見てくださっている方がたくさんいるものです。

    また、独立当初は基本的に金融系や英語を使う類の仕事に携わることはもうないと思っていたものの、独立後も金融機関のIFRS導入支援の仕事もさせていただきましたし、海外出張を伴うお仕事とのご縁もありました。

    独立してからは、もうこれは使わないだろうと思っていた経験が後から役に立つ、というようなことが頻繁に起きますね。もし、目の前のことを一生懸命積み上げてきていなかったとしたら、“あっ!これはあの時のアレだな”という形での応用は効かなかったと思います。

    とにかく自分の目の前にあることを一生懸命やることで色々なご縁に繋がり、想定していなかったものまで後々どんどん繋がってくる、これが本当に面白いところです。

    (2)向上心を持つこと

    私はこれまで所属してきた組織でそれぞれ目標を掲げていました。

    監査法人に入った時は「他者と差別化する武器を身に付ける」です。当初は国際部に入ったものの、その後金融部にシフトしたのは、差別化したいという思いがあったからこその選択でした。

    ベンチャーの時は、「今のままの自分は駄目で何かを大きく変えなきゃいけない」という強い思いがあったため、茨のベンチャー道を歩いて行けました。

    独立してからも、独立したということに安住するのではなくて、“いかに自分のスキルを高めていくか”を意識しています。監査法人やベンチャーで身に付けたスキルを食いつぶしていくのではなく、自分もどんどん進化していかなきゃいけないという気持ちを保てたからこそ、MBAを取ることができました。

    上述の通り、“向上していこう”という気持ちがこれまで積み上げた成果の原動力になりました。

    03. 公認会計士になって良かったこと

    ――公認会計士になって良かったことを教えてください。

    こちらも2点あります。(1)選択肢の幅が広いこと、(2)色々な経験ができたことです。

    (1)選択肢の幅が広いこと

    独立する・しないに関係なく選択肢の幅がかなり広いことが会計士になってよかったと感じる点です。

    監査法人にいたとしても、監査を中心に大企業を中心に担当する方もいれば、ベンチャー・IPOを中心に担当する方、アドバイザリー中心にやっていく方など、様々な選択肢があって、自分の選べる範囲がものすごく広いことが会計士業界の良いところです。

    監査法人の外に出たとしても、例えばベンチャーのCFOになって上場を目指していく選択肢もあれば、独立という選択肢もあります。独立は本来なら難しいことのはずですが、会計士という資格があれば比較的独立しやすいですよね。

    女性を見ていても、子育てをしながら社外役員を週2~3回、という方も多くいらっしゃいます。働き方のモデルを数えればきりが無く、様々なオプションがあるからこそ、進みたい方向に行きやすいと思います。さらには、給料面でも待遇が良いことに加えて、会計士業界は割と出戻りが許される業界ですので、色々なチャレンジができます。本当に至れり尽くせりですよね(笑)。

    (2)色々な経験ができたこと

    監査法人時代は、手を挙げたことで海外に行かせてもらいましたが、一般の事業会社では、手を挙げて海外に行きたいですと希望を出しても実現可能性は相当低いです。

    また、国際部から金融部に異動したことで、事業会社だけでなく金融業界を知ることもできました。その後にベンチャーへ転職して、会社の外からではなく、中に入ってみるという経験もさせてもらえました。

    外からも中からも多種多様な業種・規模の会社を見られることは、会計士冥利に尽きますね。人生と言うと極端になってしまうかもしれませんが、私のキャリアは会計士のおかげで豊かなものになったと断言できます。

    04. 岩波竜太郎さんが若手会計士に伝えたいこと

    ――若手会計士の皆さんに向けてメッセージをお願いします。

    “若い時の経験は買ってでもしなさい”という言葉がありますが、正にそうだと思っています。

    無謀にも監査法人時代に英語を大してできないにも関わらず、海外赴任にいかせてもらった経験から語れることは、“ちょっと自分には無理かな”位のところを攻めていくことが大切だということです。

    この経験を積むことで、自分のできることが少しずつ広がっていきます。無理なチャレンジかもしれない、という攻めの姿勢を持ち続けられれば、輝かしい将来に繋がっていきます。ぜひ色々なことに興味・関心を持ちながら面白がってやってみてください。


    岩波公認会計士事務所のWEBサイトはこちら
    https://iwanami-cpa.com/company/

     

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