人と繋がり、可能性を広げる場

公開日:2021/10/02

  • 100人のロールモデル
  • CFO
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  • 女性の働き方

経営者、デザイナー、テキーラバー経営、ヨガ講師と多彩な分野で活躍する中村友香のキャリア!

今回のロールモデルは、ご自身でアパレルの会社を起業し、その他にもメディア事業会社のマネジメント、テキーラバーの経営、セルフメンテナンス協会と多様な活動をして、いきいき活躍している中村友香さんです。中村さんの会計士の枠にとらわれない生き方はキャリアの1つのヒントになると思いますので、ぜひご覧ください。

    中村友香さんのプロフィール

    中村 友香
    NPO法人 日本セルフメンテナンス協会    発起人/理事
    yucasii TOKYO   Founder/Designer
    プレミアムテキーラバーAGAVERIA  Founder
    ㈱ジーリーメディアグループ 取締役

    1983年神奈川県生まれ。
    経営者。アーティスト。テキーラソムリエ。ヨガ講師。意識変容コーチ。
    慶應義塾大学在学中公認会計士2次試験合格後、監査法人トーマツにて中小企業の支援や監査を経験した後に、ベンチャー企業にて事業立ち上げや経営支援、事業再生に携わる。
    左脳だけでは語れない右脳のパワー、人間が本来持つ計り知れない創造力を強く意識するようになり、現在は、複数社を経営する傍ら、毎朝ヨガの配信、プレミアムテキーラバーAGAVERIA、yucasii tokyo名義でのアーティスト活動、YouTube「ゆかしい セルフメンテナンス研究」などを通して、人生を楽しみきるキッカケを提供している。
    モットーは「人生は一度きり」。
    15年間に渡り企業経営を行う中で、会社の業績=経営の能力のみならず身体、精神(心・メンタル)、マインド(思考)の状態が影響すると考えるようになる。
    また、働き過ぎやストレスにより自身が体調を崩した経験からセルフメンテナンスを幅広く学び実践。
    全米ヨガアライアンスRYT200修了、陰ヨガTT修了、シニアヨガTT修了、リストラティブヨガTT修了、アイアンガーヨガ、導引術、古武術、断食(ファスティング)、整体術、東洋医学、温熱療法、アーユルヴェーダ、呼吸法、瞑想法など。
    自らが「行動」「チャレンジ」をできなかった苦い過去の経験から、組織メンバーの意識変容・行動変容を促すコーチングも提供中。

    中村友香さんの略歴

    2005年:公認会計士試験論文式試験合格。
    2005年:監査法人トーマツ(現・有限責任監査法人トーマツ)静岡事務所 入社。
    2009年:株式会社VENEX 入社。
    2014年:yucasii TOKYO 創業。Designer 兼任。
    2014年:ジーリーメディアグループ COO兼CFO 就任。
    2017年:プレミアムテキーラバーAGAVERIA 創業。
    2019年:日本セルフメンテナンス協会 設立。発起人 / 理事を務める。

    01. キャリアの変遷、展望

    ――中村さんが会計士を目指したきっかけを教えてください。

    大きく2つあります。

    まず、数学が得意だったことです。美術や芸術が好きだったのでその分野に行きたい気持ちもありましたが、両親や高校の先生から得意な分野に進んだ方が良いと勧められ、女性でも手に職をつければいくつになっても働くことができると考え、会計士の資格を目指そうと思いました。

    もう1つは、親が自営業だったこともあり、中小企業の経営者の助けになりたいという想いが人一倍強かったことも会計士を目指したきっかけになっています。

    ――試験合格後、就職先はトーマツの静岡事務所を選択しましたね。大手の中の地方事務所を敢えて選んだのはなぜですか?

    私の中でやりたいことが監査業務ではなく、経営者のサポートだったからです。

    当時、東京に住んでいたため四大監査法人の説明会は全て参加し、職員の方にやりがいや楽しいと感じていることが何かを訪ねて周りました。

    話を聞いていく中で、やはり私は会社に寄り添い経営者のサポートをしたいという気持ちが強いことが分かりました。特に小さい会社の中身など、色々なことを知りたいと考えていました。

    そんな時にトーマツに、トーマツベンチャーサポートの前身となる静岡ベンチャーサポート(SVS)が立ち上がったことを知り、小さい会社を助けたいという自分のやりたいことにマッチすると感じて静岡事務所を選びました。

    結果的に、静岡事務所ではたくさんの機会に恵まれ、様々な経験を積むことができたので、本当に良い選択をしたなと感じています。

    ――トーマツ静岡事務所での具体的な業務について教えてください。

    まず、東京事務所とは違って小さい会社が多かったため、決算期もばらばらで常に色々な業務がありました。具体的には、IPO支援を含めたベンチャーサポートや内部統制の構築など、会社の中に入って一緒に作り上げていくような仕事です。今では一部の業務は独立性の観点から禁止されていますよね(笑)。

    あとは、会社法監査や金商法監査にももちろん携わっており、総合的に幅広いジャンル、幅広い業務を縦横無尽にやらせていただきました。

    ――IPO支援を含めたベンチャーサポートとは具体的にはどのようなことをしていたのですか?

    会社の方とコミュニケーションをとって進めていく業務が多かったです。

    具体例を挙げると、利益をもっと出すための価格戦略や事業戦略について議論したり、無駄なプロセスのシステム化やコストの圧縮化に対する助言だったり、不正に繋がりそうな箇所についての指摘だったり、です。

    総括して、事業戦略や経営戦略に会計士ながら携わることができたので、変わったことをやらせていただいていた印象です。

    ――内部統制の構築の具体的な内容について教えてください。

    会社の方にヒアリングした事項をまとめて、必要な仕組みを提案し、サポートするイメージです。具体的には、どのプロセスの次にどのプロセスがあるのかをヒアリングした結果、「○○というプロセスが抜けているからこのままでは統制が利かないですよね」という箇所を見つけて、解決策となるシステムの導入や証憑の作成などをフローにまとめていくような仕事です。

    ――経験できた監査業務についても教えてください。

    地方事務所では、人も少ないし会社も小さいため1年目から様々な勘定科目を見ることができました。3~4年在籍すればその会社の全ての勘定科目を網羅できるイメージです。

    東京事務所で働いていた同僚から聞く限りですと、東京事務所では1つの勘定科目をずっとチェックしているとのことでした。それと比較すると、地方事務所では、ビジネスモデル毎にどのようなプロセスによって数字が積みあがっていくのかをよくイメージしやすかったと思います。つまり、監査業務を通じて、会社経営のプロセスと数字の繋がりが理解しやすくなるので、地方事務所はとってもお勧めです(笑)!

    ――中村さんが担当した監査クライアントの業種も多様だったそうですね。

    漫画喫茶、温泉事業、メーカー、商社、銀行、学校など、サービス業にとどまらず小売業や卸売業などその他にもかなり色々な業種を担当させていただきました。

    中規模の会社が多いからこそ、より多くの会社のビジネスモデルを学ぶことができましたね。この経験は今にも活きている私の財産です。

    ――早くから色々な経験を積みたい就活生にとって、大手の地方事務所に行くか中堅・準大手に行くかは悩みどころになっています。中村さんの思う両者の違いを教えてください。

    もちろん大手の地方事務所へ行くことを決めたのはフィーリングが一番ですが、その他で私が意識していたのは、教育体制や研修の体制、経歴へのブランド力です。

    その点、大手の地方事務所なら大手の上述したメリットも享受しながら、地方にいくことで中堅・準大手で経験できる様々な業務もやれるという、両者の良いとこ取りをしたような感覚です。

    ――4年ほどトーマツに在籍してから2009年にスタートアップにジョインしましたね。その経緯について教えてください。

    会計士の立場としては、ぎりぎりまで中を改善しようとして、経営者に寄り添うような仕事ができましたが、もっともっと中に入りこんでサポートするには、その会社にジョインする必要があると感じました。そもそも会計士として受け取っていた数字はプロセスの結果でしかなく、私自身はそのプロセスを作る所から見たかったんです。

    ――ジョインしたVENEXで得た経験を教えてください。

    VENEXはスポーツ系のアパレル会社です。入社当時は、会計知識を使ってコンサルっぽいことをしようと考えていましたが、すぐに撃沈しました(笑)。

    人も手も足りていないスタートアップでしたので、「数字引っ掻き回している余裕があるなら1枚でも多く売ってこい」と言われてしまうような環境だったんです(笑)。損益分岐点などの会計的なことを説明しても、「それは分かった。じゃあその数字がどうすればよくなるのかを実際に改善してみて欲しい。」という回答が返ってくるような状況です。確かにその通りですので、自分で何とかしようと試みるものの、正直何をすればよいか分からず、本を読んだり、人に聞いたりして、がむしゃらに動きました。

    広報や営業、内部統制の構築、資金調達、人には言えないような雑務まで全部を必死にやりました。とにかく皆の仲間になりたかったんです。

     

    ――VENEX在籍5年の間に売上が当初より20倍以上に増えたと伺っています。

    そうですね。でも、もちろん私だけの力ではないです(笑)。

    やればやるだけ結果が出て、チームワークも発揮できるようになり、やりがいがめちゃくちゃありました。それこそ、お風呂とトイレ以外はずっと仕事のことを考えていたような5年間でした。メンバーはそれぞれ素晴らしい方たちでしたが、もちろん足りない部分はあって、そこを補完できたため、自分がパーツとして組織にはまった感覚がありましたね。

    ――監査法人から転職した際は、給料が約1/4まで下がり、結果を出してからは監査法人以上の水準になったと伺っています。最初、給料が下がるとなった時、気になりませんでしたか?

    生活にもし困った場合は、最悪、監査法人に戻ればいいやと思えたことが大きいです。

    そもそも、会計士として自分がトーマツで学んだことをそのまま活かせるのだったら同じ給料をもらう転職も可能だと思います。しかし、ベンチャーに入るということは、営業や広報など自分にとって初めてな仕事ばかりなため、給料をたくさん頂くというよりも、むしろ学び吸収しなきゃいけないという感覚でした。会計士の枠を超えて働きたいと考えていたので、“給料下がってもいいから経験を積みたい”という思いが強かったんです。

    ――いわゆるハードワークをしていたなかで、とある事件が起こってしまったと伺っています。どのような事件だったのですか?

    ある日突然、首に腫瘍ができてしまったんです。

    その腫瘍がきっかけで人生最大の2択を迫られることになります。
    手術して腫瘍を摘出する代わりに顔面麻痺が後遺症として残るか、手術せず摘出しない場合は癌になって死んでしまうか、の2択です。

    正直、頭が真っ白になりました。「このままの人生で良いのか?」、「本当にやりたかったことってなんだっけ?」、など色々と人生について考えました。そんな時、得意じゃないかもしれない、うまく行かないかもしれない、という理由で芸術の道を断念していたことが頭をよぎり、それをやりたいという気持ちが沸々と湧き出てきたんです。

    だからこそ、顔面麻痺が残ったとしても生きていく方が大切だと考え、手術することを決意しました。その結果、奇跡的に顔面麻痺の後遺症は残らなかったんです!まさしく、私にとって第2の人生の始まりです。

    ――死を意識したなかで、残りの人生を悔いなく生きたいという気持ちが強くなったのですね。

    本当は美大に行きたかったし、絵を描くことなどのアートに関する活動が好きでした。そこで、「失敗するから辞めておいた方が良い」と皆に言われましたが、ファッションという業界にデザイナーとして入ることを決意しました。

    機能性も何もついていない、単に可愛いかどうかで全てが決まる洋服アパレルの道に踏み出すことを決め、yucasii TOKYOをオーナー兼デザイナーとして立ち上げました。

    ――監査法人からスタートアップを経験してからのデザイナーへの転身だと思います。これだけベンチャーの支援をしてきたなかで、自分が起業して上手くいかなかったらどうしようという怖さはありましたか?

    とても怖かったです。
    正直、腫瘍ができていなかったら踏み出せていないと思います(笑)。

    今まで偉そうに人に指導してきたのに、自分が実際にやってみたら失敗でしたとなったら恥ずかしいなと感じてしまっていたので、踏み出しきれませんでした。

    しかし、腫瘍の経験から“どうせ来年死んでしまうのかもしれないなら恥ずかしくてもやりたいことをやった方がいいや”と腹を括ることができました。

    今までは会計士としてロジカルな仕事をこなしてきましたが、そこからはデザイナーとして直感とセンスに任せる仕事へシフトすることになりました。まさしく、超左脳を全て捨てて超右脳での活動のスタートを切ったわけです(笑)。

    ――デザイナーの経験が無かったため、大変なことも多かったと思います。どのように乗り越えてきたのですか?

    本当に皆さんに助けられて乗り越えてきました

    服を形にしてくれる方や生地を作ってくれる方、ブランディングを手伝ってくれる方がジョインしてくださりました。

    喧々諤々の日々で、服を作る上でのアパレル業界の常識があったとしても、“ここだけは譲れない”という意見を私は大事にしていたので、メンバーとぶつかることが多かったです。本当に挫折の連続でした(笑)。そんな私の言うわがままをメンバーの助けがあり、何とか形にしていくことができました。

    小ロットでの縫製で考えていたので、引き受けてくれる工場を探すのにも一苦労でした。

    様々な工場に何度も断られながら、とにかく「お願いします」と頭を下げて全国の向上を回りました。思いが伝わり、やっと引き受けてくれる工場も見つかりました。

    ――完成した商品はどのように広まっていったのですか?

    最初は展示会に出品しました。ジョインしてくれたブレーンとなる方たちは知識豊富でしたが、私自身はデザイナーとしての勉強をした訳ではなかったため、“売れるのかな…?”と正直思っていました(笑)。売れない覚悟もできていました。

    その展示会でたまたま伊勢丹や高島屋などの百貨店の方からお声掛けいただき、百貨店でのポップアップショップ(期間限定の販売)での出品が決まりました。この時、“嬉しい!私、生きてる!!”と実感しました(笑)。

    百貨店での出品がきっかけで芸能事務所のスタイリストさんにも知っていただき、芸能人が着用してくださったこともあり、一気に認知度が上がりました。

    実は、海外に縫製したワンピースを自分で背負って持って行って、たどたどしい英語でセレクトショップを行脚して置いてもらったり、買ってもらったりなどもしました。細々と国内と海外でちょっとずつ芽が出てきた感覚です。

    ――同時期にもう1つ新しいビジネスを始めていたと伺っています。

    2014年から台湾と香港向けに日本の観光情報を配信する事業のジーリーメディアグループという会社を始めています。代表は別にいて、私はCOO兼CFOというポジションで経営をサポートしています。

    現在では、社員も30名ほどおり、日本と台湾に拠点を置いて順調に経営できています。

    ――ジーリーメディアグループは、台湾では知らない人がいないほどの企業だそうですね。

    そうなんです。メディア部が優秀なおかげもあって、台湾人で来日する予定の方や日本に興味がある方は十中八九知ってくれています。「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」というサイトなのですが、台湾で知名度No.1に育ちました。ちなみに、ラーチーゴーはLet’s goという意味です。

    代表が台湾で有名な方で前面に立ってどんどん発信してくれていて、私は裏方で経営面全般を見て、代表が活きるように尽力しています。そして、社員の皆さんの存在が本当に大きいです。大きな戦略はこちらで描くものの、現場で力を発揮してくれているのは社員の皆さんだからです。

    ――更に新しいことに取り組んでいますよね。

    2017年からプレミアムテキーラのBARを始めています。プレミアムテキーラとは、原料のアガベ100%で造られていて、上質なテキーラのことを指します。

    洋服を作ったり、ジーリーメディアグループで利用したりしていたビルの1階のテナントが空いた際に、大家さんから「せっかく空いたから、プレミアムテキーラがそんなに好きならBARを始めちゃえば?」というお誘いを受けました。確かに、二十歳からプレミアムテキーラのソムリエを取るほどテキーラが好きでした。“このチャンスを逃したらもう訪れないかもしれない”と思い、上質でラグジュアリーなテキーラのBARを始めました。一気飲みは厳禁です(笑)。

    ――海外では100%アガベのプレミアムテキーラは最高級のお酒なんですよね。

    そうなんです。シャンパンよりも上のクラスに位置付けられるようなお酒になっています。

    通常のテキーラは、アガベが51%ほど入っているものの、添加物も入ってしまっているため、悪酔いすることが多いと思います。アガベ100%の場合、悪酔いも無いですし、健康的です。おしゃれに落ち着いてゆっくり飲むのが楽しいお酒になっています。

    プレミアムテキーラにはこだわっていて、原産地のメキシコに毎年行って、仕入れを直接しています。具体的には、蒸留所を見学して、どの産地のアガベを利用して、どのように造っているのかを学び、現地でしか売っていないテキーラを飲み、その中から厳選しています。

    テキーラというのは、メキシコの原産地呼称のお酒で、種類が1,500種ほどあるのですが、私のお店ではそのうち200種ほどを取り扱っています。

    ――この時点で3つほど事業を始めていますが、更にもう1つスタートさせているんですよね。

    2019年にセルフメンテナンス協会を立ち上げました。

    会社を経営している中で自分の精神状態をフラットに保つことの大切さを痛感した経験があります。というのも、プライベートで大変なことがあった時に、仕事中もイライラしてしまって、悪い影響が組織にも伝播してしまい、風通しが悪くなる原因にもなり、しまいには社員が辞めてしまったという事例が生じてしまったのです。

    そこで、自分のことを自分で整えて、どんなことがあってもご機嫌である状態を自分で作ることが大切なのではないかと気付きました。私を初めとして会社のボードメンバーから社員一人一人が皆セルフメンテナンスをしたところ、良い感じに会社の業績も上がり、何より全員がハッピーになりました。

    私の中で“このセルフメンテナンス協会での活動が人生の集大成”という気持ちで取り組んでいます。

    ――具体的なセルフメンテナンス協会の活動を教えてください。

    セルフメンテナンスという大きな枠の中で活動しています。

    まずは、食養生です。腸を整えるような食事法などの食事に関する知識などを学ぶプログラムを実施しています。

    また、平日毎朝9時~10時の間にオンラインヨガ教室を実施しています。脳波やマインドを整えることができる瞑想や呼吸法などを学べます。

    次に、マインドセットです。お金や地位だけではなく、自分らしい幸せを実現するためのマインドセットやコーチングを実施しています。

    さらには、森に行ってリトリートして細胞を活性化させるなども実施しています。

    ――中村さん自身がハッピーにやりたいように生活できていますよね。

    そうですね(笑)。
    自分自身も幸せだし、幸せな人をもっと増やしたいし、特に社員など会社に関わってくれているメンバーには、一人一人が幸せになってほしいと願っています。それが私のマインドシェアを占めています。

    ――今後のビジョンについて教えてください。

    私の成し遂げたいことは、セルフメンテナンスに集約されると考えています。

    会計士という資格を得られたことや、何かで成果が出た際にそれらにしがみついてしまっていると、人生が硬直化してしまって、自分が本当にやりたいことが何かわからなくなってしまいます。

    “本当の自分の幸せが何か”を考えて、その幸せの状態になるためには、身体を細胞レベルで整える必要があると考えています。単にポジティブシンキングをするのではなく、細胞レベルで元気になってしまえば、勝手にポジティブになっていて、朝起きたら「よ~しやるぞ!」というテンションになれるはずです。

    そのような心づくり、体づくり、思考づくり、をサポートするセルフメンテナンス協会を伸ばしていきたいです。

    セルフメンテナンスの一環としてテキーラだったり、ファッションだったり、楽しく生きるためのヒントになることをやりつつ、得意なビジネスでは、そこに携わる皆の幸せに貢献していきたいです。

    楽しく幸せに生きる人を増やすことに繋がる仕事を幅広くやっていきたいと思っています。

    02. 仕事する上で大事にしていること(仕事論)

    ――仕事する上で大事にしていることを教えてください。

    大きく分けると2つあります。

    (1)関わってくれているメンバー各々の“可能性を開く”こと

    社員の一人一人が自分らしい人生を楽しく生きて欲しいと思っています。会社も究極、利益のためではなく、メンバーのためだと考えて経営しています。だからこそ、メンバー全員が楽しく会社を通じて可能性を開いていくことをサポートすることを大事にしています。

    具体的には、適材適所を特に意識しています。“誰もできないかも?”と大勢が思うようなことでもそれを得意な人がいたりします。

    だからこそ、得意な人に得意なことをやってもらうような、皆が自然と力を合わせて頑張れる仕組み作りを大切にしています。バランスが難しいけれど、その仕組みを活かしながら会社の業績も上げていけるように努力しています。

    それこそ、会社の業績だけを考えれば、私が全部考えて、社員を奴隷のように「これをやってください!」と扱う形でやれば、ある程度のところまではいけるかもしれないですが、それだと私も皆も誰も幸せじゃないんですよね。

    (2)自分自身を整えること

    セルフメンテナンスは大きく分けると2つあります。

    1つ目は“ケア”です。
    上述しましたが、どんなことがあっても常にフラットな精神状態を自分で保てるようにすることが大事です。そのために、腸と脳は相関しているので、きちんとした食事をしたり、腸のコンディションを整えたり、運動をしたり、呼吸を整えたりを日々意識しています。

    もう1つは、“自分らしい幸せが何なのかを常に考えていること”です。
    私自身は、自分らしい幸せの形にするために、貪欲に多方面に掘り下げていきました。そして、幸せを感じるための結果を出すマインドセットについても研究してきました。

    持続可能な自分を作り、ご機嫌でいるために何を自分にしてあげればよいかを理解していれば幸福度も高まりますし、組織にも幸福が伝播していきますよね。

    ひいては、セルフメンテナンスによって社会も平和になって、世界平和に繋がっていくと私は考えています。

    03. 会計士という資格を取って良かったこと

    ――会計士という資格を取って良かったことを教えてください。

    大きく分けると5つあるので、ランキング順に発表します。
    尚、会計士資格を取って良かったことについては、私のYouTubeチャンネルにて詳しくお話しておりますので、気になる方は以下のリンクから動画をご覧ください。

    公認会計士になって良かった事ベスト5!リアルな年収、そしてお金よりもっと大切なギフトがあった!

    (本記事では、ダイジェスト版をお伝えします。)

    第5位:収入が多い

    収入が多いと、若いうちからある程度お金を使う喜びを知れるし、その喜びだけでは幸せだとは限らないということを知れます。非地位財と呼ばれるやりがいに若いうちから目を向けられたことが良かったです。

    また、自己投資もできる点が良いですよね。自分が何かやりたいという時に、問題なく投資することができるというのは非常に恵まれています。

    最後に、収入面で困らない以上、リスクを負うことができます。最悪、監査法人に戻れば食べてはいけるというバックがあったからこそ、“洋服のブランド立ち上げてみよう!”という思い切りができました。

    第4位:実務経験

    色々な業種の監査やコンサルティング業務の際に会社の方とお話する機会が多くなりますが、そもそも若造が他社の会社の役員レベルの方にお話を聞けるというのは、社会一般的にはあり得ないことだと思います。

    様々なビジネスモデルを高い役職の方に直接伺うという経験を積むことができるのはものすごく貴重だと思います。モデルをたくさん知っていれば、アライアンスも組みやすいし、相手の求めていることも理解しやすくなるので、将来の財産になりますよね。

    第3位:仲間

    勉強仲間や監査法人時代の仲間も本当に貴重です。

    大人になってから、あれだけ一緒に勉強に時間を費やした仲間は滅多にいません。その長い時間を共に過ごしたからこそ、その仲間たちとの付き合いが深く、今もお互いに何かあったら助け合う関係でいます。

    自分ひとりじゃできないことも仲間がいれば簡単に達成できたりしますが、そういう素敵な仲間に出会えたことが会計士になって良かったことだと感じますし、仲間の皆はかけがえのない存在です。

    第2位:信用

    テキーラを例に挙げれば、本来、テキーラのBARを経営していると伝えると、「この人、何をやっている人なんだろう」と怪しまれてしまいがちだと思います。

    そこで、元々公認会計士としてのキャリアがあったという話をするだけで急に信用していただけたりした経験があります。

    信用は“現代の通貨”と言えます。信用がありさえすれば、そこからお金を生んでいくことができるからです。

    そして、信用は何にも代えがたいもので、あればあるだけ良いです。人となりももちろん大事ですが、会計士は肩書の括りの中でもやはりパワフルだと感じます。

    第1位:自信

    一番良いなと思うのは、自己効力感を得られることです。

    苦難が訪れたときに、どのようなマインドで立ち向かうかで結果はほぼ決まっているというのが私の考えで、“自分ならやればできる!”というマインドで問題に直面できれば多分何でも乗り越えられると確信しています。

    私自身がその強さをどこで手に入れたかを振り返ると、やはり会計士試験を乗り越えたことだったなと気付きました。私にとって本当に辛い試験だったので、それをクリアできたことで自己効力感を高めることができました。

    受験生の皆さんも辛いとは思うのですが、そこを乗り越えると自分のことを自分で信頼できるようになります。

    “自分ならやればできる!”と思える力を身に付けられることがもう何よりの財産ですね!


    中村さんの具体的な活動の詳細についてはこちらをご覧ください。

    中村さんのYouTubeチャンネルはこちら


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