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公開日:2024/04/22

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【イベントレポート】 第4回 女性会計士のための交流会 〜監査法人パートナー&会計コンサル編〜

はじめに

こんにちは。CPASSスタッフの夏目麗歌です。

今回は、2024年3月23日(土)にCPASS LOUNGEで開催した『第4回 女性会計士のための交流会〜監査法人パートナー&会計コンサル編〜』のイベントレポートです。

第4回となる今回も豪華ゲストを2名お迎えし、たいへん密度の濃い交流会となりましたので、その雰囲気が少しでも伝わるようにレポートしてまいりたいと思います!

◇参加者の参考情報

 
     

    ・登壇者プロフィール

    前述した通り、今回はWゲスト形式での開催となりました。

    ◇監査法人パートナー 大山千秋様

    2004年よりあずさ監査法人に入社し、グローバル企業の監査業務(米国会計基準、IFRS、日本基準)等に従事。IFRS導入支援業務やIFRS初度適用監査を統括マネジャーとして複数経験。2023年パートナー登用。
    同年より法人本部の会計専門部署を兼務、監査統轄事業部では自動車セクター品質管理担当パートナーに就任。2児の母(長男中2、次男小2)。

    ◇会計コンサル 秦朋子様

    大阪生まれ、結婚を機に新卒で入社した日本生命を退社し東京へ。
    2010年 派遣社員としてあずさ監査法人に入社し、アドミ業務に従事。
    USCPA全科目合格を機に2013年12月より職種切替をし、会計士としてのキャリアをスタート。2023年7月あずさ監査法人を退職し、米国の会計事務所であるUnivis Americaの日本法人を立ち上げる。

    ・ゲストトーク① 秦朋子様

    ゲストトーク前半は、USCPA全科目合格後に大手監査法人に入所し、マネジャーまで経験された後、昨年7月に監査法人時代の先輩からの誘いで、米国会計事務所Univis Americaの日本法人設立に加わり現在は法人代表として活躍されている秦さんのトークセッション。

    監査法人時代の約10年は金融事業部の監査一筋だったという秦さんに、新たなキャリアを歩むようになった経緯や会計事務所代表としての業務内容や心構えについて根掘り葉掘りお伺いしました!

    今回は、その一部をご紹介します!

    -米国会計事務所の日本法人の代表として、どのような働き方をされていらっしゃいますか。

    NY本社のメンバーとは週1でオンラインMTGを実施し、顧客情報やto doを共有して1週間のタスクを決めています。日本法人のオフィスは赤坂にあり、私は週2〜3回出社して、日本法人のメンバーとも適宜コミュニケーションをとりつつ案件を進めています。

    監査法人時代の先輩が共同代表を務めるUnivis Americaは2017年にNYで設立された会社で、日本法人設立時にはNYから、一部既存の日系企業のお客様を引き取るスタイルで動き出しつつ、私個人としても海外進出したい企業があつまるイベントや経営者交流会にも顔を出すようにしてUnivis Americaの名前を覚えてもらえるように動いています

    -法人設立に際して、苦労した点を教えてください。

    弊社は米国本社のUnivis Americaの100%子会社なのですが、役所の職員の方も外国会社の日本法人設立時にどういった書類が必要か1から調べながら手探りで進める状況でした。また、提出しなければならない書類が分かっても米国側のサインが必要で郵送の時間がかかる等当初見込んでいたよりも立ち上がりに時間がかかり、法人として本格的に動き出せるようになるまでに2ヶ月くらいはかかりました
    また、現在はマネロン対策も厳しく、実績もない中で銀行口座を開くのも一苦労でした。

    -現職のやりがいを教えてください!

    USCPAとして監査法人に入所したものの、監査法人時代はUSCPAだからできる仕事をしていたわけではなく、日本のJGAAPを勉強して必死についていく日々でした。
    約10年も監査法人にいて、いつのまにかUSCPAとしての知識を活かしたいという思いも薄れていましたが、米国会計事務所の日本法人を設立して、ようやくUSCPAの知識が活かせるとワクワクしています。資格を取得したのは随分前なので昔のテキストを読み返したり、日本企業が進出しやすい州の税務について日々インプットを増やすように意識しています。

    大手監査法人時代のネームバリューの肩書きが外れた今、信頼を得る為に奮闘する日々ですが、海外進出といえば”Univis America”と思い出して頂けるような会社を目指して今後も頑張っていきたいです。

    他にも秦様には「監査法人時代の経験が現職に生かされていると感じられる場面はありますか?」「今振り返って監査法人時代に経験しておいた方が良かったと思うことはありますか?」等の質問にもご回答いただきました!

    ・ゲストトーク② 大山千秋様

    ゲストトーク後半は、大手監査法人のパートナーである大山様のトークセッション。大山様は2004年に大手監査法人に入所後、育休産休を2度取得されながらも着実にキャリアを積み重ねられて2023年にパートナーに就任されたということで、事前に監査法人勤務の参加者からも沢山の質問が寄せられており1つ1つ丁寧にご回答頂きました。

    -育休産休からの復職後は時短勤務を活用されていましたか。また、育児と仕事の両立について率直な感想を教えてください!

    所属するあずさ監査法人には、FWP(フレキシブル・ワーク・プログラム)という育児・介護等の理由により時間を制限して働きたい職員向けの制度があります。

    現在は多様なメニュー(例:1時間時短・週4日勤務等)がありますが、第1子を出産した2010年当時は世の中的にも働き方改革が進んでいなかったことから、私も少し遠慮もあり定時までは働き、残業はしないというスタイルでFWPを利用しておりました。マネジャーに昇進した時は、管理職は時間管理から外れるので利用を続けるか迷いましたが、働く女性が増えてきたことや上司からも無理にFWPを辞める必要はないと後押しを頂いたこともあり、パートナーになる直前までは利用しておりました。

    第1子出産当初は、育児中は働くことに罪悪感を覚えながら子供と接する一方、仕事中はお迎えのため帰りますと言わなければならない状況に葛藤を感じ苦しかったですし、主人の仕事も忙しくワンオペ状態だったこともあり、頑張りすぎて扁桃炎になり寝込んでいまい、義母にサポートをお願いせざるを得ない状況になったこともありました。

    そこからは”頑張りすぎない”ことを意識し、頑張りすぎないために周りの力を借りることも意識するようになりました。仕事でFWPを利用することに対しても、少なくとも働く時間は組織に対して貢献している、と切り替えて取組むようになりました。

    シニアスタッフ時代に第1子を授かりましたが、監査が好きだったこともあり、出産前までは主査(インチャージ)として、自分の求めるクオリティで仕事をして長時間残業をしていました。FWPにより短い時間で本当に仕事ができるのかという不安がありましたが、主査業務にやりがいを感じ当時の上司に主査を続けたいという希望を伝えたところ、急な呼び出しが比較的少ないクライアントの担当にして下さったりと配慮いただき、幸いなことに望んだとおりの働き方ができました。

    監査法人の長所の1つに、パートナーからスタッフという職階はあるものの、全員が専門職という意味ではフラットな関係であり、我慢せずに声をあげやすい環境があると思っています。今は社会全体として女性が働くのが当たり前という流れとなり、私自身罪悪感なく働くことができています。

    -仕事をする上で職階別に心掛けている(いた)ことを教えてください!本日の参加者の多くが20代後半〜30代であり、後輩指導で悩む方に向けてアドバイスもお願いします!

    スタッフ時代は、仕事をする中で上司から指摘されたことは再度指摘されないように意識していました。貰ったコメントは宝物だと思い、様々な人の考え方を吸収して理解して、同じような指摘を受けないためにどうするべきか考えながら取り組んでいました

    マネジャー以降は、管理職になってくるので、それまでは、自分の成長が最優先で、自分軸で考えていたところを組織やチームを意識するようになりました。また、人見知りする性格ではありますが、チームメイトにこちらからなるべく話しかけるようにしよう、気にかけようというマインドでいました。

    昨年パートナーに就任し、現在は新たな環境や業務に慣れることにまず取り組んでいますが、パートナーになることで初めて見えてきた法人内の課題について、長期的な視点で問題解決のための施策を思い巡らせていたりします。

    後輩指導は、最近は世代が上の方になってきたこともあり(最近の新入社員は自分の子供のほうが年齢が近いので驚いています(笑))、価値観が違うのは当たり前と捉え、こちらから強制はせず、1人1人違うキャリア軸を柔軟にサポートできるようにしたいと考えております。

    他にも「育休産休中に復職に備えてやっていた方が良いことはありますか?」「アドバイザリー業務も経験されていらっしゃいますが、監査の経験はどのように役立ちますか?」等の質問にもご回答いただきました!

    ・交流会&今回のスイーツ

    ゲストトーク後は、恒例となっている約1時間の交流会タイム。

    今回は春を先取りしたスイーツを3種類ご用意いたしました!

    今回ご用意したのはこちらの3種。
    ①フェルム・ラ・テール美瑛 バターチーズサンド
    ②鶴屋吉信 花つどい
    ③銀座ウエスト リーフパイ

    交流会は15分交代制で3回実施し、より多くの参加者と少人数でお話できる機会となっており、各回のグループ分けは予めCPASSスタッフがランダムで決めておりますので、おひとり様でも参加しやすい仕様になっています。

    ご友人や、知り合いがいないことがネックで参加を踏み留まれている方でも安心してイベントにお申込みいただければと思います。

    最後にゲストと参加者の皆様と記念撮影をして解散しました♪
    お子様連れで参加される方もいらっしゃいます!

    ・編集後記

    1人目のゲスト・秦様は、女性会計士交流会では初のUSCPAゲストでした。秦様がゲストという事もあり、今回の参加者の中も過去開催回に比べ、USCPA全科目合格者の参加者が多かった印象です。
    秦様はご結婚を機に上京したタイミングで、派遣会社から偶然紹介された大手監査法人で勤務する中でUSCPAの存在を知り勉強を開始され、全科目合格後に職種転換で会計士として監査法人に入所し、マネジャーまでご経験された後、現職の米国会計事務所の日本法人の代表職に就任されています。お手本のような理想的なキャリア曲線に、どうすればそのような計画的な生き方ができるのだろうかと、興味を持ってトークセッションに臨みましたが、お話を伺う中で見えてきたのは、秦様自身、明確な未来予想図を描いていたわけではなく、目の前の1歩1歩を頑張っていたことが様々なご縁に繋がり、その結果として今のお立場があるということでした。現在は代表という責任の重い立場に就かれている秦様も、参加者の皆様と同じような経験で悩まれていたことを包み隠さず吐露して下さり、その姿に勇気づけられた方も多くいらっしゃったと思います。

    2人目のゲスト・大山様は、大手監査法人のパートナーですが、女性会計士交流会で現役の監査法人勤務の方をゲストでお呼びするのも初めての試みでした。女性会計士の割合自体少ない中、2度の育休産休取得・時短勤務等を活用しながらパートナーに就任されたということで是非お話を伺いたいと思っており打診させて頂いたところ快諾頂きご登壇頂きました。柔和なお人柄で終始にこやかにお話される中でも、第1子出産当初の仕事と育児の両立で悩まれた経験、それを発想の転換で克服され、現在まで育児と両立しつつ、ご自身のキャリアも諦めることなく歩まれてこられたというお話に内に秘めた真の強さを感じ感銘を受けました。

    次回以降も素敵なゲストをお呼びしておりますので、乞うご期待ください!

    最後に今後の「女性会計士のための交流会」に関するご連絡です。
    リピーターの方も初参加の方も大歓迎ですので、一緒に楽しい時間を過ごしましょう。

    〜今後開催(予定)の「女性会計士のための交流会」〜

    • 第5回  2024年6月15日(土)13:00〜15:00

    • 第6回  2024年8月31日(土)13:00〜15:00

    • 第7回  2024年11月2日(土)13:00〜15:00※いずれも「他予備校出身者」「子供連れの参加」も可能ですのでお気軽にお越しいただければと思います。

    ※いずれも「他予備校出身者」「子供連れの参加」も可能ですのでお気軽にお越しいただければと思います。

    CPASSでは、『一人ひとりの公認会計士が人生の可能性を広げ、より豊かなキャリアと人生を歩むことを生涯にわたって支えていくコミュニティー』を皆さんと一緒に創ることを目指して、イベントの企画をはじめとした日々の活動を行っております。

    CPASSでは、このようなイベントを随時開催しているので、興味関心を持たれた方はぜひ次回のイベントに参加してみてください。


    CPASSキャリアでは、会計士のキャリアを長年支援してきたエージェントが、理想のキャリアを実現させるためのお手伝いをいたします!興味を持たれた方はぜひ登録してみてください!

    CPASSキャリア(シーパスキャリア)|公認会計士の転職サポート (cpa-career.jp)

     

    この記事を書いた人

    2019年会計士試験合格後、監査法人で監査・アドバイザリー業務に従事。2023年よりCPASSに参画し、女性会計人材向けのイベント企画・運営、CPASS for Womanのディレクションを中心に担当。山口県出身。女性や地方勢に向けて会計士の魅力をPRしていきたいです!

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