
公開日:2023/10/16
【イベントレポート】 第2回 女性会計士のための交流会 〜若手FAS&ベテランママ会計士編〜
はじめに
こんにちは。CPASSスタッフの夏目麗歌です。
今回は、2023年10月7日(土)にCPASS LOUNGEで開催した『第2回 女性会計士のための交流会〜若手FAS&ベテランママ会計士編〜』のイベントレポートです。
7月にリニューアルし好評だった当イベントですが、第2回となる今回も豪華ゲストを2名お迎えし、たいへん密度の濃い交流会となりましたので、その雰囲気が少しでも伝わるようにレポートしてまいりたいと思います!
◇参考情報(※事前予約時の参加者属性)


・登壇者プロフィール
前述した通り、今回はWゲスト形式での開催となりました。
◇若手FASロールモデル 戸田 有希様
早稲田大学を卒業後、外資系製薬会社にて営業職として勤務。
その後、公認会計士資格取得を目指し、試験勉強を開始。2018年に監査法人トーマツに入社し、同年に論文式試験合格。監査法人では、主に国内の食品メーカーやアパレルメーカー等の監査業務に従事。
2022年2月に株式会社KPMG FASに入社し、Transaction Services(TS)にて、主にM&Aに関する財務デューデリジェンス(DD)業務に従事。
バイサイドやセルサイドのアドバイザーとして、買収価格の算定やM&A実施の可否に資する情報をとりまとめて、クライアントに報告書を提出し、その内容の説明と取るべきアクション等にかかるアドバイスを提供。
◇ベテランママ会計士ロールモデル 森田 真里子様
2002年慶應義塾大学3年在学中に公認会計士二次試験合格、すぐに現EY新日本有限責任監査法人に入所。
企業監査を経験したのち主にパブリック分野を専門に学校法人や病院等の会計監査や財務アドバイザリー業務に従事。(経営計画/財務計画策定支援、診療科別原価計算制度構築支援、事業再生にかかる財務調査、財務モニタリング業務、医療・教育政策に関連するアドバイザリー業務等)
公認会計士協会広報委員として子供向けの金融教育・キャリア教育にも関わる。
2011年〜2014年海外駐在帯同で英国ロンドン在住。
監査法人は業務委託として継続。
帰国後は妊娠中にベンチャー取締役就任、出産後取締役を退任し、しばらく育児中心の生活を経て、現在CPA会計学院教務部にて仕事と育児の両立中。
・ゲストトーク① 戸田 有希様
~ MR・監査法人時代の経験を経て辿り着いたFASというキャリア選択~
ゲストトーク前半は、若手FAS編として戸田さんのトークセッション。
最初は当日司会を担当した私から戸田さんに参加者の皆様が知りたい内容について質問させていただき、その後参加者の皆様から直接戸田さんに質問する時間を設けました。
どの回答も勉強になる点が多く、トークセッションの内容全てを公開したいところではありますが、字数の関係上いくつか厳選したものをご紹介します。
(是非リアルイベントに足をお運びくださいね!)
――いつ頃からどんなキャリアプランを持っていらっしゃいましたか。
会計士を目指す前は、製薬会社でMRとして働いていました。
その時から、営業の仕事は提供できる商品が自社製品に縛られることもあり、本当にお客様が必要としている商品やサービスを提供したいという思いが強くなっていき、コンサル業に興味を持つようになりました。
会計知識を身に付ければ経営者目線に立った提案ができると考え、公認会計士になろうと決意して社会人受験生となり、合格後も準会員時代はトレーニー採用で入社していたトーマツで監査を続けていました。
準会員時代からコンサル業界へ転職した方の状況を聞いたり、外部の求人サイトをチェックする等情報収集は行っていました。
修了考査が終わったタイミングで、本格的にエージェント面談まで動き出し、コンサル業界の中でも会計の知識が業務に直結し、監査法人の経験とシナジーが高いという観点でFASを選択しました。
――FASでの働き方を教えてください。(業務内容・繁忙期・やりがい等)。
現在はKPMG FASのTS(Transaction Services)部門で財務デューデリジェンスの仕事をしています。
最終的なゴールはバリュエーションをして企業価値評価を算定することですが、その過程で財務的な検出事項やアップサイド側の発見事項等をレポートにまとめてクライアントに報告しています。
過去数年間のBS/PLのトレンドを分析する等、監査と類似する手続もあります。
財務DDは、基本的に「中間報告」と「最終報告」と報告の場が2回あり、報告会の直前は慌ただしくなりますが(よく”最大瞬間風速”と例えられます)、最終報告会後は次のプロジェクトにアサインされるまでは比較的余裕があり、緩急ついたメリハリのある働き方ができていると思います。
自分が作成したものが直接クライアントに届くので役に立っていると実感しやすいですし、クライアントと目指している方向が一致しているところにやりがいを感じています。
――監査法人時代に身につけておいたよいスキルがあれば教えてください。
FAS業界は会計士ウェルカムな風潮がありますし、製造業・金融どちらの監査を経験していても活躍できるフィールドは幅広くあります。
個人的には「英語」の勉強も余裕があればして欲しいですね。
というのも私の場合、部門長がカナダ人でミーティングは英語という事情があり、入社時から英語が得意だったわけではないですが、頑張って勉強しています!
他にも「FASの会計士比率・女性比率」「戸田様のこれからの夢やビジョン」等の質問にもご回答いただきました!

・ゲストトーク②森田 真里子様
~ベテランママ会計士が語る監査法人で長く働く意義と仕事と育児の両立~
ゲストトーク後半は、ベテランママ会計士編として森田さんのトークセッション。
森田さんがこれまで経験されたキャリアを一覧にすると、「監査法人(監査・アドバイザリー)勤務」「海外駐在妻」「監査法人非常勤」「ベンチャー役員」「専業主婦」「事業会社」等、どれも若手女性会計士が聞いてみたい項目で、今回はざっくりと”ベテランママ会計士”と一言にまとめてご案内しておりました。
時間の制約の都合上、前半は森田さんのキャリアで最も期間が長い監査法人時代について、後半は仕事と育児の両立について、とテーマを絞って語っていただきました。
――監査法人時代は主にパブリックの監査・アドバイザリーを経験されたとのことですが、パブリックの魅力について教えてください。
もともと親族に医療関係者や教員関係者が多いこともあり、私自身は数字や会計が好きだったので、会計士になり会計士の立場から医療や教育に携わりたいと思っていました。
パブリックのクライアントは単年度の予実管理はあっても、中長期な視点で運営できている法人が少なかったので、中長期的な財務分析の視点を提言する等、指導的機能を発揮する機会が多かった点や、指示書が無いので自分達で”クライアントに果たせる役割が何か?”という本質的な部分と向き合いながら進めていく点が魅力でもあり大変なところでもありました。
また、東京が本社にない会社も多かったので出張で日本全国を飛び回っていました(笑)。
ーー森田さんは大手監査法人に正社員として10年、その後、旦那さまの海外赴任に伴いロンドンへ居住を移された後も業務委託で数年間所属されていらっしゃいます。
大手監査法人の早期離職も話題になっておりますが、森田さんから見て監査法人に長く残る意義を教えてください。
会計士はキャリアの幅が広いので、早い段階で次のステージを探し始めるのは当たり前のことだとは思います。
一方で、見ていて”もったいないな”と思う方もいらっしゃるのも事実です。
特に、スタッフ時代は監査の全体像を見えていないまま作業を粛々とこなすことに意識が向いてしまい、その側面だけで監査はつまらないと感じていらっしゃる方を見ると凄くもったいなさを感じます。
監査の本質は、クライアントの抱えている事象(当期新しく生じた事象等)をどうやって会計に反映するかという点についてプロフェッショナルな見解が求められるところにあると感じています。
監査チームの中でもマネージャーやパートナー等、上位職階の人はクライアントとそうした白熱した会計議論を交わしていても、スタッフのうちはそのような機会に恵まれない事もあります。
監査はルーティンではなく、フレッシュな話もたくさんあり、想像以上にアグレッシブな仕事ですが、その側面をスタッフワークからは見出しにくいのかもしれません。
視野を広くすると見えてくる世界は違うので、監査法人の早期離職を止める訳ではないですが、そのような視点で見ると監査そのものも、監査法人も楽しくなると思う場面がありました。
ーー監査法人は女性にとっても働きやすい環境でしょうか。
私が新卒で監査法人に入所したのは今から20年前で、同世代の方で現在でも残っている方は確かに多いとは言えません。
でも、当時は子育てとの両立支援がなかった時代であり、仕方ない側面もあります。
一方、今の監査法人は子育て支援もしっかりしていて、様々な制度が整っています(病児保育・保活コンシェルジュ・FWA/FWP制度等)。
子育てをしながらでもきちんとキャリアアップができる時代になっていると感じています。
ーー若手女性会計士にメッセージをお願いします。
ベンチャー役員をしていた時代に、1人目の子供が入院を繰り返してしまったことがあり、”今は子供と向き合う時間”と神様が教えてくれたような気もして一旦仕事をストップし、2人目もタイミングよく授かったこともあり、2人が小学校に入学するまでは数年間専業主婦をしていました。
会計士は資格なので、寄り道したり休む時期があっても、またいつかこの資格を使ってキャリアを築けるという自信がありましたし、そう思える女性は強いと思います。
最近復職しましたが、全部を100点目指さなくても良い、周りに頼っても大丈夫という風に考えて自分で抱え込みすぎないように意識しています。
また、最近は小学生の子供達も”ママ仕事楽しい?”と聞いてくるようになり、私が仕事を楽しそうにしていたり、頑張っている姿をみせるのも悪くないな、と思えています。
私には監査法人時代に大好きなボスがいて、ずっと一緒に仕事をしたいと思っており、結果的に監査法人に人よりも長くいましたが、今回復職して新しい環境に行ったら、また新たな魅力的な人が沢山いることに気付かされました。
ロールモデルは1人に決めなければならないとは思っていません。
色んな場所で色んな人に出会って話を聞き、それぞれの人から吸収できる部分は吸収して自分のなりたい姿を目指していただければと思います。

・交流会&今回のスイーツ
ゲストトーク後は、美味しいスイーツとともに約1時間の交流会タイム。
今回は参加者の皆様に事前に好きな秋スイーツを質問しており、いただいた回答を参考にしながら伊勢丹で調達!
今回ご用意したのはこちらの3種。
①資生堂パーラー 「秋のチーズケーキ(マロン)」
②笹屋伊織「すいーとぽてと」
③モロゾフ「パンプキンプリン」

今回の交流会は15分交代制で3回実施し、より多くの参加者と少人数でお話できる機会を増やしました!
なお、各回のグループ分けは予めCPASSスタッフがランダムで決めておりますので、おひとり様でも参加しやすい仕様になっています。
ご友人や、知り合いがいないことがネックで参加を踏み留まれている方でも安心してイベントにお申込みいただければと思います。
最後にゲストと参加者の皆様と記念撮影をして解散しました♪

・編集後記
前回に引き続き、今回も司会を担当させて頂きました。
私自身が2019年の論文式試験合格者で、新卒から入社した監査法人に勤務しております。2022年12月の修了考査を受験し、先日会計士登録を終えたタイミングということもあり、合格年次も近く会計士登録を経てすぐにFASへチャレンジされた戸田さんのお話も、監査法人で長く経験を積まれた森田さんのお話も、どちらも大変興味深い内容でした。
会計士試験に合格した後は大半が最初は監査法人に勤務するとは思いますが、会計士のキャリアは幅広いため、遅かれ早かれ、監査法人を”卒業”するタイミングが訪れます。
そのタイミングが来るまでに、監査法人内で利用できる制度について調べてみたり、色んな人に話を聞いて自分なりの理想のキャリアを考えてみる等、できることは沢山ありそうだなと実感した1日でした!
(手前味噌ですが、『女性会計士のための交流会』も毎回様々なロールモデルをお呼びして視野が広がるキッカケになると思いますので是非ご活用くださいね(笑)。)
今回、交流会終了後に初の試みとして株式会社エアークローゼット様の洋服販売イベント(エコセール)も実施いたしました!
CPASS LOUNGEが一気にデパートの婦人服エリア風に様変わりし、見慣れない光景に(特に男性スタッフは)当初はドギマギしていたものの、参加者の皆様も喜んで下さった様子でした!

さて、最後に今後の「女性会計士のための交流会」に関するご連絡です。
年内は今回の交流会がラストでしたが、来年上半期までの予定は確定しております。
リピーターの方も初参加の方も大歓迎ですので、一緒に楽しい時間を過ごしましょう。
〜今後開催(予定)の「女性会計士のための交流会」〜
第3回 2024年1月13日(土)13:00〜15:00
第4回 2024年3月9日(土)13:00〜15:00
第5回 2024年6月15日(土)13:00〜15:00
※いずれも「他予備校出身者」「子供連れの参加」も可能ですのでお気軽にお越しいただければと思います。
CPASSでは、『一人ひとりの公認会計士が人生の可能性を広げ、より豊かなキャリアと人生を歩むことを生涯にわたって支えていくコミュニティー』を皆さんと一緒に創ることを目指して、イベントの企画をはじめとした日々の活動を行っております。
CPASSでは、このようなイベントを随時開催しているので、興味関心を持たれた方はぜひ次回のイベントに参加してみてください。
CPASSキャリアでは、会計士のキャリアを長年支援してきたエージェントが、理想のキャリアを実現させるためのお手伝いをいたします!興味を持たれた方はぜひ登録してみてください!
CPASSキャリア(シーパスキャリア)|公認会計士の転職サポート (cpa-career.jp)
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