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公開日:2022/03/10

  • 女性の働き方

【働くママ会計士に直撃インタビュー!】細く長く続けたいから選んだ今

CPASS運営スタッフの記事

    とある働く「母」兼「会計士」のリアル

    働く会計士ママのリアル

    公認会計士を目指した理由は人それぞれだと思います。様々なキャリアパスがある点も会計士の魅力のひとつですよね。どんなキャリアパスがあるのかは、会計士の先輩・友人などから聞いたことがある方もいらっしゃることでしょう。また、自分や家族との生き方を大切にしつつ仕事に関わっていきたいという方も多いのではないでしょうか。

    資格を取ろうと思ったのは、「細く」「長く」「自分らしく」働きたいと思ったことがきっかけという方でも、どうやって仕事をこなして、具体的にどのように時間を過ごしているのかイメージしにくい方も多いと思います。特にプライベートのことは根掘り葉掘り聞けないですし…。このように「細く」「長く」働きたいとの思いをもとにそれを実践している、とある女性会計士2名のリアルをご紹介しながら、女性会計士のキャリアについて考えてみたいと思います。

    CASE 1: 準大手監査法人マネージャー(30代後半女性会計士)

    • 会計士歴13年。会計士試験合格後、監査法人に13年勤務中。現在は財務報告アドバイザリー事業部にてシニアマネージャーとして勤務。

    • シニア昇格後に監査法人の同期と結婚。

    • 自身の実家と近居。

    • 未就学児2人は近所のこども園に在園中。

    • 2人目の子供が生まれた時から、法人と相談し、出張は基本的に不可、休日・深夜残業はしない方向で調整してもらっている。

    CASE 2:外資系企業 内部監査部門勤務(40代女性会計士)

    • 会計士歴17年。会計士試験合格後、監査法人に10年勤務の後、アメリカに本社のあるグローバル企業のコーポレート部門に7年勤務中。

    • 現在は、内部監査部門にて部門サブリーダーとして勤務。

    • コロナ前からフレキシブルワーキング(場所や拘束時間を問わず働ける方法)が会社で導入されている。

    • メーカー勤務の夫も海外出張多め。自身の家族は海外に生活拠点がある。義家族は遠方在住。

    • 子供は小学5年生。

    • 家族のサポートがほぼないことからシングルマザー状態のため、仕事の調整がうまくいかず、何度も辞めることを考える。会社と相談した結果、新米リーダーのサポートポジションを新設することで折り合いがつき勤務を継続している。会社側としては、内部監査という業務の特殊性上、新米の育成と実務のケアをしてくれる彼女に引き続き期待をしている。

    お二人とも、状況は違いますが、合間合間で仕事をこなしていることがわかります。子供がいて仕事を続けるなかでも、周囲の理解があり、うまく回していてキャリアを積み重ねている実感もあるようです。やはりキーワードは周囲を信頼することでしょうか。お子さんもその姿をみて逞しく育っているようですよね。監査法人や大手企業では、多様な働き方を導入していることもあり、仕事の量を調整して自身の時間の使い方をコントロールすることが可能になりつつあります。

    マミートラック

    ところで、マミートラックという言葉を聞いたことがありますか?

    マミートラックとは、子育てをしながら働く女性が「出世とは遠い」コースに乗ってしまうことです。子育てと仕事との両立は表面的にはできているものの、サポート業務や責任が重くない業務を担当するため、結果的に昇進や昇給の機会を失うというケースが最も端的な例です。なお、マミートラックのトラックは、陸上競技のトラックのことを指しており、一度マミートラックに乗ってしまうと、なかなかそこから抜け出せないという意味も込められています。

     一般的には、仕事を完全に離れると、家族や自分の時間は確保できる一方で、一度仕事から離れる恐怖やキャッチアップの難しさ、仕事の関係者とのコミュニケーションが切れるといったことを懸念することが多いです。会計士の仕事で考えてみると、完全に仕事から離れることで、業界の動向や新基準のキャッチアップがし難い、担当しているクライアントとの関係が切れる、勤務先の重要局面のフェーズから離れるのは経験値がつかない、といったデメリットもあります。そのため、少しでも仕事と関わりを持っていたいと考える人は多いのですが、時短勤務などに変更すると単調なスタッフワークのみで、仕事へのやりがいを感じられないケースもあるようです。

     今回ご紹介した2人の生き方のように、自身の人生のフェーズに合わせて、周囲の理解を得ながらうまく仕事を続けている人もいます。資格と共にこれまで経験してきた実績を活かして、無理のない範囲でうまく仕事に関わっていくことも可能です。それにはもちろん、様々な協力・ご自身の努力が必要ですし、時には自分のやりたいこととの葛藤があるかもしれません。

     しかし、一時的に仕事の「調整」をしたとしても、できる範囲で続けていくことで、いつか精神的にも物理的にも余裕が出た時の、バネになる(レジリエンス)と考えることもできますよね。個人で長期的な目標を持ち、人生のフェーズに合わせて強弱をつけながら活動を続けていくことで、ご自身の信頼にも厚みが増し、さらには過去の先輩達が築いてくれた信頼を受け継ぐことにもなります。

     本コラムでは引き続き、悩みながらも前に進んでいく皆様のキャリア形成のヒントとなるようなご紹介をしていきたいと思います。


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    この記事を書いた人

    「人と繋がり、可能性を広げる場」CPASSを運営するスタッフ達です。CPASSメンバーは、20~40代まで幅広い年齢層の公認会計士達を中心に、キャリア支援のプロフェッショナルなど様々なバックグランドを持つメンバー達で構成されています。「絶対に会計人達の役に立つ情報発信する」、「CPASSにしか出せない価値を提供する」をミッションとして集まった熱いメンバー達です。CPASS独自の視点からの見解を是非、楽しんでください。

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