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公開日:2022/06/04

  • M&A

【企業インタビュ-vol.1】 M&A×DXで社会問題に立ち向かう!オーナーズ株式会社とは

CPASS運営スタッフの記事

    01.イントロダクション

    企業インタビュ-企画の記念すべき第一回目は、オーナーズ株式会社です。

    オーナーズは、中小企業が抱える課題にM&Aとテクノロジ-を活用して切り込んでいくプロフェッショナルファ-ムです。また、創業者の作田隆吉さんはCPAのOBでもあります。

    先日、作田さんにオーナーズの魅力や同社の目指す未来について語っていただきましたので、ぜひご覧ください!

    作田隆吉さんの略歴

    作田 隆吉
    公認会計士

    慶應義塾大学経済学部在学中の2005年、旧公認会計士二次試験に当時最年少で合格。
    現、EY新日本有限責任監査法人に入社。上場・未上場会社の監査業務を中心に従事。
    2011年、現デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に入社。製造業、テクノロジ-、消費財、流通小売、ヘルスケアなど多岐に亘る日本企業のM&A案件の成功に貢献。
    2013年のデロイト ニューヨークオフィスでの勤務を経て、2015年からはデロイト ロンドンオフィス勤務。Advisory Corporate Finance チ-ムのディレクタ-として、日本企業の欧州M&A案件を多数支援。2019年からは東京オフィスにて、スタートアップ・ファイナンス・アドバイザリー事業を統括。国内外の多岐に亘るスタ-トアップの資金調達やM&A exit、事業開発を支援。
    中小企業のオ-ナ-に求められているサ-ビスを届け、ひいては中小企業の生産性向上や事業承継といった日本の抱える大きな社会課題に取り組むべく、オーナーズ株式会社を創業。

      

    02.インタビュ-本編

    ① オーナーズ株式会社とは

    --オーナーズの事業内容について教えてください。

    当社は、M&A・資産運用の領域で、業界をリードするプロフェッショナルチ-ムの叡智とテクノロジ-を組み合わせたサ-ビスを開発し、中小企業のオーナー様に提供しています。

    当社では、RISONAL(リソナル)というサービスブランドで事業を展開しています。
    具体的には、事業の売り手と専属エ-ジェント契約を結びM&Aサ-ビスを提供するRISONAL M&Aと、事業売却後のオーナー様の資産運用をお手伝いするRISONAL Wealthという2つの事業を行っています。

    --日本経済が抱える問題を解決したいという想いからこの会社を設立したと伺いました。

    そうですね。私はこれまで大企業にフォ-カスした業務を主に行っていたのですが、その過程で日本経済の抱える構造的問題に気が付きました。

    その問題とは「労働人口の大半が、労働生産性の低い中小企業で働いていること」です。

    中小企業庁のデ-タをご覧いただくと、労働人口の約7割が中小企業に勤務していることや、中小企業の労働生産性が大企業の約半分であることがお分かりになると思います。※1
    GDPは人口×労働生産性で定義されますから、人口が減少傾向にある我が国においてGDPを維持・向上させるためには、中小企業の労働生産性を改善することが必要不可欠であると言えます。
    ※1 第1節 企業数の変化と開廃業の動向

    オーナーズでは、大企業にしか提供されてこなかった高いクオリティのサ-ビスを、テクノロジ-を活用することで民主化し、中小企業に向け広く提供していくことで、上記の課題に立ち向かっていきます。

    ② RISONAL M&Aとは

    --中小企業の労働生産性を向上させる手段はいくつかあると思いますが、その中でM&Aを選択された理由を教えてください。

    私自身が10年以上M&Aに携わってきたこと、そしてM&Aが労働生産性に与える影響が特に大きいことが理由です。

    中小企業庁の調査結果では、M&Aによって経営資源の集約化を行った中小企業は、そうでない企業に比べて生産性や売上高などの向上を実現していることが公表されています。※2
    今後、中小企業オ-ナ-の高齢化はより進んでいくと予想されるため、事業承継の手段としてM&Aの重要性はますます高まっていくでしょう。
    ※2 中小M&Aの意義

    --競合他社と異なり、RISONAL M&Aでは専属エ-ジェントという形態を採用していますね。

    そうですね。
    M&A支援サ-ビスを提供する形態は主に2つあります。

    1つ目は、専属エージェントサービスです。この形態は、買い手または売り手と専属で契約を結び、クライアントの利益追求を目的としてM&A支援を行うものです。一般的にはFA(ファイナンシャル・アドバイザリー)と呼ばれているもので、外資系投資銀行や日系証券会社、Big4 FASはこの形態を採っています。
    2つ目は、仲介サービスです。この形態は、仲介会社が買い手と売り手の間に入って、中立の立場でM&Aの実行支援を行っています。中立の立場であるため、買い手と売り手の双方から手数料を取るケ-スが一般的です。

    私たちは、M&Aサ-ビスは専属エージェントの形態であるのが良いと考えています。すなわち、買い手ないしは売り手の「当事者利益の追求」という姿勢が、M&Aサ-ビスの本来あるべき姿だと思います。
    しかし、現在はあるべき姿のM&A支援が中小企業に広く行き届いていません。投資銀行の形態を採る証券会社やBig4 FASは、原則、大企業のみを対象にサ-ビスを提供しているからです。
    そこでRISONAL M&Aは、中小企業にも本来あるべきM&A支援を提供するために、「専属エ-ジェント」の形態を採っています。

    オーナー様との専属契約だからこそ、オーナー様の利益追求を第一に考えたサ-ビスを提供できると考えます。

    --RISONAL M&Aでの業務内容を教えてください。

    RISONAL M&Aでは、主に売り手であるオーナー様に「専属M&Aエージェントサービス」を提供しています。買い手とのマッチングやバリュエ-ション、デュ-デリジェンスの支援など、M&Aの全行程をサポートし、売り手オ-ナ-にとって理想のマッチングと理想の取引条件をとことん追求します。事業売却の前には、企業価値を高めるためのプランもご提案します。

    ③ RISONAL Wealthとは

    --オーナーズでは、RISONAL Wealthというブランドでオーナー様の資産運用支援も行っていると伺いました。そのようなサ-ビスを行おうと考えた理由を教えてください。

    事業売却時のみならず売却後も含めてオーナー様を支援することが、真の当事者利益追求であると考えるからです。事業を売却すると多額のお金が手に入るため、それを運用に回そうと考えるオーナー様は多くいらっしゃいます。

    しかし、個人での運用には限界があり、資産運用に失敗してしまうケ-スも見受けられます。証券会社や不動産会社などは、売る商品が決まっているため、必ずしもその人のライフプランに合った運用提案がなされないという問題もあります。また、M&Aサ-ビスを提供する会社のほとんどは、事業を売却した時点で支援が終了してしまいます。このような現状を改善してオーナー様の利益を追求し、ひいては生涯のサポ-トをすべく、RISONAL Wealthのサ-ビスを始めました。

    --RISONAL Wealthでは具体的にどのようなサ-ビスを提供していますか。

    資産運用のプロが、証券や銀行、保険、不動産はもちろん、あらゆる資産クラスをカバ-しながら、オーナー様目線の資産運用・財産承継を提案しています。オーナー様のライフプランに合わせた資産運用計画を策定することで、オーナー様と売却後の第二の人生をともに歩んで行きます。

    ④ テクノロジ-活用

    --オーナーズでは、テクノロジ-活用をミッションに掲げています。テクノロジ-を活用することの意義を教えてください。

    テクノロジ-を活用することで、M&Aに関する個々人のナレッジをファ-ム全体で共有することができます。その結果、経験の多寡にかかわらずファ-ム内のすべてのメンバ-が高品質のサ-ビスを行うことができるようになり、クオリティの高いM&Aをより多くのオーナー様に届けられるようになります。

    証券会社やBig4 FASでは、M&Aに関するナレッジが属人的となってしまっています。すなわち、ファ-ムに所属する個人の能力をもって高いレベルのM&Aサ-ビスを実現しているのです。これは裏を返せば、経験値の高い人が会社を辞めてしまうとその人頼りとなってしまっていたサ-ビスの提供が困難になってしまうということでもあります。
    証券会社やBig4 FASが属人的なシステムでも滞りなく業務を行えているのは、サ-ビスの提供先が主に大企業であるため、つまり、サ-ビスの提供先が少ないためです。

    しかし、私たちのサ-ビス提供先である中小企業は国内に約350万社存在し、属人的なシステムでは到底太刀打ちできません。中小企業のオーナー様にハイクオリティのサ-ビスを提供するためには、ファ-ム内にナレッジを蓄積・共有させることが必要不可欠なのです。
    そこで、ナレッジを民主化するために、私たちはテクノロジ-を活用します。当社は現在、長年FAサ-ビスに従事してきたプロフェッショナルチ-ムの叡智と、人工知能やデ-タ活用・自動化を組み合わせ、M&Aのナビゲ-ションシステムを開発しています。このシステムを利用すれば、ある程度知識がある人であれば、誰もがM&Aにおいてクライアントの利益追求を支援できるようになります。例えば、ナビゲ-ションシステムに売却案件の属性やオーナー様のご希望を入力することで、条件に適合したストラクチャー分析などを自動で提供することが可能です。

    このように、ファ-ム内のナレッジをテクノロジ-を用いて民主化することで、より多くのオーナー様にハイクオリティのサ-ビスを提供していきます。

    ⑤ 会計士の採用について

    --会計士がオーナーズにジョインする上で活かせる強みや、ジョインしたことで得られる成長機会として考えているものを教えてください。

    会計士であれば、M&Aサービスに関して様々な強みを発揮できます。

    例えば、財務諸表の数値に基づき意思決定できる点や、譲渡ストラクチャ-を詳細に分析できる点、会社法や契約書を適切に読解できる点などが強みとして挙げられます。「ビジネスの総合格闘技」とも呼ばれるM&Aにおいてこれだけの強みが発揮できるのは、会計士だからこそだと考えています。

    また、当社には「攻めの財務」を経験する機会が多くあるため、会計士の成長にはもってこいの場だと思います。監査法人は企業価値の毀損を防ぐ「守りの財務」を行っていますが、M&Aサ-ビスでは利益や企業価値の向上を目指す「攻めの財務」を展開します。監査法人とは別の角度で数値を見ることで、今までにない発想が生まれてくるかもしれません。

    --会計士人材の採用について教えてください。

    積極的に採用していきたいです。

    私たちは今後、ナビゲ-ションシステムの開発段階と完成以降の2段階に分けて会計士人材の採用を行う予定です。
    現在はシステム開発段階ですので、30代以上でM&A経験の豊富な方の採用を進めております。ナビゲ-ションシステムの核となるナレッジを持った方にジョインしていただくことで、システムを良くしていこうと考えているからです。
    そして、システムが完成する予定である来年以降は、オーナー様のサポ-ト業務とシナジ-のあるキャリアを歩んでこられた士業の方を積極採用していきたいと考えています。特に、オーナー様の支援に強みを持つ方や、人とコミュニケ-ションを取ることが好きな方にはぜひジョインしていただきたいです。

    03.まとめ

    いかがだったでしょうか。

    私はこのインタビュ-を通じて、中小企業が抱える社会問題や、それに立ち向かうオーナーズの熱い想いなどについて深く知ることができました。

    以下、私のオーナーズPRになります!

    私のオーナーズ推しポイントは、①専属エ-ジェントという形態であること②ナビゲ-ションシステムの開発に取り組んでいること の2つです。

    ①について、「FA」や「アドバイザリ-」という言葉をあえて使わずに専属契約の形態を表現しているところに、オーナーズのこだわりを感じました。確かに迅速な譲渡が必要な際には仲介サービスが求められるかもしれませんが、当事者の利益追求を一番にするのであれば専属エージェントサービスが良いと私自身も感じています。
    仲介契約を結ぶ中小企業が大多数であるのが現状ですが、オーナーズの成長に伴って専属エージェントがどんどん増えていくことを期待していますし、確信しています。

    ②について、ナビゲ-ションシステムが完成すれば、M&Aサ-ビスを経験していない方でも業界に飛び込みやすくなると感じました。近年非常に人気なM&A業界ですが、このシステムの完成によって人の流入がより活発になり、業界全体がますます盛り上がっていくだろうと思います。

    今後ますます成長していくであろうオーナーズ株式会社、要チェックです!


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    CPASS(シ-パス)

    この記事を書いた人

    「人と繋がり、可能性を広げる場」CPASSを運営するスタッフ達です。CPASSメンバーは、20~40代まで幅広い年齢層の公認会計士達を中心に、キャリア支援のプロフェッショナルなど様々なバックグランドを持つメンバー達で構成されています。「絶対に会計人達の役に立つ情報発信する」、「CPASSにしか出せない価値を提供する」をミッションとして集まった熱いメンバー達です。CPASS独自の視点からの見解を是非、楽しんでください。

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