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公開日:2022/11/11

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やりがいのある仕事で活躍するため果敢に挑戦し続ける、江黒崇史(江黒公認会計士事務所代表)のキャリア!

今回のロールモデルは、江黒公認会計士事務所代表の江黒崇史さんです。監査法人をはじめ、ベンチャー企業のCFO、IPO、M&A、税務など様々なキャリアを経験された江黒さんだからこそ語ることができる各業種のやりがいは必見です。ぜひ、ご覧ください。

    江黒崇史さんのプロフィール

    江黒 崇史

    江黒公認会計士事務所代表
    株式会社E-FAS代表取締役
    公認会計士

    江黒 崇史さんの略歴

    1999年3月早稲田大学商学部卒業
    2001年10月公認会計士二次試験合格
    2001年10月監査法人トーマツ(現、有限責任監査法人トーマツ)入所
    2005年2月株式会社イーツリーズジャパン取締役CFO就任
    2005年8月株式会社アーケイディア・グループに入社
    2007年6月清和監査法人パートナー就任(現、RSM清和監査法人)
    2014年7月江黒公認会計士事務所を設立
    2015年2月㈱E-FAS設立、代表取締役就任

    01. 公認会計士を目指したきっかけ

    ――江黒さんが公認会計士を目指そうと思ったきっかけを教えてください。

    2つポイントがあります。

    1つ目は私の父と長男が税理士、次男が司法書士であったことです。私は、三男なのですが、自分の将来を考えた時に家族に相談したところ「資格を取った方がいいよ。中でも公認会計士は非常に業務の幅が広く、税理士業務もできるからやってみたら?」というアドバイスをもらいました。

    2つ目は、大学の教授から投げかけられた言葉です。当時、大手証券会社とされていた企業が倒産し、そのニュースが報じられた直後の授業で「皆さんの時代はこれからとてつもなく、大変な時代になります。覚悟を持って生きていってください。」と普段は陽気で楽しい先生に真っ青な顔で言われ、自分の将来に危機感を覚えました。その授業が終わってすぐ、生協へ資格試験のパンフレットを取りに行きました。

    そこで初めて、公認会計士を知り、先ほどの家族会議を経て公認会計士を目指しました。

    ――家柄的な理由や、自分の力をつけていきたいということから会計士を目指されたのですね。

    02. 監査法人でのキャリアについて

    ――監査法人時代はどのような業務を担当されていましたか?

    今の監査法人は業種で分けられていると思うのですが、当時は上場企業の監査のみならず上場準備企業の監査やM&A業務も手を挙げれば担当できました。さらに、私はグローバル企業の監査も担当していたので、アニュアルレポートのレビュー業務なども担当することができました。

    4年間の監査法人勤務で幅広い経験ができたことはとても大きな意義がありました。

    03. CFO時代のキャリアについて

    ――法人退所後、ご友人が起業した会社にジョインするという大きな方向転換があったと思うのですが、それはどういった経緯があったのですか。

    監査法人時代の仕事はとても楽しかったですし、正直、処遇にも恵まれておりました。しかし、生意気な言い方にはなりますが、入所後2、3年経った時にこのまま自分がシニアスタッフ、マネージャー、シニアマネージャー、パートナーと進んでいき、大体この年齢ではこういう仕事をして、年収もこれくらいかなという想像ができてしまいました。

    将来について考えている時に、マザーズという新興市場ができてベンチャー業界が盛り上がり始めた頃で、こういう世界もあるということに気がつきました。

    そのタイミングで高校時代の友人から会社を作ったという話をもらい、土日や平日の夜に会って色々と話しているうちに、一緒にベンチャー業界に飛び込んだという経緯があります。

    ――今でこそベンチャー企業に行く公認会計士はすごく増えていると思うのですが、当時はまだまだ少なかった時代だと思います。そのような状況でベンチャー業界に飛び込むことに怖さはありましたか?

    ありがたいことに周りの方からは止められたり、色々と言われたりはしました。

    ですが、会計士試験には受かっていたので、自分の中では万が一何かあってもキャリアを作り直せると思っていました。辞める話をした当時の上司の1人に「江黒に何かあったら絶対また一緒に仕事をしてあげるから戻ってこいよ」という言葉を掛けてくれた方もいらっしゃいました。

    とても迷いましたが、監査法人でのキャリアを続けるよりは違う業界に飛び込んでみることで自分にとってそれが良い経験になるのであれば進んでみようと思いました。

    ――スタートアップ直後は具体的にどのような業務を担当されていましたか?
     

    友人が作ったばかりの会社ですし、会社の人数も数名しかおりませんでしたので管理業務系全部でした。決算を占める業務だけでなく、大きな開発に向けて事業計画や予算、資本政策、資金繰り表の作成だけでなく、ベンチャーキャピタルに電話をしてアポ取りをし、プレゼンをするという資金調達業務全般も担当していました。

    ――監査法人では経験してこなかった業務ばかりだと思うのですが、そのような業務はどのようにして挑戦していきましたか?

    正直言うと、色々と怒られて進んでいきました。IPOの支援業務は行なっていましたが、当時は監査経験しかなかったので、 まずは本屋さんに行ってCFOや経理業務に関する色々な本を買うところから始めました。

    時には私の方から「すいません。この業務について私は初めて担当するので、見本や雛形をいただけますか?」といった形でベンチャーキャピタルの方に厚かましくお願いして、怒られながら勉強していました。

    ――その場その場で調べながら学んでいっていたのですね。

    そうですね。でも、その時はすごく楽しかったということは未だに覚えていて、学びの場として非常に良い環境でした。

    ――スタートアップに飛び込むタイミングが世の中で議論になっていますが、経験がなくてもとりあえず飛び込むことで一緒に学びながら成長していけばいいといったところはありますよね。

    04. プロフェッショナルファームでのキャリアについて

    ――ベンチャー企業のCFOとして色々な経験を積んだ後、再度、プロフェッショナルファームに戻られたのはどういった理由があるのですか?

    資金調達も成功し、決算を迎えたタイミングで今後の方針について友人と話したのですが、そこで方向性の違いを感じました。その結果、このまま同じ会社にいるよりも会計士としてもう一度学び直そうと思いキャリアチェンジを考えました。

    転職先の法人は少人数の会計コンサルティンググループだったのですが、税理士法人も監査法人も併設されていました。その法人の代表の方とお話しした際に、会計コンサルティングだけでなく、監査法人の経験を活かした監査業務や税務経験も積めるので将来、税理士登録もできるというお話を伺い、「ここで働けば幅広い経験が積めるな」と思い決断しました。

    ――キャリアチェンジ後のプロフェッショナルファームではどういった業務を担当されていたのですか?

    まず、会計コンサルティング業務としてIPO支援業務がありました。

    それとは別に大きな業務として、M&Aのアドバイザリー業務がありました。具体的にはデューデリジェンス業務や株価算定業務を担当しておりましたが、この経験は今後のキャリアに非常に大きな影響を与えました。

    ――IPO支援や、M&Aアドバイザリー以外に経験された業務はありましたか?

    併設している監査法人がありましたので、監査法人のスタッフとして監査業務を担当させていただきました。その後、パートナーにも就任させていただきましたので監査法人の経営にも携わらせていただきました。

    転職直後は税理士業務も2割ぐらいさせていただきまして、そこでは仕訳の記帳や決算書、税務申告書の作成業務を経験しました。

    05. 独立後のキャリアについて

    ――専門家として幅広い業務を経験した後、いざ独立という流れになったと思いますが、当時はどのような思い出で独立を決断されたのですか。

    プロフェッショナルファームでの仕事はすごく面白かったです。

    ただ、子供ができて自分のキャリアについて改めて考えた時に「独立したい!」という気持ちを思い出しました。独立せず後悔したまま過ごしたとき、子供や家族に対して「自分はこういう仕事をしているんだよ」と胸を張って伝えることができないと思い、独立を決断しました。

    ――独立した時に、IPO支援とM&Aアドバイザリーの2つを軸に活動されていらっしゃいますが税務をはじめ、他にも業種がある中でその2つを軸に選んだ理由について教えてください。

    自分がワクワクする楽しい仕事だからです。税務業務を経験した時に、自分に合わないのかなと感じました。

    一方で、IPO支援やM&Aアドバイザリーは本当に楽しくて、一生続けられるなと思ったのでこの2つを軸にしようと決めました。

    ――IPO支援やM&Aアドバイザリーのやりがいについて教えてください。

    IPO支援であればクライアントの経営陣と一緒に自分も成長しているという実感を得ることができます。まさに自分がベンチャー企業のCFO時代に作成したような事業計画を一緒に作成したり、ベンチャーキャピタルからの資金調達を手伝ったり、時には、監査法人や証券会社とのミーティングに参加して「こういった場合はこのような処理をしていきましょう」といったように、一緒に会社を作っていくことができる点は大変やりがいを感じます。

    また、M&Aアドバイザリーのやりがいについてですが「買い手の会社様がこの会社を買うことによってどのようなシナジーが生まれて、お互いがどのように成長できるのか。」について考えたり、対象会社のデューデリジェンスや株価算定を通じて、その会社のビジネスモデルを理解したり、強みを見つけたりすることだけでなく、デューデリジェンス上のエラーが見つかった時には、一緒に直して成長していけるという点です。そのような経験が積めるのはとても楽しいです。

    ――今、振り返ってみて改めて感じる独立の魅力とはどういったものがありますか?

    「好きな人と好きな仕事ができる。」これが魅力です。

    また、自分で仕事の設計ができるので自由度も増えます。私は子供の誕生がきっかけで独立したのですが、子供のイベントなども自分で時間を調整することで参加することができたりするので、家族との時間も大切にできる点や、仕事が忙しい時期も当然ありますが、そのような状況下でもスケジュールを自分で調整できるという点は魅力に感じています。

    06. 江黒崇史さんが若い会計士や未来の会計士に向けて伝えたいこと

    ――若い会計士の方や受験生の方でキャリアについて悩まれている方に向けてメッセージをください。

    一歩踏み出す勇気、行動する勇気を皆さんには持ってほしいなと思います。

    やはり、将来のことなので、不安はたくさんあると思いますが公認会計士の資格を持っていればキャリアを立て直すことはできると思います。

    それにも関わらず、自分がチャレンジしたいことを胸に秘めたまま、それとは別のキャリアを選ぶと、自分も辛いし、周りの方に対しても失礼にあたるのかなと思うので、ぜひ、一歩踏み出す勇気、行動する勇気を皆さんには持ってほしいなと思います。

    ――私も、若い方が悩んでいる時に狭い世界観で悩みすぎていると感じることがあるので、このチャンネルを通じて「いや、こんな人もいるし、こんな人もいるよ」ということを伝えたいと考えています。

    とても良いと思います。自分がやりがいを持てる場所は無限にあると思いますし、「会計士で独立するには税務が必要ですよね」とか、「税務やっていますよね?」という相談を受けることが多いのですが、「いや、私はやっていませんよ」とはっきり言うことができます。

    いろいろな分野に手を出すキャリアの道もあるとは思いますが、自分がやりたいことを突き詰めることで「IPOといえばまず江黒さんに聞こう」といったように強い印象を与えることができるので、その点では1つに絞るという道も僕は良いのかなと思っております。

    ――本日は貴重なお話、ありがとうございました!

     


     2022年10月28日(金)に開催された「第1回CPASSパネルディスカッション 独立会計士編」にパネラーとして江黒さんにご出席いただきました!

    この記事では伝えきれなかった独立に関するお話を聞くことができ、イベント後半の交流会パートでは参加者の方々のキャリアに関する個別相談にものっていただきました!

    イベント詳細はこちら


    こちらの記事はインタビュー動画の一部を抜粋して作成しております。ぜひインタビュー動画もご覧ください!

    江黒公認会計士事務所のホームページはこちら

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