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公開日:2021/07/06

  • 100人のロールモデル
  • IFRS
  • 独立

YouTubeでも大人気、IFRSマスターの白井敬祐(白井敬祐公認会計士事務所所長)のキャリア!

公認会計士YouTuberくろいさんこと白井敬祐さん。白井さんのこれまでのキャリアの軌跡と今後の展望、会計士という資格を取って良かったことについてお話しいただきました!

    白井敬祐さんのプロフィール

    白井 敬祐
    白井敬祐公認会計士事務所所長
    公認会計士
    YouTuber

    白井敬祐さんの略歴

    1985年生まれ。香川県出身。
    2008年3月:岡山大学経済学部卒業。
    2010年3月:明治大学大学院会計専門職研究科卒業。
    2011年11月:公認会計士試験論文式試験合格。
    2012年1月:清和監査法人入所。主に中小企業クライアントへの監査業務に従事。
    2014年3月:新日本有限責任監査法人入所。主にIFRSアドバイザリー業務や研修講師業務に従事。
    2015年5月:公認会計士登録。
    2016年1月:有限責任監査法人トーマツ入所。主にIFRSアドバイザリー業務や研修講師業務に従事。
    2018年9月:株式会社リクルートホールディングス入社。連結経理業務や開示作成業務に従事。
    2020年1月:公認会計士YouTuberくろいちゃんねる開設。
    2021年7月:白井敬祐公認会計士事務所開業。

    01. キャリアの変遷、展望

    ーー会計士を目指したきっかけを教えてください。

    大学3年生のときに何か自分の強みになるものが欲しいと考えていました。そんなときに大学の経済学部の先生から、「世の中で、勉強が仕事に直結し、勉強すればするほど仕事で活躍することができるのは医者、弁護士、公認会計士等の士業という職業だ。」と言われ、その言葉に衝撃を受けました。昔から勉強は得意だったので、それが活かせる職業に就きたいと思い、そこから会計士を目指すことにしました。

    ーー合格後の最初のキャリアはどのようなものだったのですか?

    2011年に合格率6.5%という状況で合格したのですが、就職氷河期だったため、30社の監査法人の面接に落ちてしまいました。なんとか清和監査法人だけが内定を出してくださり、入社後は主に中小企業の監査をしていました。

    当時はまだコミュニケーション能力が低かったため、クライアントとも上手く話すことができず、上司に勘定科目の増減内容の説明もできませんでした。上司から怒られて、クライアントからも怒られて、本当につらかったですね。

    ーー清和監査法人から転職したきっかけを教えてください。

    監査では感謝されることが少なく、誰のために仕事をしているのかわからなくなることが多くあり、自分の中で葛藤がありました。

    人やクライアントにもっと喜ばれる仕事がしたいと思い、EY新日本有限責任監査法人のアドバイザリー事業部への転職を決意しました。

    ーーアドバイザリー業務はどのようなものでしたか?

    私が所属していたのは財務会計アドバイザリーサービス事業部(FAAS)という部署で主にIFRSの導入支援サービスを提供する部署でした。

    当時は大手企業がグローバルスタンダードに対応するためにIFRSを導入していく流れがありました。日本の会計基準からIFRSへどうやって変更していくのか、変更した結果どういう影響があるのかを説明したり、クライアントに向けてIFRSの勉強会をしたりしていました。さらに、導入決定後には、IFRS導入のフォローもしていましたね。

    ーー有限責任監査法人トーマツへの転職はどういった経緯があったのですか?

    EYで親しくなったアメリカ人の同僚から、「自分の市場価値は常に把握しておいた方がいい。アメリカ人はみんな常にそうしていて、より自分を評価してくれる会社に行く。」と言われたのがきっかけでしたね。

    ちょうど修了考査に受かった時期だったので、自分の市場価値を確かめたいと思い、転職エージェントに相談しに行きました。

    様々な会社の話を聞いたところ、トーマツが自分を一番高く評価してくださり、自分を高く評価してくれた環境で働きたいと思い、転職を決意しました。

    ーー今のプレゼンスキルのルーツはどこにあるのでしょうか?

    社内の研修講師をやったことが大きな転機となりましたね。

    このときはまだコミュニケーション能力も低く人見知りでいわゆる”陰キャ”と呼ばれるような部類だったのですが、研修講師の話が来て、チャレンジしてみることにしました。100人の前で話すこともあり、最初はとても緊張しましたが、何回かやっているうちに慣れてきて、受講生の反応が変わってくるのを感じました。受講生から感謝されることもあり、それがやりがいに繋がり、人前で話す楽しさに目覚めましたね。

    ーー事業会社への転職の経緯を教えてください。

    4年ほどアドバイザリー業務に従事していたので、自分の成長が止まっているように感じたため、何か新しいことがしたいと上司に相談しました。ちょうどその時リクルートホールディングスが初めてIFRS有価証券報告書の開示向けて準備しているところで、出向社員の募集があったため、リクルートホールディングスの連結経理部への出向を1年間してみることにしました。

    そこで今度は逆に経理部というアドバイザリー業務を受ける立場になってみると、自分が思っていたよりも受ける側には喜ばれていないことを知りました。人に喜んで欲しい、人のためになることをしたいという信念で業務をしていたので、いっそのこと会社の内部に入って業務をしたいと思うようになりました。

    ーー転職した事業会社ではどう過ごされていたのですか?

    出向を終えた後、トーマツとの関係性もあり、リクルートにそのまま入ることはしませんでした。リクルート以外の事業会社を探していたところ、自分を高く評価してくれて年収も高い某大手IT企業に出会い、そこへ転職をしました。

    しかし、その会社はブラック企業だったのです。毎日朝4時まで働いていて、体調がどんどん悪くなっていき、これ以上働いたら危ないと思い、3カ月で退職しました。

    これは私の人生でトップ3に入るレベルのしくじりでしたね。(笑)

    ーーそこからどのようにして、リクルートへ転職することになったのですか?

    退職後、1ヶ月間は無職でした。人生のどん底を味わっているときに現れたのが、リクルートという救世主でした。

    出向時代にお世話になった方と食事に行った際に、誘っていただき、リクルートホールディングスの連結経理部に入社することになりました。

    ーーYouTuberを始めることになったきっかけを教えてください。

    リクルートでの連結経理業務はやりがいはありましたが、経理業務であるためどうしても人前で話すことが少なく、プレゼンスキルが落ちている気がしたので、副業で講師業をやろうと思い、色々な予備校に応募したのですが、どこも雇ってくれなかったんです。(笑)

    そこで、どこも雇ってくれないならいっそのこと自分の世界を創り出そうと考え、会計士YouTuberを始めました。会社員をやりながら企画撮影編集まで自分一人でやるYouTube活動は相当大変でしたが、それでも楽しいので続けていると、コメントで、「このチャンネルがきっかけで会計士を目指すことにしました!」と書いてくださる方もいて、強いやりがいを感じるようになりました。

    今後は、多くの方々に会計を伝えることを仕事にしてきたいと思い、独立し、YouTuberと講師業をメインでやっていくことに決めました。

    ーーCPAで講師をやることになったきっかけを教えてください。

    YouTube活動を続けている時に講師になる夢も諦めきれず、Twitterで何気なく「講師やりたいなー」とツイートをしたら、国見さんからコメントが来て、それがきっかけでCPAの講師をやることになりました。(笑)

    鉄板焼きのお店でお話したのですが、緊張しすぎて、そこで食べたものは砂の味しかしなかったです。(笑)

    02. 仕事する上で大事にしていること(仕事論)

    ーー仕事する上で大事にしていることを3つ教えてください。

    まず、1つ目が、「人に喜んでもらえているかどうか」です。

    相手により喜んでもらえることは何かという軸で、これまでのキャリアも歩んできました。

    些細なことであっても、人が喜んでくれるかどうかを考えて業務を行っていて、自分が主体ではなく、相手の立場になって考えるようにしています。

    相手が何を考え、何を求めていて、相手にとって価値があることは何なのかを意識することを大事にしています。

    次に、2つ目が、「自分が幸せかどうか」です。

    自分が幸せじゃないと、他人を幸せにできないと思っていて、自分が幸せじゃないと良い仕事はできないと思っています。

    幸せかどうかの判断軸は、「お金」、「やりがい」、「プライベート」の3つがあって、どれかが突出していても、どれかが欠けていてもダメでバランスが大事です。この3つがバランスよく満たされていれば、今の自分は幸せであり、良い仕事ができると考えています。

    最後に、3つ目が、「仕事を楽しむ」です。

    世の中の多くの方々は、仕事は楽しくないものだと思っているのではないでしょうか。私自身もそう思いますが、人生の大半が仕事なのに、それが楽しくないともったいないですし、つらくなってしまいます。

    自分の経験上、9割の仕事は楽しくないものであると思いますが、それでも残りの1割は楽しい仕事があると思っています。楽しい仕事は自分の強みがいかせる仕事だと思いますし、会社へのバリューを大きく出せるので、メリハリをつけて、そこに注力することが大事だと思っています。

    それを続けていけば、楽しい仕事の割合がどんどん増えていって、よりバリューを発揮できるようになると考えています。

    03. 会計士という資格を取って良かったこと

    ーー会計士という資格を取って良かったことを教えてください。

    一兆個あるのですが、時間の関係上、3個にとどめてお話します。(笑)

    まず、1つ目が、「精神的に独立して働ける」です。

    会計士は様々な働き口があるので、食い逸れる心配がなく、会社にしがみつかずに生きていけます。

    最悪辞めればいいと思えるので、ブラック企業のような会社でもぱっと辞められます。私が3カ月でブラック企業を辞めることができたのも、会計士だったからです。

    次に、2つ目が、「キャリアの幅が広い」です。

    会計は全ての企業に必要なものであり、会計のトップが会計士なので、キャリアの幅が広いです。大手企業になればなるほど会計の専門性は高まり、会計士の需要も高まっていきます。

    会計士としてのキャリアの具体例をあげると、監査、経理、コンサル、ファンドマネージャー、CFO、講師などのキャリアがあり、数多くの選択肢の中から自由に選べます。私のようにYouTuberにもなれます。(笑)

    最後に、3つ目が、「個人の信用力が格段に上がる」です。

    例えば、ローンを組む際に、会計士という資格に対しての信用力が強いため、会計士というだけで普通のサラリーマンに比べ、条件が格段に良くなります。

    また、自己紹介で会計士と言うと、初対面で信頼を得られます。結婚のご挨拶でもかなり良い印象を持たれ、相手の両親からも高評価をもらえます。(笑) 私は独身ですが。(笑)

    社内の評価という面で考えても、社内で説明する際の説得力が増していると思います。


    「公認会計士YouTuberくろいちゃんねる」はこちらhttps://www.youtube.com/channel/UCVAfxqELHqrUcrBeIYZ3pfA

    白井敬祐さんのTwitterアカウントはこちら
    https://twitter.com/Kuroi_CPA


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