公開日:2024/05/15
有限責任あずさ監査法人 大山千秋
Q:これまでのキャリアと現在のお仕事について教えてください!
入社してから製造業を中心にグローバル企業の監査に従事してきました。米国基準、IFRS会計基準、日本基準の監査を経験し、IFRS会計基準導入支援やIFRS会計基準初度適用監査など現場で指揮をとりました。出産後は、フレキシブルワークプログラムという勤務形態をとりました。これは、残業免除や時短など、勤務時間を調整してもらえるものです。
現在は、監査事業部と、本部組織の会計専門部署との兼務をしています。監査事業部では自動車会社を担当しているほか、自動車セクターの品質管理担当パートナーとしてセクターの品質管理を行っています。本部では人事業務のほか、リースや収益認識の会計トピックチームに入って会計基準の開発に関する議論に参加したり、法人内の会計質問に回答したり、書籍の執筆に関与したりということをしています。入社してから監査一筋だったので、本部の業務は初めてで、まだ慣れていないですが刺激があり楽しいです。
Q:お仕事のモチベーション、やりがいを教えてください!
就職活動の時に入りたい会社が特になく、むしろたくさんの会社を見てみたいと思い、会計士を目指しました。たまたま同じ中高時代の友人が会計士を目指していて、ともに受験を乗り越えました。今ではそれぞれ会計士になって別々の法人や事務所で活躍しています。
監査は、自分がビジネスを行っている立場ではないのに、会社のビジネスの深いところまで見ることができるのが面白いです。自分の知らない世界の扉がどんどん開いていく感じがたまらなく好奇心を刺激します。マネジメントとのインタビューでは、経営者の日本の経済に対する熱い思いを聞いて目が潤むこともありましたし、現場往査では、一般にはなかなか見ることができない戦闘機を視察したことも。日常では、関わることがないであろう話を、いろいろな立場の人達に会い、聞くのが好きです。
クライアントに対しては、財務報告の間違いを発見するだけでなく、会社のガバナンスや内部の体制がより良いものになるよう指導していくのが監査人の重要な役割と認識しています。そのような気持ちが伝わり、相手から信頼されて良いコミュニケーションがとれると、自分の仕事に自信をもって取り組むことができます。
また、意外に思われるかもしれませんが、会計士は、働きながら育児をする女性に実は合っている職業だと思っています。働く女性は、子供を持った途端に働く時間が制限され、チームメンバーが忙しそうにしているなかで早く帰ることに申し訳なく思う人もいると思います。私もそうでした。でも、監査法人では、通常1つの業務だけを実施している人はほぼおらず、複数のエンゲージメントを担当し、それぞれ別々のチームで業務しています。なので、ある人が他社の仕事で忙しくて不在ということが普通にあり、それが育児対応による不在に置き換わったところで同じ話だなと思うようになりました。「私は家の仕事をしている」と心の中で思うようになってからは、職場への罪悪感は消えました。
たまに緊急対応も発生するなかで、色々なタスクを緊急度や優先度の高いものに比重を置きながら、業務時間をやりくりして皆さんこなしています。育児対応の時間も、監査のタスクと同じようにとらえれば、やりくりすることができるため、柔軟に調整ができる環境ではないかと考えています。
加えて、会計士は専門職なので新人からプロフェッショナルとして扱われるフラットな組織で、誰でもなんでも発言できます。このようなあずさ監査法人の雰囲気が個々人の働きやすさや、やりがいに繋がっていると思います。
Q:スキルアップのためにしていることを教えてください!
残業時は母の助けを得ながらも、平日はほぼワンオペに近いので自由時間が枯渇しており、スキルアップは主に仕事中にというスタイルです。仕事外でやっていることと言えば、海外駐在をしていないことから英語のレベルが高くないため、毎日夕食後に外国人の先生から10分電話をかけてもらうレッスンを長年続けています。
仕事中は、もともとわからないことがあると嫌な性格なので、自分の求めるレベルで仕事をすることがスキルアップにつながっていると信じています。特に監査では自分の発言や判断が、自分が監査チームを抜けた後も何十年と使われ続ける可能性があります。中途半端な回答はあとで取り返しがつかないことになるという心構えで、自分の満足いく答えを導くようにしています。
また、若手から「どうしたら成長できますか」とよく聞かれるのですが、その場合はこう答えています。「ポジティブに仕事に取り組むことが一番大事で、例えば上司からの大量のレビューコメント(ダメ出しのようなもの)をもらうと仕事が増えて嫌な気分になるかもしれないが、貰える言葉は宝物。なぜ相手はそのような指摘をしたのか背景まで想像して色々な人の色々な考えを吸収していくと、答えのない監査の世界で、利害関係者の意見を想定しながら自分の意見を形成することができるようになるよ」と。なんでも前向きに取り組んでいる人は成長します。
Q:自分へのご褒美は何ですか?
ワインを飲む時間がご褒美です。2年前からワインの世界に興味をもち、今年ワインエキスパートの資格を取得しました。ジムに行った帰りに、通り道のワインショップで数杯試飲することもあるのですが、店長から健康なのか不健康なのかわからないねと言われ、その通りだなと思いました。
Q:仕事とプライベートそれぞれ目標や夢を教えてください!
一流企業のマネジメントと対等に渡り合える上司陣を見ていると、自分がそのようになれるのか想像がつかないのですが、自然体で経験を積んで今よりさらに上のステージにいけたらと思います。また、パートナーになり法人内では従業員を雇用する側になりましたので、自分が出産後働きやすい環境を整えてくれた上司達への感謝を今度は若い人たちに返していく番だと思っています。もっと働きやすい職場になるよう自分にできることを考えていきたいです。
プライベートでは老後どうしようかという話を、よく同僚とおしゃべりしていますが、未知の世界です。
Q:育休復帰後の働き方の工夫を教えてください!
「お母さんが笑顔でいるのが一番大事」とよく自分に言い聞かせています。
皆さんおっしゃることですが、満点を目指さず、できるレベルで折り合いをつけていくこと、外部のサポートを上手に使うことでしょうか。男性も、もっと早く帰宅して家庭のタスクにも関与して分かち合って欲しいなと思います。
Favorite
Food:#甘いもの全般(特にチョコ)
Movie:#アバウト・タイム
Person:#神崎恵
Comedian:#千鳥
Motto:#中庸
PRIVATE PHOTOS
仕事アイテム
自動車ミニカー型のマウス:お子さんのおもちゃ持ってきたんですか?と、会社で周囲から聞かれますが、こちら車型のマウスです。
リラックスアイテム
お酒の小瓶:今年、ワインエキスパート受験時に知った豆知識で、小瓶に入れ替えるとお酒が長持ちするため普段小瓶に入れ替えてちょい飲みしています。
プライベート
仲良しの同僚と休暇がとれた日に日帰りで山梨のワイナリーに行きました!
この記事を書いた人
「人と繋がり、可能性を広げる場」CPASSを運営するスタッフ達です。CPASSメンバーは、20~40代まで幅広い年齢層の公認会計士達を中心に、キャリア支援のプロフェッショナルなど様々なバックグランドを持つメンバー達で構成されています。「絶対に会計人達の役に立つ情報発信する」、「CPASSにしか出せない価値を提供する」をミッションとして集まった熱いメンバー達です。CPASS独自の視点からの見解を是非、楽しんでください。