公開日:2024/12/12
ユーフォリック株式会社/小松原まどか
Q:これまでのキャリアと現在のお仕事について教えてください!
会計士を目指す前は、数年間ほど美容部員(BA)として働いておりました。もともと美容は大好きだったのですが、一方で、当時のBAの働き方や待遇は決して恵まれたものとは言えず一生続けることは難しいだろう、と思っておりました。そんな中、(私は3人きょうだいの真ん中なのですが)兄は建築士、妹は弁護士を目指していたのを間近で見ていたこともあり、家族の中で私1人だけ何もチャレンジできていないのではないか、という漠然とした焦りや、もう1度本気で勉強に励み何かしら専門性を持ちたいという思いが芽生え、資格図鑑等で色々な資格を調べているうちに公認会計士について知りました。時期的にもJ-SOXが本格化する前で会計士のニーズが高まっていることを知り、一念発起で、BAを辞め、会計士試験にチャレンジすることを決めました。
合格後は、当初は地元に残る予定で、監査法人トーマツ(名古屋事務所)に入所し、様々な業種の監査業務に従事しました。その後、結婚・出産を経て、夫の仕事の関係で東京事務所のテクニカルセンターに異動し、そこでは「会計情報」という情報誌や出版本の校閲などを担当しました。さらに、夫の海外駐在(インドネシア)が決まったため、監査法人を休職し家族でジャカルタに移住します。初めての海外生活では、異文化に触れたことで価値観が大きく変わりました。会計士になり10年以上1つの監査法人に在籍していたので、法人内で理想とされるキャリアと育児の両立に悩むことも多かったのですが、インドネシアの方々の大らかさ・寛容さに触れたことで、自分軸で幸せの優先順位を決めて良いのだと気付き、その結果、この瞬間しかない息子との時間を大切にしようと決断できたのは今振り返っても財産だと思っています。帰国後、監査法人を退職し、しばらくは息子の中学受験のサポートに専念しました。
化粧品会社「Euphoric(ユーフォリック)」を設立したのは、インドネシアから帰国した翌年のことです。20代の頃から敏感肌に悩まされていたのですが、インドネシア滞在中に、そんな私の肌にも唯一フィットし信頼していた化粧品が販売中止になることを知りました。急いで代替品を見つけなければならない、と沢山の化粧品を試したのですが、どれもしっくりこず…(もちろん、当時も高級品を試せば見つかったのかもしれませんが、高い金額を払って合わなかった時のショックを考えると手が出せませんでした)。お肌の調子が悪いと、それだけで気分が下がってしまい、全部が上手くいかない…”自分のインフラが整わない感覚”とでも言うのでしょうか、そんな悶々とする思いを抱える日々が続きました。加えて、私だけの悩みならまだしも、監査法人時代に仲の良かった先輩や同僚も共通の悩みを持っていたことから、”もったいないな””何とかできないかな”という葛藤がありました。ただ、当初は将来的に化粧品会社を起業するとは全く想像していませんでした。
運命を大きく変えたのは、40歳の誕生日に母から届いたLINEでした。そこに書かれていた「大台に乗ったので新しい夢、希望を見つけて人生設計してくださいね!!」という一文にハッとさせられました。実は、それまでは第2子出産のために妊活をするも上手くいかない時期が続いていました。そんな中、母からの”新しい夢、希望”というメッセージを見て、「敏感肌に悩む人を助ける化粧品を自分が作る!」というのを次のチャレンジにしようと決意しました。開発まで2年もかかりましたが、試作段階で同じように敏感肌で悩む多くの方に協力してもらい、”絶対に製品化して欲しい!”と背中を押してもらったことが支えとなり、乗り切ることができました。多くの女性が、メイクをしてお気に入りの洋服を着た時の”ルンルン気分”を経験したことがあると思いますが、プロデュースした化粧品がその一助になるよう願いを込めてルンルン気分・多幸感を表す”ユーフォリック”というブランド名にしました。また、ブランドロゴである羽のモチーフは息子の発案でお気に入りです。起業にあたり、設立の手続きから年度の税務申告など、一切委託することなく全て自己完結できました。現在も(梱包や発送の一部業務を除き)全ての業務を1人で行っています。
さらに、最近では、監査法人でも非常勤として働きはじめました。化粧品会社を設立し、実業家の道を極める道もあるとは思いますが、他方で、公認会計士としてのキャリアをあきらめてしまうのももったいない、専門知識を使って社会貢献したい、という思いの方が強くありました。監査業務自体は数年のブランクはありましたが、その間、起業経験を積んだことで、現場に戻った際に、クライアントのビジネスをより俯瞰的に捉えるようになっていると気付き、昔よりもクライアントとのコミュニケーションのとり方も自信をもてるようになっています。働き方にも配慮してくださり、非常に良いバランスでお仕事させていただいていると実感しております。
Q:お仕事のモチベーションややりがいを教えてください!
上述したとおり、現在は化粧品会社の代表と監査法人非常勤の二足のわらじですが、前者は敏感肌でお肌が荒れていた方がユーフォリックの化粧品を使いお肌の調子が良くなったと仰ってもらえた時、後者は理性的で優秀なメンバーと合理的に仕事が進めることができる点にやりがいを感じています。
Q:自分へのご褒美は何ですか?
私は小刻みに自分にご褒美を与えるタイプで、欲しいもの・食べたいものは、いつも自分へのご褒美と思ってその場で買ってしまいます(笑)
特に、今後はアクセサリーを集めていきたいと思っているところです。
Q:育休復帰後の働き方の工夫を教えてください。
大手監査法人時代に産休育休を取得しましたが、育休復帰後は1時間の時短制度を利用し、16時半には業務を切り上げていました。たった1時間で何か変わるのか、と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、17時半までに子供のお迎え、18時から夕飯の準備、19時から夕飯というルーティンをこなすためには貴重な時間でした。ただし、16時半に帰宅できるよう配慮いただいていたことについては感謝しかありませんでしたが、他方で、時間制限をしていることで経験や知識が劣り出世も遅れるというモヤモヤ感は正直なところ最後まで克服できなかった気がします。
若い頃は結婚願望も漠然としており、せっかく会計士試験に合格したからには、最初に入所した大手監査法人でできるだけ上の職階を目指したいと思っていました。しかし、特に出産を経験して、私自身の感覚も大きく変わりました。具体的には、これまでの人生は自分自身が主人公だと思って自由に生きていたのに対し、出産後は、子供があっての私、子供を育てていくことが最優先という価値観に変容していきました。仕事復帰してからも、平日は仕事にコミットしている分、土日は子供に全振りしたいと思いながら、どちらも完璧にできないもどかしさに苦しんだ日もありました。
私自身は上述したとおり、海外移住で異文化に触れたことがキッカケで自分軸で生きることを決意し、そのタイミングでは子供と過ごす時間を優先し、その引き換えに入所当初に思い描いていた監査法人で上の職階を目指すという夢については目を瞑りました。もちろん、どちらも両立している方はいらっしゃいますし、職階やタイミング次第では辞める以外の選択肢もあったのかもしれませんが、当時の選択について今も後悔はしていません。それでも、子供も大きくなり手が離れるようになると、自分もキャリアアップしたい、社会貢献したいという感情が再燃し、ご縁のあった現在非常勤で働いている監査法人で、これまでの経験を活かして働くことができています。その時々の自分の大切にしたいものを優先してキャリアメイキングできるのも、この資格の魅力だと実感しています。
Q:今後の目標や夢を教えてください!
プロデュースした化粧品が敏感肌化粧品としてNo1の知名度になるように頑張りたいです。私自身も敏感肌で困っており、また、同じように悩む女性の支持を得て開発した化粧品なので、ユーフォリックの商品を使って笑顔になる女性を増やしたいです。
また、現在監査法人にも非常勤で働かせていただいておりますが、チームの一員としての意識をしっかり持ち、期待以上のパフォーマンスを発揮して頼りにしていただける存在になりたいです。そのためにも、”自分にできることは進んで手を挙げてやらせてもらう”という積極的な姿勢を大切にしています。例えば、イレギュラーな合併や買収など検討に時間がかかる案件が生じた際は、積極的に手を挙げじっくり調べて検討する等1つ1つのチャンスを大切にし、信頼を築くようにしています。現時点では非常勤ですが、いずれは常勤に切り替え上の職階を目指す、または、他の会社で監査役にチャレンジすることも視野に入れています。
Favorite
Book:#美スト(読者モデルとして定期的に出演させていただいております!)
Motto:#やりたいことは全てやり、遊ぶように生きる
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仕事アイテム
15年ほど愛用しているボロボロの電卓。
リラックスアイテム
私自身もユーフォリックの化粧品を愛用しています!
プライベート
アフターヌーンティーはテンションがあがります♪
この記事を書いた人