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公開日:2024/06/10

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【関西会計士のロールモデル】企業再生のスペシャリストを目指す!勝田賢次(株式会社わかば経営会計)のキャリア!

今回のロールモデルは、株式会社わかば経営会計パートナーの勝田賢次さんです。

勝田賢次さんは、監査法人でキャリアをスタートさせ、現在は株式会社わかば経営会計で中小企業の再生業務に取り組んでおられます。

勝田さんには、自身の経験や再生業務の魅力について深掘りしてお聞きしましたので、ぜひご覧ください。

勝田賢次さんプロフィール

勝田 賢次

株式会社わかば経営会計 パートナー
公認会計士
税理士

大学4年次に公認会計士に合格。

大学卒業後、有限責任監査法人トーマツへ入社。
監査部門とRA部門(当時のERS部門)を兼務。

その後、製薬会社での勤務を経て、株式会社わかば経営会計に入社。
わかば経営会計では、中小企業の再生業務に取り組む。

勝田賢次さんの略歴

2012年:公認会計士試験論文式試験合格

2013年:有限責任監査法人トーマツ入社

2019年:製薬会社に入社

2020年:株式会社わかば経営会計に入社

INDEX

①会計士を目指したきっかけ〜監査法人での経験

②転職のきっかけ

③わかば経営会計での経験

④再生業務の魅力

⑤若手の会計士や受験生へのメッセージ

01.会計士を目指したきっかけ〜監査法人での経験

ーまず、勝田さんが会計士を目指したきっかけを教えてください。

当時、会計士受験が流行っていて、影響を受けたというのが大きいです。会計士について調べる中で、一般企業に就職するのもいいけど、専門職として手に職をつけるのもいいかな〜というイメージだけで勉強を始めたのが正直なところです。財務会計が楽しかったのも大きく、そのまま勉強を続け、短答式試験に大学3年生の時に合格しました。ちょうどその時、ベンチャーの就活をしていて内定をもらい、そちらにも心惹かれたのですが、最終的にはその内定を辞退し論文式試験の合格を目指しました。試験に無事合格することができ、大学卒業と同時に監査法人トーマツに入所しました。

ー最終的に内定を蹴って論文式試験を目指したのはどういったお考えからでしょうか。

ベンチャーの内定先が東京で、とにかく大阪を出るのが嫌だったので、転勤が基本的にない監査法人勤務が良いかなと思ったというのがまず一つ大きな理由です。もう一つは、親からベンチャー企業への就職を反対されたというのがありました。せっかく公認会計士の一次に受かっているのにそれを捨ててまで、、、と責められた記憶がありますね。親世代からの気持ちはすごく理解できました。笑

ー監査法人ではどういった経験をされたのでしょうか。

監査法人には丸6年間在籍し、最初の3年間は監査とRA(リスクアドバイザリー)を兼務し、残り3年間は監査一本でした。監査では、USGAAPやIFRSに触れ、関西では当時唯一のPCAOB対象だったクライアントを監査していたので、最高峰の監査水準で監査をしていたと思います。RAの業務で、監査では普段使用しないパワーポイントについての基礎ができたり、監査とは違う視点で会社の支援を行うため、監査では公正中立、RAでは会社側という両方の立場を経験できたのは面白かったなと思います。

ー最初に兼務から始まったのはどういった経緯からでしょうか。

兼務してみるかと、当時のRAの部門長の方に言われたのがきっかけです。とても迷ったんですが、自分なりに頑張ってスピード感のある成長をしたいと思い、兼務を決めました。

02. 転職のきっかけ

ー監査法人を退職された後、製薬会社を経てわかば経営会計に入社されたとのことですが、転職を決めたきっかけは何でしょうか?

製薬会社は、製薬会社の執行役員の方と知り合いだったRAの上司が誘ってくれたのがきっかけです。実は、わかばに関しても、トーマツの先輩がわかばに入社して、誘ってくれたのがきっかけで、面接を受け、内定をもらっていました。その後に、製薬会社の方に誘われたという状況で、2社を天秤にかけた時に、当時は再生業務に興味はあったものの具体的な業務のイメージができず、当時のわかばの売上が1億円くらいで少し心配な面がある一方、製薬会社は上場もしている大きな会社だったというのもあり、製薬会社に決めました。

製薬会社に行った後も、わかばの社員の方と会話をする中で、わかばでできることの方が明らかに面白そうだと感じたのと、これから育っていくコンサル会社の中で組織をリードしていく立場になれるという大きなチャンスがあると感じました。また、将来の独立などもイメージした際に、わかばに行った方がいいのかなという思いが芽生え、わかばへの入社を決めました。振り返ってみて今でもその選択は正解だったと思っています。

ー製薬会社ではどのような業務を経験されましたか。

製薬会社ではリストリクテッド・ストックの導入、監査等委員会設置会社への変更に伴う制度設計、監査等委員の補助者など、本当に色々なことを経験した濃い1年間でした。

ー監査法人、製薬会社、わかば経営会計それぞれで様々な経験をされていると思うのですが、キャリアを考える上での軸はありましたか。

正直、その3つに一本の軸はなくて、キャリアについては長い間模索していました。働き出すまで自分がどんな働き方をしたいのか見えておらず、自分の性格として人に感謝されたい、距離感が近い中で人のためになることをやりたいということで模索し続けていました。監査法人では公正中立な立場でしたし、製薬会社では会社の特命部隊で会社のためにはなっているけれど、大企業ということもあり、自分が行っている業務がダイレクトに誰かに貢献できていると感じることができませんでした。一方、わかばで携わっている再生業務は、顧客と近い距離で仕事ができ自分の性格にあっていると思います。

03. わかば経営会計での経験

ーわかば経営会計ではどのようなことをされているのでしょうか。

メインの業務は企業再生です。「企業再生とは」というところだと思うのですが、人間で言うところのお医者さんに近いことをやっていて、健康診断で見つかった悪いものを取り除いて、通常の体に戻すというようなものです。

具体的には、財務デューデリジェンスで企業の財務状態を把握し、決算状態は正しいのか、資金繰りはいつまで持つのかといったことを診断していきます。同時に事業デューデリジェンスを行い、この企業が持つ強みは何なのか、この業界でこの企業はどういった施策を取れば挽回していけるのか、もしくはもう事業性はないので傷が浅いうちに撤退した方が良いのか、などの判断を専門家として行っていきます。各デューデリジェンスから出た結論をもとに、まだ挽回のチャンスがあるという結論であれば再生の計画を、もう早期に廃業等をすべきという結論であれば廃業の計画を、それぞれ作成します。

ー仕事をする中で感じる、監査と比べてみた企業再生の特徴は何でしょうか。

例えるなら、監査は健康な人がいい服を来ていて、それを見て糸がほつれていますよと指摘するようなもので、企業再生は今すぐ精密検査をしないといけないような人を実際に見た上で、手術するようなものなので、対面する企業もやっていくことも全く違います。また、クライアントは監査法人と異なり中小企業なので、会社の規模感が小さい分、距離間は近くなるので、自身の業務がダイレクトにクライアントに貢献できているなというのを感じます。監査法人で監査をやっていて会社の資金繰りを気にすることなんて相当特殊なことが起きないとあり得ないと思います。笑

ー企業再生業務を行っていて、監査法人で働いていた時と比べてマインドチェンジしないといけないことはありましたか。

公正中立な立場ではなく、会社側の立場にならないと再生はできないというところで、例えば、内部環境分析では、外部からの視点ではなく、自分が経営陣と一緒になって考えないとわからないことがたくさんあります。監査では基本的には持たない視点だと思うので、そこはマインドを変えないといけない部分の一つだと思います。

ーわかば経営会計で働いていて、監査法人時代の経験が生きたことはありますか。

RAで培ったクライアントの立場になって業務をするという、立ち位置や考え方という部分は間違いなく参考になっています。また、監査の経験においても、当時のクライアントはPCAOBの検査が来るなかで、 一ミリたりとも論理が崩れてはいけないという状況の中で調書を作るというのは、すごくためになったと思います。再生の私的整理でも常に合理的な説明が求められるため、そこに役立つ論理の組み立て方の基礎は、監査で培うことができたと思います。

ー逆に監査法人時代に経験しておけばよかったことはありますか。

自分自身がそうだったので、監査のみの経験でも再生事業はできるとは思います。ただ、監査法人内で経験値として何か持っておくという話であれば、 FAS(監査法人ではなく別法人かもしれませんが)での経験はかなり役に立つと思います。ただ、FASに行って直接的な経験を積むということも大事ですが、監査法人でベーシックスキル、考えきる力というのを鍛えて欲しいと思っていて、それがあれば結局は何をやっても大丈夫だと思っています。

ー監査法人でシニアは経験しといた方が良いと思いますか。

シニアを経験すると、監査法人でスタッフを管理することになると思います。ここで完全なプレーヤーとしてではなくマネジメント側のスキルが少なからず自然と身につくと思うので、シニアはやった方がいいと個人的には思います。人を動員しながら、自分の責任と権限の下でプロジェクトを遂行するという経験は絶対にした方がいいと思います。

04. 再生業務の魅力

ー再生業務をしていて喜びを感じる場面はいつでしょうか。

だめかもと思って相談に来られた会社が復活してくれるのはすごく嬉しいですね。また再生業務に限った話ではないですが、案件で入る中で信頼を得て次の業務をもらえた瞬間も嬉しいなと思います。ネットワークが広がっていくことにやりがいを感じます。

ー再生業務の楽しさはどのようなものでしょうか。

当事者として会社に寄り添い、一蓮托生でやっていくというのはダイナミックで楽しいなと思いますし、とても感謝され、喜ばれるシーンが多いと思います。日本における企業数の99%を占める中小企業の倒産を防ぐことは、従業員の雇用維持等の観点からもとても市場のためになっていると実感できる場面が多くあるのも魅力かなと思います。例えば、ひとつの事例として、介護事業で破産寸前となった会社の支援で、なんとかスポンサーを見つけて事業を継続させ、介護施設に入居している方が路頭に迷うのを防ぐことで、社会のためになっていると感じましたし、従業員の雇用も守れたことでやりがいを感じました。また、再生業務を行う中で、色んな業種に詳しくなれるというのも面白さの一つだなと思います。

ー今後の展望を教えてください。

再生業務のスペシャリストになりたいです。再生業務で名の通っている会計士は数えるほどしかいなくて、業界の第一人者になりたいというのが今の目標ですね。再生業務で会計士を呼ぶならあの人というような存在になりたいですね。

05. 若手の会計士や受験生へのメッセージ

心から楽しんでできる仕事をすることで人生の価値が上がると思います。好きな仕事をしているときは、自分の成長度合いも全く違ってくるので、好きな仕事を見つける努力というのは、人生におけるゴールに向けての近道だと思っています。監査法人所属の方であれば、まずは本気で監査をやって、ベーシックスキルを身につけて欲しいです。誰にレビューされても文句の言えない調書を作るくらい、ロジカルな人になった方がいいと思います。その中で監査が1番面白いと思うのであれば、監査をやるのが間違いなくて、もし監査じゃないなと思う瞬間があるのであれば、自分でアンテナをはって色んな人に話を聞きに行って欲しいです。僕も再生業務なんてそもそも全く知らなかった中で、わかばの先輩に話を聞くことで自分が今まで知らない再生の世界を知ることができ、今があると思っています。思いきって色んなイベントに出たり、色んな人に話を聞いたりしながら、自身の会計士としてのキャリアを身につけて行ってほしいなと思います!

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