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公開日:2025/10/21

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【関西会計士のロールモデル】ママで常勤監査役に大活躍!女性会計士の先端を行く桂氏の軌跡

はじめに

本インタビューは、公認会計士としてのキャリアを追求し、自らの道を切り拓いてきた桂真理子氏の実体験を通して、挑戦する意義や「自分にとっての正解」を創り上げていくことの大切さをお伝えします。

監査法人での充実した経験から、子育て期間を経て常勤監査役としてIPOを達成するまでの軌跡は、多くの会計士、特に女性会計士にとっての羅針盤となるでしょう。

会計士を志したきっかけ

――まず会計士を目指したきっかけを教えてください。

会計士を志したのは、高校1年生の頃でした。父から『一生働くなら資格を取ったらいい』と言われ、個人的には税理士を考えていたのですが、担任の先生に相談したら『公認会計士というスペシャリストな仕事があるよ!』と教えてもらったのがキッカケです!

公認会計士はお会いしたこともなかったですが、先生からお話を聞いた瞬間『かっこいい!』と思い、言葉のイメージだけで選びました(笑)
中でも『会計のスペシャリスト』や『企業ドクター』、『女性がやりがいを持って働ける』という言葉に惹かれましたね。

大学時代と監査法人での経験

――その後、監査法人でのキャリアについてお聞かせください。

会計士については大学生の頃に専門学校に通いながら、合格できました。
合格後は、監査法人トーマツの大阪事務所に入社。監査部門に約7年間所属しておりました。トーマツでは上場会社や上場準備会社の監査業務が100%。監査の仕事は『めっちゃ楽しい』と感じていました。

あと、不正などが起きると『なぜ不正が起きたのか?』を色々と調べていくのですが、それがパズルというか謎を解くような感覚で、コナン君みたいに推理する感じが本当に面白かったんです。

監査法人での葛藤とキャリアの転換点

――監査法人で充実した日々を送る中で、キャリアの転機となった出来事はありましたか?

そうですね、同期がマネージャーに昇格したとき、私は昇格できなかったんです。それが、負けず嫌いな私にとって大きな挫折でした。
『めちゃくちゃ悔しくて、こんなところおるん嫌や』と思いました。

また、タイミング的にも30歳手前でしたので、これを機に『一度休もう』と決意して、出産も重なったので育児休暇に入りました。

――育児休暇を経て、復職を決意したきっかけは何でしたか?

育児休暇中は子育てに専念していましたが、ある日、幼稚園に子どもを送って家でゲームをしていたら、課金しそうになって『カッキーン!』って目が覚めて、『遊んでる場合ちゃう!私、会計士やった。働こう!』と思い、復職を決意しました。

公認会計士という資格があったおかげで、決意後はすぐに監査のアルバイトから現場に戻ることができました。
その時に『資格を取って良かったな~』と強く思いましたね。

常勤監査役としての挑戦とIPO達成

――復職後、常勤監査役の道に進まれたのはなぜですか?

育児休暇中はほとんど情報収集をしていなかったのですが、復職を決意してからは意識的に『外に出る』ようにしました。
OB会や会計士協会の研修などに顔を出すうちに、多様な働き方を知るようになりました。

監査法人の中は閉ざされた世界になりがちで、当時は『外に出る必要がないぐらい完成されたビジネスモデル』だと感じていました。
しかし、外に出て初めて知らなかった世界がすごく開けたんです。

ある時、子供に会計を教える『ハロー!会計』というイベントで出会った先輩から『常勤監査役やらない?』と声をかけられたんです。

監査法人時代から、監査役の方々をリスペクトしていて、『いつかは絶対常勤監査役になりたい』と思っていたんです。
また、ママでも常勤監査役として働けるキャリアがあることを知り、柔軟性がありながらも、責任ある職務を全うできる働き方だと聞いていたので、『やりたい!』と即答しましたね。

――常勤監査役として、IPO(新規株式公開)達成の難しさとやりがいについて教えてください。

最初に常勤監査役として入った会社は、結論から言うと残念ながら上場できませんでした。5年間いたものの、上場は本当に難しく途中で断念することになったんです。
監査法人時代に多くのIPO準備企業を見てきましたが、自分が当事者になって初めてその難しさを痛感しましたね。

その後は、3社目で無事に上場を達成することができました!振り返ると、上場を達成できた一番の要因は『社長の意思』だと考えます。『絶対上場するんだ』という社長の強い意思が、何よりも重要だと感じました。

また、IPO準備はチームプレイが鍵です。
監査役は単に経営を監視するだけでなく、会社に深く溶け込み、良い関係性を築きながら適切な助言をすること。あるべき論だけを振りかざすのではなく、『会社の状況はこうだから、せめてこうしよう』と寄り添い、会社の中に溶け込んでいくことが大切です。

上場を達成した瞬間は感無量でしたね。IPOはチームワークで作り上げていくものだと実感した瞬間でした。

独立、そしてこれからのチャレンジ

――現在は独立され、どのような活動をされていますか?今後の展望についてもお聞かせください。

常勤監査役として上場を達成した後のキャリアとして、現在は複数社の社外役員を務める傍ら、KMTパートナーズという女性役員の紹介会社を立ち上げました。周囲の方々に様々な御縁をつないでいただき、支えられてこその今があると感謝の日々です。

また、日本公認会計士協会近畿会の広報副部長も務めており、『ハロー!会計』の講師を続けていますし、日本監査役協会関西支部の幹事として監査役の研修会等にも積極的に参加しています。

様々な活動に携わっていますが、今もまだキャリア迷子なんです。でも、極めたい道は決まっています。

監査役としてのキャリアを極めたいですし、IPOのプロセスをみんなで作り上げていくのが好きなので、『人生の集大成になるようなIPO』をもう一度したいという強い想いもあります。

私のキャリアは再現性が低いかもしれませんが、『意思決定のやり方』には再現性があると考えています。両手に持てる荷物には限りがあるからこそ、その時々で取捨選択していく…
そして、自分が一番になれるところを選んでいくことが重要だと感じています。

若手会計士へのメッセージ

――最後に、若手会計士の方々へ向けたメッセージをお願いします。

若手会計士の皆さんには、『可能性を狭めないでほしい』と強く伝えたいです。今の仕事をこなしていたら安心などと思わず、自分が面白そうと思ったことには、目先の収入はあまり気にせず、飛び込んでみるのが良いと思います。多様なキャリアは将来、大化けしますから。

また、キャリアに悩んでいる若手会計士には

『迷っている暇があったら、目の前の仕事に一生懸命取り組んだほうがいいよ!』と伝えたい。

公認会計士は最強の資格です。私もこの資格を取ったことで、こんなにも人生が開けるとは思っていませんでした。

どんなシーンにも生きる強い資格だと確信しています。

だからこそ目先の安定や、キラキラして見えるものだけを追うのではなく、今の仕事を着実に積み上げて『確かな実力を身につけること』。

常に実力をつけ続けていきましょう。

~fin~


こちらの記事はインタビュー動画の一部を抜粋して作成しております。ぜひインタビュー動画もご覧ください!

 

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