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公開日:2024/10/18

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【関西会計士のロールモデル】M&Aを活用し会社の成長を加速させる!常川陽介(株式会社JRC)のキャリア!

今回のロールモデルは株式会社JRC 取締役CFO兼CSO兼戦略投資部部長の常川陽介さんです。常川さんは監査法人でキャリアをスタートさせた後、コンサルティング会社、PEファンドを経てJRCに入社されました。

常川さんには会計士を目指したきっかけから監査法人やJRCでの経験、キャリアの中で大切にしていることなど様々お話しいただきました。是非、ご覧ください!

常川陽介さんのプロフィール

常川陽介(つねかわようすけ)

株式会社JRC 取締役CFO兼CSO兼戦略投資部長 公認会計士

2010年 EY新日本有限責任監査法人(大阪事務所)入社

2012年 アドバイザリー部に移籍(現EYストラテジー&コンサルティング)

2015年 デロイトトーマツコンサルティング合同会社入社

2017年 インテグラル株式会社入社

2019年 株式会社JRCに常駐

2023年 インテグラル株式会社ディレクター

2024年 株式会社JRCに完全移籍

01.会計士を目指したきっかけから監査法人での経験

ー会計士を目指したきっかけを教えてください。

大学で経営学部の会計学科に入ったのですが、そこで簿記3級を取得すれば単位が認定されるという制度があったため、大学1年生の時に簿記3級を取得しました。その時に簿記の勉強が嫌いではないというイメージを持ちました。簿記3級の合格後、特に勉強はしていなかったのですが、周りが就職活動を意識し始める時期に、自分には面接時に自己PRで話せるような強みが何もないと感じ、何か専門性を身に付けたいと思い会計士の勉強を始めました。

ー合格後、監査法人の東京事務所ではなく大阪事務所に決めた理由は何ですか。

まず、大阪が好きというのがありました。東京でしかできない仕事があるのなら、東京に行こうと思っていたのですが、監査に関してはクライアントの規模の違いはあるにしろ、東京でも大阪でもやっていることは同じだと考えたので大阪で就職することを決めました。

ー監査法人に就職後、アドバイザリー部に異動されたきっかけを教えてください。

まず監査を2年程経験した後、修了考査を受験する前にアドバイザリー部に異動しました。
異動した理由は2つあります。1つ目は会計士にプラスアルファとなる専門性を身に付けたかったからです。監査も面白いと感じていたのですが、監査以外の専門性も持つべきだと考えました。2つ目は自分の頑張りが目の前の人の喜びにつながる仕事がしたいと思ったからです。監査は社会的に意義のある仕事ですが、目の前のクライアントを必ずしも喜ばせることができる仕事ではないと感じていました。アドバイザリー部ではよりクライアントの喜びに直結するような仕事ができると考え異動しました。

ーアドバイザリー部ではどのような仕事をしていたのですか。

企業再生やM&Aの財務DD、バリュエーションを主に行っていました。

ー監査からアドバイザリーに移った際に知識のキャッチアップ等はどのようにされていましたか。

初めは何も分からなかったため、とにかく必死に勉強しました。ただ、苦労したのは知識の習得よりも仕事に対するマインドチェンジでした。当初は監査と財務DDの違いすら分かっていない状態でした。監査は市場の番人として保証の水準を満たすのが目的である一方、財務DDでは保証の水準のようなものがあるわけではなく、クライアントが知りたいこと、知らなければならないことを調べることが目的で、そこが監査人とコンサルタントの違いなのだと気が付きました。このマインドチェンジができるようになってからは仕事も非常に面白くなってきました。

02. 転職のきっかけと転職先での経験

ー監査法人からデロイトトーマツコンサルティングに転職されたきかっけを教えてください。

大きく2つあります。1つ目はM&Aが面白いと感じていたのですが、アドバイザリーではM&Aプロセスの一部分である財務DDしかやっていないということに気づき、M&Aのプロセス全体に関わりたいと思ったからです。2つ目は事業の成長により貢献したいと考えたからです。専門家というよりもビジネスコンサルタントとしてM&Aという軸を持ちつつ、企業の支援をしたいと考えました

ーデロイトトーマツコンサルティングではどのようなご経験をされましたか。

クライアントの成長ストーリーの中でM&Aを活用したビジネス戦略を提案し、その戦略に基づきソーシングし、FAまで行うということをしていました。FAをしながら戦略コンサルもできるというのが面白かったです。仕事はかなり大変でしたが、ロジカルシンキングなどを身に付けることができ非常に良い経験になりました。

ーその後、インテグラルに転職されたのはなぜですか。

この転職の際にもM&Aを用いて企業の成長に貢献したいという思いは変わっておらず、M&Aをもっとやりたいと思っていました。そこで、なぜ自分はM&Aが好きなのかを考えると、企業変革の瞬間に立ち会えることを面白いと感じているからだということに気が付きました。しかし、M&AコンサルではM&A成立後にはノータッチで、企業変革を今後進めようという段階にはあまり関われませんでした。この点、ファンドではM&A後もクライアントに関わることができるため、企業の成長を支援したいという自分の思いにより合致すると思いました。その中でもインテグラルは徹底的なハンズオン支援を行っており、企業の成長を直接支援できると考えて入社を決めました。ソーシングからイグジットまでを全て自分たちでやり、ハンズオンは常駐で投資先にコミットしてファイナンス、事業、管理体制など全ての支援を行い、結果として企業価値が向上し、リターンを得るというのがインテグラルの考え方です。それに私自身非常に共感しており、本当に良い会社でした。

03. 投資先への常駐支援の経験と今後の展望

ーインテグラルの投資先で常川さんはどのような支援をされていたのですか。

インテグラルでは専門性によって支援する内容を決めるのではなく、会社の企業価値向上に本当に必要なことを見極め、そこを支援していました。そのため、会計士だから財務をやるとかではなく、事業の支援もしていましたし、私が常駐したJRCでは上場のために成長事業を作ることと管理体制を強化することが必要だったので、新規事業の責任者とIPO推進室長としてその2点を中心に行っていました。

ー投資先の企業でいきなり事業責任者をするのは大変だったかと思うのですが、その際のメンタリティはどのようなものでしたか。

新規事業の責任者は自分で手を挙げてやらせていただきました。私はこの事業は伸びると思っていましたし、面白そうだからとりあえずやってみようと思い飛び込んでみました。また、後から思ったことなのですが、会計士は監査を通じて財務諸表と向き合い、事業が会社の数字にどのようにつながるのかを理解しているため、事業を行うにあたっての素養が備わっていると思います。私は事業責任者の経験はありませんでしたし、事業の理解も最初は全くありませんでしたが、事業責任者をやる上で監査法人で培った素養が活きたと思います。

ーその他に苦労したことなどはありますか。

マネジメントが今までのものとは異なり、苦労しました。監査もM&Aも部下を付けて仕事をしていましたが、どちらもプロフェッショナルファームで自分もその分野の専門家であったため、部下の業務を自分で巻き取ることができました。そのため、部下ができなくても最終的には自分がやればよいという気持ちの余裕があったのですが、JRCでは自分のできない営業や設計、組立といった専門性を集めたチームのマネジメントだったためこのことが通じず、難しいと感じました。

ーマネジメントにあたって技術的なバックグラウンドがない中で人間関係の構築なども難しかったかと思うのですが、その中で意識していたことはありますか。

肩書で仕事をしないということを意識しました。自分は役員という立場でしたが、分からないことは分からないと正直に言うようにし、コミュニケーションをしっかりと取ることで、相手が何を考えているのかを理解しようとしました。話を聞く姿勢を持っていると現場から意見が上がってきやすくなり、今では何でも相談してくれるようになりました。

ーインテグラルを退職し、常駐先のJRCに完全移籍されたのはなぜですか。

インテグラルに戻って他の会社の成長を支援するということも考えたのですが、JRCという会社が好きでこの会社をもっと良くしていきたいと思い、JRCに移籍することを決めました。

ーこれからの展望について会社と個人のキャリアの両面から教えてください。

現在はCFO、CSO、戦略投資部部長という3つの役職に就いています。CFOとしてはファイナンスやIR、上場企業として必要な管理体制を整えること、CSOとしてはメンバーと連携しながら企業の成長戦略の立てて実行すること、戦略投資部部長としてはM&Aを活用しながら成長を加速させていくこと、これらを実現したいと考えています。個人のキャリアとしてはまず、この会社をしっかりと成長させていきたいと考えています。

04.若手会計士に向けて伝えたいこと

ー監査法人を辞める前にシニアや主査は経験すべきだと思いますか。

一長一短だと思います。チームをマネジメントするというのは監査法人でできる大きな経験の1つだと思うので、シニアになるならないに関わらず、経験できるのであればしておいた方が良いと思います。ただ、他に面白そうと思う仕事があるのなら、シニアになることにこだわらずに行動してみればよいのではないかなと思います。

ー一般的な会計士とは異なるキャリアを歩まれているかと思いますが、その中で会計士で良かったなと思うことはありますか。

会計に強いという軸が一つあるのが大きな強みだと思います。周りからも頼られるし、自分の心の支えにもなります。専門性の軸の数がその人の独自性を作っていくと思っているのですが、社会に出る時点ですでに軸を一つ持っているという点で、会計士で良かったなと思います。

ー最後に若手会計士に向けてのメッセージをお願いします。

可能性を勝手に狭めないで欲しいと思います。会計士だからこういう仕事しかできないなどと思わず、自分が面白そうと思ったことにはすぐに飛び込んでみるのが良いと思います。失敗したとしても会計士という軸があってやり直しがきくので怖がらずにチャレンジしてみて欲しいです。インテグラルの創業者である佐山展生さんの言葉に「人生は面白そうを追求する旅である」というのがあり、まさにその通りだと思っています。ぜひ、面白そうだと思ったことにはすぐに行動して欲しいと思います。

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