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公開日:2023/01/12

大手監査法人からワークライフバランスを求めて関西大手メーカーへ転職

☆B氏の概要

  •  大手監査法人(大阪支社)に新卒で就職。

  •  ご結婚され家庭や子育て含め今後のキャリアを考えた時に不安を感じご転職を決意。

  • 現在は関西大手メーカー企業勤務(経理部所属)

☆STORY

大学在学中に会計士試験に合格し、大手監査法人(大阪支社)に新卒で就職。監査業務に従事しながら修了考査にも合格し、27歳で同じ監査法人の会計士であるご主人とご結婚。ご結婚を機に「家庭と育児と監査法人勤務の3つをバランスよくこなすことができるのか」と悩まれた末に転職を決断されました。(※ひと昔前に比べ、近年では大手監査法人はどこでも育休・時短勤務の制度を充実させてきていますし、一度離職した女性公認会計士の再雇用にも積極的になってきているようですが、実情はまだまだ融通が利かない局面は多く、周りの理解もなかなか得られず柔軟な調整が難しいといった現状があるそうです。)

家庭との両立、今後のご出産、子育て後のキャリアについて検討した結果、キャリアダウンにならないように、尚且つ、ワークライフバランスも保てるインハウス会計士を目指して転職活動を開始することに。

ご紹介させていただいた案件のカテゴリーは大きく分けて以下の3つになります。

⓵上場子会社

⓶IT系ベンチャー企業(IPO準備)

⓷大手上場企業

⓵の上場子会社については勤務地も近く、想定される業務ボリュームも少なく、月の残業時間が10時間未満といった落ち着いた環境が魅力的でしたが、公認会計士としてのスキルを活かし切れない業務内容であることが大きなネックとなりました。

続いて⓶のIT系ベンチャー企業ですが、こちらはリモート勤務を推奨しており、フルフレックス制度も導入されていて個人の裁量に任せた柔軟な働き方が可能でした。働く環境面ではB氏の理想に最も近い条件ですし、IPO準備中であるため、公認会計士が重宝される環境でもありました。しかし、面談で感じた企業のカルチャーの僅かな違和感や事業の安定性や将来性、また、今後IPO準備により業務量が増加する可能性が不安要素となりました。

結論としてB氏は⓷の関西の大手上場メーカーに転職先を決められました。フレックス制度とリモート勤務制度が整っており、産休育休制度の実績も豊富で、現場には同じような働き方をされている公認会計士や税理士の女性が数名在籍されていることが大きな安心材料となり決め手となったそうです。

スタートの年収は600万円と⓶のベンチャー企業と同等でしたが、フレックス制度やリモート勤務により仕事と家庭との両立が実現できているようです。そして、上場基準での会計業務にも携われるため、公認会計士としてのスキルも落とさずに済みました。入社2年後に無事にご出産され、現在は時短勤務中ですが、復帰後は公認会計士のバリューを多方面でも発揮できるようにという会社側の配慮から、経営企画や財務部へのローテーションも予定されており、更なるキャリアアップの可能性も広がっているそうです。

☆POINT

  • 複数のタイプの職場環境を比較し、自分のニーズを十分に整理した。

  • 公認会計士としてのバリューを発揮し易い大手上場企業という環境を選んだ。

  • 自身と同じ境遇にある女性公認会計士や税理士が複数在籍している点も重視した。

本事例のB氏が最後まで悩まれた選択肢はIT系ベンチャー企業(IPO準備)でした。優良なベンチャー企業は働き方も柔軟ですし、IPO準備企業であれば、公認会計士としてのキャリアアップの可能性も広がる良い選択の一つと言えますし、社内でも公認会計士資格が重宝されることでしょう。しかし、企業のカルチャーフィットや、事業やプロダクトに興味を持てるかどうかも相当に重要なポイントになります。それらをしっかりと見極めなければ、最も残念なミスマッチが生じますので十分に注意をしながら進路決定をしていただければと思います。