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公開日:2024/08/26

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【関西会計士のロールモデル】野球少年から会計士そしてCOOへ!門出祐介(株式会社ナレッジラボ)のキャリア!

今回のロールモデルは株式会社ナレッジラボ取締役COO門出祐介さんです。

門出さんは監査法人でキャリアをスタートさせた後、ナレッジラボに入社され、現在はCOOとして経営に携わっておられます。

門出さんには、監査法人時代からナレッジラボでの経験についてや、人生に大きな影響を与えた野球少年時代についてなど、様々お話しいただきました。是非ご覧ください!

門出祐介さんのプロフィール

門出祐介

 

ナレッジラボ 取締役COO

公認会計士 

 

22歳 公認会計士合格→PwC京都監査法人(現PwC Japan有限責任監査法人)へ入所

31歳 株式会社ナレッジラボ入社

 

INDEX

①監査法人での経験

②転職のきっかけ、転職先での経験

③会計士を目指したきっかけ〜野球少年から会計士へ〜

④若手会計士へ伝えたいこと

01.監査法人での経験について

ー監査法人ではどのようなご経験をされたのか教えてください。

元々会計士としてずっと監査業務に携わっていたいというよりは、3年ぐらいで監査法人を辞めてコンサル会社に行きたいなという漠然とした考えだったため、会計士試験合格後の監査法人選びの軸は、3年間で一番成長できる環境というものでした。そこで当時、関西で一番厳しいと聞いていたPwC京都監査法人(現PwC Japan)を選びました。PwC京都監査法人のクライアントは結構特殊で、京セラや任天堂、日本電産などの京都のオーナー系企業が多くありました。そのような会社は監査に対する期待値がすごく高く、合格当時の自分は監査は間違いを見つけるだけと思っていたのですが、監査で会社を良くするための提案を求められる期待値の高さがありました。そういう方たちと接していると、3年ぐらいでは到底監査をやり切れていないなと感じる様になり、また、クライアントのCFOや経理部長と話している先輩たちがすごくかっこよく見えて、上場会社の意思決定層とやり取りができるようになるまで監査法人で学びたいと思い、PwC京都監査法人に結果的に9年所属していました。その間、上場会社の主査やIPO準備企業の支援もさせていただき、かなり充実した日々を過ごさせてもらいました。

現在、事業会社であるナレッジラボで働いて6年目になりますが、未だに監査という仕事はすごく重要でやりがいのある仕事だと思っています。実際、現在もあるべき統制を意識しながら準備してきたおかげで、会社規模の拡大にも対応できているので、監査で学んだことは事業会社の中で生かされていると感じます。

 

ー監査法人でどんな意識を持って働かれていましたか?

クライアントに会社を良くする提案ができる会計士になりたいと思っていました。BIG4と言われる大きな監査法人がある中で、当時中小規模だったPwC京都監査法人を選んでくれているのだから、監査品質を担保するのは当然で、それ以上のことで何ができるかというのを考えていかないと、クライアントに対して顔向けできないというのを当時の監査部門のトップのパートナーがおっしゃっていましたが、その考え方が僕はとても好きで、常に普通の監査人以上の提案をするためにはどういうことが必要かを考えていました。

02.転職のきっかけ、転職先での経験

ー転職のきっかけを教えてください。

監査を通じてクライアントに会社を良くするための提案をすることにやりがいを感じる一方で、クライアントの成長を輪の中で一緒に喜べたら良いのになと思うことが多くなりました。当時31歳になる年で、監査法人でかなり色々なことを学ばせてもらったので、何かチャレンジするのであれば今かなと思い、2018年に転職活動をしました。

転職活動の中では、BIG4系も含めコンサル会社を3、4社とナレッジラボを受けていました。面接は得意な方だったので、結構うまく行きました(笑) 。ただ、その中で唯一答えに戸惑った質問をしてくれたのが、ナレッジラボ代表の国見さんでした。その質問は「門出さんは、仕事に何を求めていますか?」という質問で、すごくシンプルなのですが、目先の担当したい業務とかそういう事ではなく、もっと本質的なことを尋ねられているのだろうと考えると、すごく深い質問だなと感じ、すごく考えて「仕事を通じてガッツポーズするような瞬間を求めているんだと思います。」と答えました。この質問からナレッジラボのことが気になるようになり、自身で回答したことを実現できるのはナレッジラボの環境だなと考え、ナレッジラボにジョインさせてもらうことにしました。この時期のナレッジラボは、2018年7月にM&Aでマネーフォワードグループにジョインした直後のタイミングで、グループジョインはするものの子会社上場も目指していくということも聞き、そういった意思決定ができる凄さにも惹かれましたし、マネーフォワードのようにたくさん資金調達をしている上場会社のグループ会社は、会社が傾いたとしても親会社から見捨てられることがなければ、リスクをすごく抑えた形でベンチャー企業で働くことに挑戦することができる環境なのではないかと感じました。

 

ーナレッジラボさんに入社されてからはどのような業務をされているのですか。

2018年12月に入社し、当時のメンバーは15人ぐらいでした。元々の祖業は事業再生のコンサルで、僕がジョインしたタイミングは、ここから自社プロダクトの予実管理クラウド、Manageboardを伸ばしていくというフェーズでした。ジョインしてからは5年半くらいになります。

 

ーナレッジラボさんが開発しているManageboardについて教えてください。

Manageboardは、経営目標達成のための計画的経営を実現する予実管理クラウドです。Manageboardをご利用いただくことで、会計システムから財務データを取得して管理できるほか、人員計画や販売計画などのKPI情報も取り込み、クラウド上で多角的な経営計画の策定や分析を効率的に行うことができるようになります。

財務×KPI×セグメントのような柔軟なレポート設計ができるので、計算ミスなく、経営に必要な確かな情報をスピーディーに確認することが出来るようになります。こうした機能は成長企業の経営にとって不可欠なツールなのではないかと思います。

これまで7,100社以上のご利用実績があり、IT企業、飲食業、ホテル経営、コンサル業など多くの業種で予実管理の効率化を実現させています。実際に、Manageboardを導入頂いたことで、面倒な実績集計作業を従来の5分の1の時間で完了させているお客様の実績もあります。

https://service.manageboard.jp/

ー入社されたときから、Manageboardの担当でいらっしゃったのか、それともコンサルも担当されていたのでしょうか。

入社したときは既存のコンサル領域にも携わりながら、Manageboardを使って自社でコンサルティングをしていくというビジネスの立ち上げ担当でした。新規事業の立ち上げについては、最初は見事にうまくいかなかったです(笑)。まずはセミナーから案件化しようとして、集客してみるのですが、集客できたのは2人とか。そのうえ、実際当日には誰も来ないみたいなこともあり、色々と失敗もしました。僕は監査法人での経験しかなかったので、営業のやり方も分からず、営業の提案資料も堅苦しいだけのものしか作れなかったりと、1年目が一番つらかったですね。けれども、やるだけやってだめだったら仕方がないし、できることは全部しようと思いました。そこで、前職の知り合いを中心に色々なところに足を運んで、お話を聞いていくと、意外にも色々と課題があるという相談を頂き、そこからは求められる形で営業が出来る様になっていきました。結果的に相談いただくことが多かったのが、クラウドバックオフィスツールの導入やIPO支援でしたが、当初新規ビジネスとして最初に描いていた枠でなくとも、お客様の課題に合わせてピボットしながら自分たちが得意なことで数字を作れるんだという感覚になりました。Manageboardも当時は会計事務所向けしかなかったのですが、事業会社のお客様が予実管理に課題を抱えておられるケースが多かったので、一般企業向けにもサービス展開していきたいという提案をし、そこも立ち上げていった形になります。

ー門出さんにとってCOOはどういう役割だとお考えでしょうか。

今はCOOとしてビジネス領域の責任者をしているのですが、全体的視点を持って動いていくのがCOOなのかなとは思っています。視野を広く持って落ちているボールはなんでも拾うつもりで動きたいと思っていて、ナレッジラボには、ビジネス、開発、コーポレートという領域があるのですが、自分が直接管掌しているビジネス領域だけでなく、全社を横串で見て、動いていくのがCOOの役割だと思います。なので、幅広くいろんなことに関わりながら仕事をしている役割ですね。土台が会計士であることは自分の強みだとは思いますが、会計士であることはそれだけで経営のプロであることの資格にはならないので、経営者として学び続けるということが重要だと思っています。

03.会計士を目指したきっかけ〜野球少年から会計士へ〜

ーそもそもの会計士を目指すきっかけはどのようなものだったのでしょうか。

野球少年だった過去が影響しています。小学校3年生から野球を始めたのですが、所属していた地元滋賀のチームが強く、全国大会にも出場しました。少年の頃は甲子園が人生の全てで、高校で甲子園に行き、将来は高校野球の監督になって一生甲子園を目指していくことを考えていました。中学生の時には一回戦負けするような弱小チームだったのですが、顧問の先生が熱心に指導してくれない分、素振りの記録用紙をエクセルで作ってグラフを作ったり、野球の理論的な本を読んで、それをまとめて練習に活かしたりして、今思うとチームのマネジメントの様なことをやっていました。たまたま選んで頂いた地域の選抜チームの監督が熱心な方で、1冊の本を紹介してくれました。「野球に憑かれた男」という、日大野球部の監督で、球界の革命児と言われた鈴木博識監督の野球観について書かれた本でした。中学3年生のときにその本を読んですごく感動し、「将来は高校野球の監督になって一生甲子園を目指したいと思っています。日大藤沢高校(鈴木監督の前任校)で甲子園に行って、日大に入って監督と一緒に野球がしたいです」という手紙を監督宛に書きました。そしたら何と返事が返ってきて、「甲子園は高校生の全国大会です。君の人生は、野球が終わってからの方が長いので、周りの大人の言うことをよく聞いて、考えてください。」ということを書いてくださって、その言葉が心に残りました。このアドバイスもあり、高校では地元のメンバーで集まりやすかった地元滋賀県の八幡商業高校に進学し、運よく2度甲子園に出場することもできました。

実際甲子園に出場させてもらって、野球で勝つために色々なことを考えてやってきて、同じ甲子園に出てプロに行く選手もいる中で、自分はその先の世界にいくことが出来ないということがすごく悔しく思えました。一方で、野球を通じて色々なことを考えてきた力は、社会でも役に立つのではないかと思いました。ただ、高校では野球漬けの日々だったので、社会で活躍するには説得力がないといけないと思い、資格を取ることが説得力をつける最短ルートなのではないかと考えるようになりました。難関国家資格として、医者・弁護士・会計士と言われる中で、会計士が一番チームプレーで仕事をしているイメージで、また、祖父が会社を経営していた影響で、経営に対してはすごく憧れがあったので、大学では会計士の勉強しようと決めました。

中学3年生以降ずっと手紙のやりとりをしていた鈴木監督からも、「少年時代から強烈に甲子園に行きたいと思って、そこから自分で繋げて会いにきて、甲子園にもいったよな、どれだけバットを振ったと思う? それを勉強にぶつけてバットをペンに持ち替えたら絶対に負けない。会いに来れる自分でいなさい。」ということを言って頂いて、それがすごく心の励みになりました。鈴木監督とは今でもお付き合いさせて頂いているのですが、これからも恥じない生き方をしたいと思っています。


 

 

04.若手会計士に向けて伝えたいこと

ー若手会計士に向けて伝えたいことはありますか。

僕自身、監査法人に入社した当初は、3〜4年くらいで転職しようと考えていましたが、結果的に9年間監査法人で仕事をさせて頂いて、監査の仕事から学べることは多かったですし、今のCOOという仕事でも監査で学んだことが基礎になっていると思っています。それと同時に、監査法人在職中はすごく視野が狭かったなとも思います。クライアント以外で監査法人の外の方と接する機会も少なかったので、当時思っていた以上に社会を知らなかったなと、今となっては感じています。

監査法人在職中は、監査法人から出て、何かにチャレンジするということは人生のリスクを伴うすごく危ないことだと考えてしまっていたのですが、転職活動を実際にやってみて、例え15人しかいないベンチャー企業でチャレンジして失敗したとしても、会計士という資格があることで、実は再チャレンジが容易な状況にあるということを認識できました。どんな状況になったとしても、会計士という資格とスキルに基づいて仕事ができるというのはすごく大きいと思いますし、ぜひ積極的にチャレンジすることをお勧めしたいです。

また、なれる自分よりもなりたい自分でいいのではないかと思っていて、そこを追い求めていったときに、必ずしも会計士のキャリアやスキルを全部使い切らなくても良いのではないかと僕は考えています。僕自身、今は会計士っぽい仕事をほとんどしていないですが、監査法人時代の経験がビジネスパーソンとして土台にはあります。監査の経験しかなくても、監査で学んだことは基礎体力みたいに他の領域でも活かすことが出来ると思うので、もし、キャリアで悩んでいる方がいらっしゃるとすれば、資格の枠組みにとらわれすぎずに、なりたい自分を目指していくことをお勧めさせて頂きたいです。

以上、株式会社ナレッジラボ門出さんへのインタビューでした!

 

 

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