公開日:2024/09/06
監査法人の経験が役に立っていることその1!ヒアリングスキル
こんにちは、30代ワーママ企業内会計士Fumieです。
コラムをご覧いただきありがとうございます!
わたしは現在、監査法人を卒業して事業会社で働いています。
その中で監査法人での経験が役に立っているなぁと思うことを紹介します。
今回は第一弾「ヒアリングスキル」です!
◆監査法人時代に実施していたヒアリング
監査法人でヒアリングといえば内部統制ヒアリングを想像される方が多いのではないでしょうか。わたしもご多分に漏れず期中に数々の内部統制ヒアリングを行いました。
その際みなさん気を付けていることはありますか?
わたしは(みなさんと同様かと思いますが)このようなことに気を付けていました。
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過去に聞いたことを何度も聞かないようにする
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当年度の変更を見逃さないようにする
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業務の欠陥を見逃さないよう職業的懐疑心をもって状況を整理する
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対応してくださる人の負担にならないようにする
一般的には監査調書はクライアントに見せませんが、過去にどのようなことを話したかを同じ理解状況で話せるように、業務記述書の必要箇所だけを共有するようにもしていました。この理解の共有はかなり大事だと思います。
また、内部統制だけでなく日々の監査業務での疑問点のお伺いもヒアリングの範疇に含まれるかなと思っています。この際にはこのようなことに気を付けていました。
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過去に同様の問い合わせをしていないか調書やチーム内でよくよく確認する
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どこに疑問を持っているのかを、口頭だけでなく実際のデータやグラフをお見せしながらわかりやすく説明できるようにする
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一度聞いたことは再度聞かずに済むようにしっかりとメモする
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わからないことをがあったら、わかったふりをしないできちんと質問する
一点目はかなり重要で、ここを怠るとクライアントの信頼を失うことになります。
これはヒアリングだけに限らず資料依頼にも同様なので、忙しい時にこそ絶対に徹底していたポイントです。
二点目は理解の共有のために実施していました。
口頭だけでクライアントにわかっていただき、こちらもしっかりと理解するのは至難の業です。このために必要ならば現場に伺ったり、もし難しいようならZoomでミーティングを設定させていただく必要があると思います。
三点目は一点目にもつながることなのでとても重要です。
過去に聞いたのに調書に残っていないので再度質問してしまいクレームを頂戴するなんてことがあったら最悪です!
四点目は実はかなり難しいことだと思っています。
業務経験豊富な担当者から流れるように説明されたら疑問を差しはさむ余地がないかもしれません。
「こんなことを聞いてしまっていいのかな?」とひるんでしまうかもしれません。
ただこれを放置すると、
● 調書をまとめる段になって「これってなんだっけ?まあいいか」とあやふやな記載にする
● 主任からメモが入って、再度クライアントに聞くことになる
● 「この前説明して納得いただけましたよね?」とクレームをいただく
そんな未来が待っています。頭をフル回転させながら疑問点は即座に解決することで、全体の工数を削減していきたいところです。
◆ヒアリングスキルが活きている具体例
わたしは現在PEファンドという業界でバックオフィス業務に携わっています。
会社で働く人たちが円滑に仕事できるよう、主に経理やIT部分でのもろもろを実施しています。割と広範で非定型的な業務が多いのでざっくりとした指示が飛んできたり、わたしは詳しくない分野のお願いごとをされたりします。
その時にヒアリングスキルが活きていると感じています。
具体的にはこういったことがありました。
● 実施事項をよくよく聞いて確認してみると、実際はやらなくていい作業だった!
● 税理士に確認してと言われたが、詳しく聞いてみたら社会保険労務士に確認すべき事項だった!
● よくわからない指示だったが、背景を整理すると実際はシンプルな事象で、ネット検索すれば解決した!
監査法人で培ったヒアリングスキルのおかげで、結構な工数の削減ができています。
監査法人時代と少し違うのは、質問事項をどのように整理するのか・誰にいつどのように聞くべきかをより検討しなくてはいけなくなったということです。(監査業務だと、業務担当の人に往査時期に質問するというような感じである程度明確になっていることが多い気がします。)会社の人たちはいい人たちばかりなので何度聞いても教えてくれると思いますが、みなさんの貴重な時間を取らせないように事前準備は怠らないようにしています。
余談ですが、ヒアリングスキルはプライベートでも活きているなと思います。
不妊治療や妊婦検診で通院するのですが、その際に気になることを事前に用意しておいて、医師が答えやすいような質問をすることで疑問がすっきりします。
例えば医師に「いつ治療が終わりますか?」と聞いても「いつ終わるかは人それぞれなのでわかりません」と言われてしまいますよね。
一方、「次に通院するのはいつになるでしょうか?今後1か月の通院ペースはどのくらいになるでしょうか?」と聞けば、「体調が落ち着いているので再来週で大丈夫です。2週間に1回なので月2回ですが、体調が悪化したらもっと頻繁に来てもらいます」と求めていた回答がもらえます。
いきなり診察の最後に「なにか質問はありますか?」と医師に聞かれても困ってしまいますよね。事前に質問事項を用意しておくとスムーズです。
◆さいごに
ヒアリングスキルはソフトスキルと呼ばれる分野のもので、上達しているのか・役に立っているのか目に見えてわかりにくいかもしれません。しっかり準備して、ポイントを押さえて、場数を踏めばきっと上達します。
また、一度身に着ければ仕事でもそれ以外でもいろんな場面で使えます。
ヒアリングに苦手意識がある人がいらっしゃるかもしれませんが、ぜひ前向きにとらえてたのしんで取り組んでみていただけるとうれしいです!